表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

鉄板ラーメン。冷やすのは水だ!

作者: 鍋焼き太郎

 20XX年。

富士山の山頂にラーメン屋が開店した。

その名は、『ラーメン富士山頂(ふじさんちょう)

この店で有名なのは、「鉄板ラーメン」だ。

その名前の通りに熱々の鉄板鍋を器に使っており、山頂付近で冷え切った登山者の体を温める。

醤油ベースのスープは富士の雪解け水で作られているらしく、ここでしか食べられない。


 ラーメンマニアの俺は今回そこを訪れた。

今回それだけのために俺は必死に運動をして、富士山の山頂まで登ったのだ。ここに来るまでに幾度も困難があり、何回も諦めかけることもあったが、一杯のラーメンが俺をここまで動かしたのであった。

しかし、本当の困難はお店で始まった。


それは――

ラーメンが熱くて食べられないのである。


しくじった…

なぜ俺は鉄板ラーメンを頼んだのか後悔した。

いくら山頂付近が寒いとはいえ、これは熱すぎる。

しかも、店内は暖房がかかっており、それが追い討ちをかける。

熱さは個人的な感想だが、100度を超えている気がする。


「あちっ」

だめだ。

一口食えば熱すぎて器官がやられる。

一体どうしたらいいんだ!?


熱さをやわらげるには、冷やせばいいんだ。

俺はそう直感した。


そうだ、水だ。水を飲むんだ。

一緒に飲めば多少は熱さも和らぐはずだ。

早速水を頼もう。

「すいませ~~んん!?」

俺は壁にある張り紙に目がいった。


水一杯800円


高い。高すぎる。

「おい、何で水がこんなに高いんだ。」

「すいません。水もこだわりの天然水を使っているもんで。」

店員がそう説明した。


くそっ、800円もあれば別のに使うわ。

かといって、

この鉄板ラーメンを残すのも勿体ない。

1200円もしたし…


他に何かないか。

俺は机の上を見た。

そこにあったのは醤油とお酢…

いや、いくら緊急事態とはいえ、

飲むなんて…

いや、混ぜればいけるんじゃないか…

熱さが和らげば食べれるんだしな。


俺はお酢と醤油を入れた。

ラーメンにお酢はアッサリするっていうし、醤油は元々が醤油ベースのスープだから大丈夫だろう。


さて、頂きま…


「ショッパい!!」

ショッパいよ、ショッパすぎるよ。

辛いのか辛いのか分からなくなってきたよ。


一体どうしたら。

俺は周りの席を見ることにした。

一体みんなはどうやって熱さを我慢して食べているんだ!

ん。コップ!?

みんな頼んでいるのか!?


すると、壁のメニューの隅に飲み物無料の文字が書いてあるのが見えた。


神の助け。みんなこれを頼んでいたのか。

「すみません。無料の飲み物を下さい。」

助かった。

これでラーメンが食べられる。


「お待ちどうさま」

俺の前に熱々のコーヒーが置かれた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ラーメン好きとしてはホットけない逸品
2015/10/27 14:55 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