第四話 拾い物
突然ですが、可愛い幼女を拾いました。
何故?
レモンが侵入者です。と笑顔で運んできた幼女に私の視線は釘づけだった。
真っ白い肌に、白銀の短い髪、目は閉じているから分からないが、将来が楽しみな風貌である。でも、こんな可愛い子に何があったのか、服はボロボロで体も傷だらけだった。
「レモン手当してあげて。」
「…畏まりました。」
少し間があったけど、そこは気にしない。
レモンはその場で治癒魔法を発動させた。淡い黄色の光に包まれると、傷だらけだった幼女の体からは傷がすべて消えていた。
「おお!」
その光景に感嘆の声を漏らす。
「えい!」
レモンは自分で直したのにもかかわらず、容赦なく自身の拳で叩き起こしにかかっていた。
「ちょっ、やめたげて!」
止めたけれど一歩遅く、少女は目を覚ました。
「誰?」
「無礼者!この方は私のマスターです!」
「いや、そんな時代劇みたいに言わなくても、それに何一つ説明になって無いよ!?」
「……。」
幼女は警戒心いっぱいだった。
「簡単に説明すると、ここは私たちの家で、あなたがうちの敷地に入って来たから、レモンが捕まえて持ってきたんだよね?」
持ってきた張本人に問いかける。
「はい!何者かに襲撃されていたところでしたが、この無礼者が敷地内に吹っ飛んできたのでマスターのもとに連れてきました。」
「襲撃?」
「はい!なにやら複数人の武器を持った野郎がわんさかいました。」
「そこら辺は何か心当たりある?」
「……」
幼女は気まずそうに視線をずらした。私も負けじと反らした幼女の視線に移動した。そんな感じに格闘すること数分、私は勝利を収めた。
「私殺し屋やってて、でターゲット殺して、その部下っぽいのに見つかって追われてた。」
「ハッ!」
レモン鼻で笑うのはやめてあげよう。
「えーと、今後どうする?」
「分かんない。」
ドンドン暗い表情なってく幼女を眺めてふと思った。そうだ幼女のチートの集団を作ろうと。
「よし!じゃあ私の家族にならない?」
「「え!?」」
私の言葉にレモンと幼女は驚きの声を上げた。
「な、何で家族?」
「正確に言うと、あなたを見てふと思ったの。最強の幼女の集団を作ろう!って。」
「意外とどうしようもない理由だったんですね。」
レモンに笑顔で毒吐かれた。
「でもいい考えだと思うよ。どのみち外に出たら追っての人に見つかってお陀仏だろうし、それにほらレモンって何でもできるでしょう?」
「はい出来ますよ?」
「不老不死になれる薬とか作れる?」
「当然作れます。私にできないことなんて何一つありません!」
見事なドヤ顔だった。
「と言うわけで、貴方には不老不死になる薬を飲んでもらって不老不死になって貰い、その後私たちと修行して、強くなってもらうね。」
「…!?」
驚き過ぎて幼女は固まった。
「嫌?」
そう聞くと幼女は微妙な顔をしたけど、覚悟を決めたのか、お願いします。と頭を下げた。
「じゃ早速!」
そう言うと、レモンは手に持っていた小さい紫色のボトルを開けた。そして容赦なく幼女の口に突っ込んだ。ボトルで口がふさがっているため、言葉は聞き取れないが、味は美味しくないのは一目でわかった。涙目で顔が青ざめている。対照的にレモンは輝かしい笑顔だった。
今日の成果
幼女を拾い、不老不死にした。