第七話 スノウの冒険
「っっっ⁉︎」
私の名前はスノウ。元殺し屋で、現在シズキの元で暮らしている。
最初会った時は警戒もしたけど、相手は私を一瞬でこの世から消し去ることのできる化け物である。こんなこと、本人を前には口が裂けても言えない。というより、言った瞬間裂けるどころか、八つ裂きにされる。
そして、今私の目の前には、真っ黒いドラゴンがいる。
明らかに私よりもデカイ。猫みたいな格好で寝ているから、詳しくはわからないけど、兎に角デカイ。
「ゴオオオオオ!......グオオオオオ!」
大きないびきをかいているドラゴンを、起こさないように、慎重に忍び足で通る。
それになりに、殺し屋として活躍して来た私だけど、流石にドラゴンを相手にしたことはない。
普通ドラゴンと戦うなら、最低でも四人組のチームを組み、尚且つ回復魔法を使える者を2人はメンバーに入れる。これ常識。
分かりやすく言うと、ドラゴン相手にまともに戦えると思うな。という感じ。
そんなわけで、逃げる。
「グウオオオオオオオオオッ!」
「どうせ、こんな事だろうと思ってたよ!」
私を睨みつけるドラゴンに、苛立ちをぶつける。
元々、このダンジョンに入れられた時から、無傷で帰れるとは思ってなかったけど、
「いきなり、凶悪モンスターと戦わせなくたっていいじゃんかー!」
確かに眠ってるドラゴンを見て、うまく行けば無傷で通れるかも?って思ったよ。でも、明らかに起きるタイミングが可笑しい。
絶対監視されてる。
そんなわけで、スノウの冒険はまだまだ続く。