Lesson3「ぷりん党 IN 聖夜祭」 01
諸君。今回の話は、選抜大会が行われた五月から半年以上過ぎたクリスマスイブである。私と隼人がこの半年間、美学を追い求めて不毛な戦いをしてきたことは言うまでもない。
クリスマスイブに学校で行われた聖夜祭の話をいきなりしても諸君はこんがらがってしまうかもしれない。そこで便宜を図り、時系列順に少しだけ話したいと思う。諸君も「ああ、こんなアホな事があったんだな」と思ってくれるだけでよい。
まずは六月。衣替えが終わり、生徒の服装は冬服と違って薄着になった。ぷりん部としては絶好の季節到来である。私と隼人は雨と湿気に蒸れたパンティを日夜追い求めた。
七月。夏休みになり、海の日に私と隼人とキララと冬也と黒蝶は、シーフレンド号に乗って東京湾に浮かぶ猿島にやってきた。目的は日頃煩悩に駆られた脳味噌の休息である。しかし、ぷりん部に休息の時は訪れなかった。悪天候のため猿島はクローズド・サークルになり外界との連絡を一切絶たれてしまったからである。そんな、ミステリー小説の定番的状況下の中、私たちは変貌した殺人鬼に、一人、また一人と仲間を失っていった。そして、クライマックスのキララVS隼人の命をかけた歌留多対決は壮絶極まりなかった。
八月。学校の臨海学校。私と隼人と冬也とキララと黒蝶は教育プログラムの最中に洞窟を見付けた。洞窟探険に出た我々五人はハムナプトラやインディ・ジョーンズばりの冒険活劇を繰り広げた。クライマックスの隼人VS片眼の海賊との戦いは見応えがあった。
九月。体育祭が行われている最中、春風の残党が現れ、女子のハーフパンツを下ろす暴挙に出た。私と隼人は春風を一掃するべく立ち上がった。最後の隼人VS春風の戦いは手に汗握るものになった。
十月。ハロウィンが開催され、全校生徒は「トリックオア単位」と、単位をくれないと悪戯するぞとデモ行進を始める。その最中、本物のオバケが登場した時は私もビックリした。しかし、そんなことで引き下がるぷりん部ではない。私と隼人はオバケ(女性)のパンティを見るべく奮闘した。やはり、そこで活躍したのは隼人だった。
十一月。文化祭で私は視聴覚室を貸し切り、「パンティとは如何なるものか」を無知な男子生徒に説いた。真剣に頷いていたのは隼人だけだった。
以上である。
ざっくばらんに話しただけでも七百文字以上になってしまう。こんな不毛でアホな話を物語り口調で語ったら、広辞苑なみの厚さになってしまう。諸君も、そんなすき焼きの具にもならないつまらない話で時間を無駄にしたくないだろう。故に、あえて語ることはしない。
しかし、ぷりん部としては有意義な半年だった。
それとアホな半年間、キララからの呼び出しもあった。選抜大会に始まり、都大会、県大会。それで終わりだと思っていたら、なんと全国大会まで出場してしまった。(ちなみに個人戦での話で、団体戦は県大会止まり)凄いことだと思う。が、いい迷惑だ。
そして、話は戻ってクリスマスイブである。私たちの間に先輩後輩の絆が固く結ばれたとき、事件が起こった。
それは十二月。クリスマスイブに行われた聖夜祭での出来事――




