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青春

みらい

作者: 清亮 真

あした

みんなのみらい


あさって

みんなのみらい


らいしゅう

みんなのみらい


らいげつ

みんなのみらい


ゆめ

‥‥‥‥あいつのみらい


せいこう

ぼくのかこ


しっぱい

ぼくのいま


「こんな僕に未来はありますか?」

ただの独り言

だれにも聞いてもらえない


だから

僕は叫ぶ


それでも

ただの独り言


だから

僕は叫ぶ


やっぱり

ただの独り言


それでも

僕は叫ぶ


「未来はあるよ。」 「努力をしたじゃないか。」 「君はまだ若い。」 「もういちど飛べ。」 「あきらめるな。」「未来は平等に与えられるものだろう。」「自分で考えろ。」「がんばれ。」「あと少し。」 「もう少しだけ我慢して。」 「生きているだけましだ。」「あしたまた頑張ろう。」


それでも

ただの独り言


「未来って何?」

僕の独り言じゃない。


「聞いてますかー。」

僕の叫びじゃない。


「聞いてる。」


「なら答えてよ。未来って何?」


「そっちが答えなよ、僕に未来はあるの?」


「君の未来が何か分からないのに、どうやって答えるの?」

なんだそれは


「私の未来は死ぬまでよ。」


「何それ。」


「いいから、私は答えたの。君の未来は何?」


「分からないよ。」


「面白くないわね、付いてきて。」


「はぁ!?」


彼女に付いて行かされたのは病室だった。


「ここが私の未来よ。」


医者が夢なのか。


「3ヶ月後なの。」


「何が?」


「私の未来。」


「どういうこと?」


「ここで私は死ぬの。」


「だから?」


「ひどい、初めてよそんな事聞き返してくるのは。もっとマシな言葉ないの?」


それで1日は終わった。


次の日も会いに行った。


その次の日も。


毎日会いに行った。


彼女は死んだ。


不思議と涙は無かった。


ただ彼女の前で泣く人を見て未来が何か分かった気がする。


「未来ってのは最後の為の道なんだね。人はいつか死んでその死ぬまでの道のりを未来って言うんだ。」


彼女の墓の前で呟く。


「いまなら答えれるのにな。」


僕の頬は濡れていた。











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