転生の定番ってトラックだよね!
ギャグオンリーです。真面目さは皆無です。
「俺は……俺だけは…………知っている!」
はいどうも知られております。
「この”世界”を!ってちょっと!セリフに割り込まないで!」
いやそんなにかっこつけられても、これそんな作品じゃないし。
「どんな作品になるかは、これから次第じゃないか。かっこよくいこうぜ!」
かっこよくねぇ。そーゆーコンセプト決める前に、あんたの設定考えない?
「俺の設定か?俺はハーレム希望だから男だな!」
えー、ハーレム?ありきたりじゃない?
「ありきたりでいいんだよ!すでにセオリー無視の始まりじゃないか!これ以上変な設定加えてもわけわかんなくなるだろ!」
そうだけど…あっ、いきなり登場人物と地の文が会話してるけど、そこらへんはあらすじ見てね!
「本文で書く内容とは思えないな。」
登場人物のセリフとは到底思えないな。
で、設定だけど、女主人公でハーレムってどう?新しくない?
「そんな百合の花咲く設定なんて嫌ですわ!あっ、私の口調が変わってますの!?」
彼女はベレッタ。金髪のロングヘアーに…
「ちょちょちょ、待つですの!勝手に設定加えないで欲しいですわ!」
えー、どうせそのセリフも作者が書いている……
「ストップですの!それ以上言ったらこの小説のコンセプトから崩壊しますわ!」
そうだった。すまんすまん。でも女主人公のハーレムもの駄目?
「ダメ!作者の性癖は違うところで出してくれ。」
はいはい。じゃあ男で。じゃあ次は何を決めようか。
「はいはい!ハーレムになるにはチートが必須!チートには異世界転生がつきもの!ちょっと地球でトラックに轢かれてくるから、中世っぽい世界観の異世界に転生させてくれ!」
うわー!設定つまんねーー。誰が今更そんな話読むんだよ!
「大丈夫だ!同じような設定でも人気の出てる作品はいくつもある!ようは中身で勝負すればいいんだよ!」
中身こそ弱いんですけど…セミプロひしめく世界で素人がありきたりな設定の話とか自殺行為にしか思えないのだが。
「だからって、じゃあ面白くて奇抜な設定とかできるのか?」
面白くて奇抜……
村人が強いとか?
「もうある。」
人間じゃなくて魔物とかに転生とか!
「たくさんある。」
…ウエットティッシュに転生して、除菌する人生とか。
「それは二つの意味でない!なんだよ除菌する人生って!菌との闘いか!」
蓋が半開きで乾いていくぞ!うわぁ~みたいな。
「奇抜だが意味不明!却下!」
じゃあ、テレビのリモコンに転生して、リモコン生を送る話。4チャンネル起動ボタン作動!信号発射用意!照準テレビロックオン…発射! プチ…ブン! 起動確認!成功です!みたいな。
「とりあえず、その目の前にあるものに転生させるのやめようか。」
…すみません。
結局良い設定は思い浮かびませんでした。
「たくさん改行して時間経過した感じ出したな。」
それ言わないでくれる!?恥ずかしいから!
「はいはい。じゃあ異世界転生で、チートハーレムでオーケーね?」
わかりましたよ。じゃあ始まりの文書くから黙っておいて。
「オーケー。かっこよく決めてくれよ!」
時は西暦20××年。世界は核戦争により滅びた……
「うおーい!世界いきなり滅んでたー!」
ちょっと、いきなり入ってこないでよ!まだ一行しか書いてないよ。
「世界滅びたらそりゃ割り込むよ!大体転生とかチートとかどうした!?」
だから、未来の謎エネルギーで異世界に行って、一子相伝のチートでモヒカンの魔物をバッタバッタとなぎ倒すんでしょ?
「どこに突っ込むかと言えば、モヒカンの魔物かな。髪の毛の生え方奇抜すぎでしょ。髪の毛下ろしたらロングのストレートヘアーのゴブリンか!」
なんだよ文句ばっかり。じゃあどうしたらいいの?
「異世界転生っていったら、トラックに轢かれて死んで、神様が出てきて、誤って殺してしまったから異世界に転生させてやる、その時に好きな能力を渡してやる、っとこんな感じだ。」
おっけー分かった。
俺の名前は美鈴。現役バリバリのトラックだ!
