第八話 チラリ
「はいはい、ただいま監視中のレモンちゃんでーす。それにしても酷いです。八つ裂きだなんて、私がそんな生ぬるい事するわけないじゃないですか。」
うふふ、と嬉しそうに二パッと幼女スマイルを見せるレモンに、若干恐怖を抱いた。
私も恐る恐る、テレビのモニターを見物する。
モニターの中では、たくましくもドラゴンに立ち向かうスノウの姿があった。
「こんなとこで、くたばってたまるかー!」
アサシンナイフを片手に、ドラゴンと戦う姿に、少しだけホッとした。
「「あ。」」
すぐに倒されたけど。
「やっぱり、一番手にドラゴンは荷が重かったですね。」
「撃退用になら、強くて良いんじゃないの?」
残念だとでも言うように呟いた一言に、私は反論する。
「だって、侵入者が苦しむ姿を見るのが、私の楽しみですから。」
初めて見たレモンの心からの笑顔に、私は肯定の返事を返した。
「...そうだね。」
まあ、いっか。
いつの間にか、目の前には力尽きたスノウの姿があった。
スノウが戦闘不能になったら、ここに移動するように設定されていたんだろう。
「そろそろ、真面目に頑張るか。」
ギルドに行きたいし。
そんなことを考えながら、私はパラパラとスキルブックのページをめくった。
スノウ
Level 9
体力40、魔力15、攻撃力5、 防御力2、法攻撃力2、魔法防御力2、素早さ6、運3
暗殺スキル熟練者、走行スキル見習い