第十五話 華麗に登場?
一人ダンジョンの中で、混乱しているおっさん。そこそこの強さを持っているようで、適当なモンスターを相手にさせてみたけど、遠距離から見事に狙撃していた。流石スナイパー、できる。
「ところで、準備できた?」
「ばっちりです。マスター。」
私の問いかけに、レモンが素早く返事を返してくれた。私達は前置きのために、黒いフードを全身に覆う様に被っている。おたのしみ的な感じで。
恥ずかしそうに俯くスノウを、私とレモンは笑顔で、眺めた。
「大丈夫、大丈夫。ちゃんと似合う様に、作ってあるから自信持ってポーズ決めちゃってよ。」
ニヤニヤしながら、他人事のように、スノウを慰めた。
私にも、羞恥心は一応あるけど、なんてったって今の私は幼女。何をしても、どんな悪戯をしても、笑って許される。
幼女は、正義!
「ですが、今の私達は、言うなれば天子の皮を被った悪魔というべきでは?」
「確かにそんな感じかもね。」
ま、それは置いといて、
「登場シーンは如何する?」
「衣装はあるのに、何でそこだけ決めてないの⁉︎」
「マスター。うっかりさんですね。」
羞恥心で、俯いていた割に、スノウの鋭いツッコミが炸裂した。
「でも、出るって予告しちゃったし、如何しようか?」
「でしたら、こうするのは如何ですか?」
レモンは、いきなり魔法を発動させた。
「キャアアア⁉︎」
すると、スノウの真下に穴が開き、スノウは落ちていった。
「これはいったい何事?」
いきなりの出来事に、動けなくなった。
「ランダムに魔法を発動させて、適当にやって貰おうかと、思いました。」
ニパッと、輝かしい笑顔で説明してくれるけど、それって、決定的なミスがあるよね。
「でもね。レモン、何でスノウだけ?」
「さあ?」
取り合えず、通信魔法で補助してあげよう。決まったことを、変えるのはなんか嫌だし。
「もしもし、聞こえてる?」
レモンに通信魔法を発動してもらった。