「て、おーい!主人公トラックかよ!俺轢く側かよ!」
今日も重い荷物を運んでいると…あっ!運転手が居眠り運転してる!
「俺の突っ込み無視で進んでいく!美鈴って某メーカーだな…てそれとトラックの名前は別だからね!………トラックに名前は基本ない!名前があるのはデコトラぐらいだ!!」
正面には青年が。歩きスマホで気づいていない!あぶなーい!!
キキー!
間一髪だった……
みんなも居眠り運転は気を付けよう。
「あれ、誰も死んでない?話進まないじゃん。どういうこと?」
交通事故は毎日のように発生しています。わざわざ話の中で起こす必要ないのでは?と思いました!
「みんなも車には気を付けよう!」
交通事故で死亡した浩平君は真っ白な空間にいました。目を開けるとそこには白いひげを生やしたおじいさんがいました。
「目を閉じてるのになんで白い空間だと分かったのか不思議だが、気にしないぞ!あなたは誰ですか?」
「何を独り言を言っておるのじゃ?まだ気が動転しておるようじゃの。わしは神様じゃ。」
「か、神様!!!」
知っていたくせに。
目の前には自称神と名乗る怪しいおじいさんがいました。
「あなた本当に神様なんですか?(変なセリフ言わせないでくれ!)」
かっこを使って喋らずに地の文に文句言う技術覚えやがったな。
「ほっほっほ…いきなり信じろと言っても信じられんよな。ほれ、これでどうじゃ?」
すると目の前の神を名乗るおじいさんは、手を挙げると手のひらの先から火の玉を作りました。
「おおっ、それは魔法というやつですね!」
神様は火の玉を浩平に向かって投げつけました。
「あちー!死ぬ!死ぬ!」
「どうじゃ?やけどを一瞬で治す治癒魔法、これぞ神の御業じゃ。」
「いや、火の玉の時点で信じてましたよ!(神様にあほなことさせるな!)」
「いやー、神様は私を転生させるためにここに呼んだのですね?」
えっ?ちょ…あっと……
「そうじゃ。どうも手違いで本来死ぬはずじゃなかったのだが、うっかり殺してしまっての。元の世界に戻すことは天界のルールに抵触するため、誠に勝手ながら、わしが管理する別の世界に転生させることになった。」
ちょっと!勝手に話進めないでよ!
「なるほど!しかし異世界にこのまま転生するのは不安です。魔物とかいるんでしょ?どうか魔物に対抗するための力を授けてはくれませんか?」
「よかろう。して、どんな力を望む?」
「はい。無限の魔力、星をも砕く力、光より速く走る素早さ、どんな剣も傷つけることのできぬ鋼の肉体を下さい。」
なにそれ。盛りすぎて冷めるわー。大体、星を砕く力って、うっかり異世界滅亡じゃん。しかも光より早くって、タイムスリップでもする気かよ。
「(冷静に言われると恥ずかしい!)すみません盛りました。異世界で最強と言われる者の2倍の強さでお願いします。」
「そうか。その程度なら大丈夫じゃろ。勿論人間の中でじゃな?」
「ちなみに魔物も含めると?」
「ワンパンで星が砕ける。」
「人間の中で最強の2倍でお願いします!」
「よかろう。ただし、技術は別じゃからな。身体能力だけが2倍じゃから、うっかり調子に乗ると、本物にあっさり殺される可能性もあるから、気を付けるんじゃよ?」
「は、はい!(チートっぽくないよ!)」
大丈夫だ。細かい部分は俺が運という万能ワードでうまいこと運ぶから!
「それが心配なんだよ!」
「なんじゃ?まだ心配か?」
「あっ、いえ…今のは突っ込みというかなんというか…」
「うーむ、よし、じゃあ貝の中にちっちゃいカニが挟まっている確率があがる加護を授けよう。」
「いらねぇ!神様作者に毒されてきてませんか!?」
「おっともう時間じゃ…異世界でも元気でな。あとちっちゃいカニにもよろしくな。」
こうして意識が深い深い暗闇の中へ落ちていく……