いじめ
小説を投稿するのは初めてですが、どうか暖かい目で見て頂ければ嬉しいです。
なるべく早く更新出来るように頑張ります
「上原夏実!お前は・・・また白紙でテストを出したな!?俺をバカにしてるのか!?」
一人の中年の男性教師が、少女を叱っている。
少女は前髪が長く、顔が見えない。
「どうしてお前はいつもこうなんだ!?」
「いえ、・・・私は・・白紙なんて・・」
「何?聞こえん!!お前はどうしていつもそうなんだ!どうして皆に出来ることが、お前には出来ないんだ!?」
「す、すみません・・・」
「謝ったら済むと思っているのか!?」
キーンコーンカーンコーン
授業終了の鐘が鳴った。教師は無言で教室を立ち去った。
佇む少女に近寄るクラスメートが一人。
クラスメートの女子は、少女に笑いながら話しかけた。
上原夏実という名前の彼女は―――――――――
「あ、夏実!いいおこられっぷりだったね!そうだ、あたしあんたのテスト白紙で出しといたから!」
――――――――いじめられている。
私は上原 夏実。中学二年生。
このクラスは、佐倉 美桜・・・通称姫が仕切っている。取り巻きの東 麻里と片山 柚花の三人で、小学校から似たような状態になってる。
今日も彼女達は私の所に来た。
「夏実ぃ!ねーえー?
遊ぼうよ?何か楽しい遊びない?ねえ、柚花」
「うーん。それなら・・・トイレ・・・行かない?こんなことするの。」
そう言って柚花はジェスチャーをした。
「あー。それ、わかった!いいじゃん」
「私も賛成!夏実、行くよ」
「え・・・」
・・・また、彼女達の遊びに巻き込まれるのかな。
けれど、私に拒否権は無い。
トイレに行くと、個室に閉じ込められた。
ドアが開かない・・・外から塞がれてる!
「・・・ねぇ、ある?あの長いやつ」
「ホースでしょ?ここあるよ」
何をする気だろう。彼女達がやることなら、苦しくない筈はないけど。きっと今日も私で遊ぶんだ。
「3本あるからー。これで、ね?」
「いいね、なるほど♪」
「夏実!聞いてる?いくよ?」
「「「せーのっ!!」」」
バッシャァーーーーー!!
「!!!」
上から水が降ってきた。
ホース3本分。さすがにこれは、逃げ切れない。
「キャハハハ!大成功~」
「良いね!」
止まらない水に、息が出来ない・・・寒さと、苦しさでどうにかなりそう。
「アッハハ!いーじゃん、でも~声が聞こえないのがちょっと残念かも。」
や・・・ヤバイ。
そろそろ・・・息が・・・
「美桜、そろそろ止めないと溢れる」
「そっか、面白かったのにぃ。麻里、止めて。」
キュッ
柚花の声で、やっと私は解放された。
止まっ・・・た。
もう全身ビショビショだ。
彼女達は楽しそうに笑っている。
「アッハハ!おっかし~」
「もう良いかな。夏美、出て。」
バシャ!
無理矢理引っ張られて、転んだ。
「きゃぁ!もう!かかったじゃない!ふざけんな、クソが!」
ガッ!
「い・・・っ!」
「美桜さんに汚い水つけんなよ!」
「汚い!」
水かけたのはそっちでしょ・・・。
なんて、言いたいことが言えない。
逆らえない。
「柚花、これどうするの?水びたじゃ怒られるよね?」
「大丈夫。これを使うの。」
柚花が取り出したのは掃除道具入れにあったトイレットペーパー。
「これでここのトイレを詰まらせるの。それで水が溢れてくれば・・・?」
「なるほど!たまたまトイレットペーパーがトイレに落ちて、詰まって溢れたってことになる!」
「そう。」
「さすが柚花!」
柚花はこんなアイデアをいつも思い付く。
麻里はそれに頷くだけ。
美桜は姫というより女王様。
この三人は、どこまでも追いかけてきては、私を傷つける・・・
私は彼女達が、苦手だ。