第十一話 拾い物2
その後おっさんを助けはしたものの、如何するかで悩んでいた。
「やっぱり、記憶を消して外に放り投げる?」
「でしたら一度実験をしてもよろしいですか?試してみたいものが幾つかありまして。」
「いやいや、普通に外の街に送ってあげればいいじゃん!?何でそんなひどいことしようとしてるの!?」
スノウの時みたいに、可愛い子を拾えばそれなりに手厚い保護はするけど、おっさんを拾った時点でそんな善意なんて溝に捨てるよ。
「早速なんですが、幼児化の薬を試した後、毒や回復系のも使用したいのですが。」
「今回は変わったものを作ったんだね。」
幼児化と言う言葉がちょっと気になった。
レモンはおっさんの頭を鷲掴みにして、幼児化の薬とやらを無理やりに突っ込んだ。
わー豪快だなあ。
「ガボッゲホッ!」
「おっさん咽てるよ!?せっかく助けたのに殺す気!?」
レモンは終始笑顔で薬を飲ませ続けた。
暫らく様子を見てみると、かなりの変化があった。
「おお!?」
「あらまあ。」
「誰!?ていうか別人だよ!?」
さっきのおっさんは、レモンの作った幼児化の薬の効果で、見事な美少年に変化していた。
「時の流れって恐ろしいね。」
「今の私たちには無縁の悩みですが。」
「ていうか、この人如何するの!?」
今更だけど意識のない間に色々と改造しちゃったしな。いっそのこと女装させて、私たちの仲間として入れてしまおうか。
「よし、取り敢えず女装させてから決めようか。レモン、私は服を適当に持ってくるから、おっさんをお風呂に放り込んでおいて。」
「了解しました。」
「え!?何で女装!?」
驚いているスノウを放置して、私たちはちゃっちゃと準備を始めた。
汚れ捲っていたせいか、おっさんの髪の色や肌の色が不明に近いため、黒系と白い系とピンク系のゴスロリを持って行くことにした。
ゴスロリなら体のラインをいくらか隠せるし、個人的な趣味も兼ねている。
一度男の子に女装させてみたかったんだよね。
とりあえずお風呂上がりのおっさんに黒いゴスロリ服を着せてみた。
金色の短い髪に白い肌が、黒いゴスロリ服と見事にマッチしていた。
「レモン。」
「何ですか、マスター?」
「このおっさんを仲間に入れよう。」
「え⁉︎仲間に入れるの!?」
「マスターとの会話を邪魔しないでください。」
レモンはそういうと、一瞬でスノウの意識を落とした。
とりあえず、おっさんを仲間にしよう。はい、決定。