FILE.10 コント
モールには午前4時に到着した。
ここのモールは毎朝4時に商品の搬入が始まる。 搬入する商品を乗せたトラックがやって来て、荷物を降ろし 代わりに新しい
【荷物】を乗せて帰る。 その荷物ってのが
誘拐された女達ってわけ。
だから、あえてこの時間にやって来た。あのトラックさえ奪えば、女達の救出は簡単だ
早速、トラックが到着して荷台から荷物を降ろし始めた どうやら乗っているのは2人だけのようだ。 僕はこっそりトラックの助手席に隠れると、2人が女達を積むのを待った。
20分程して、急に荷台が騒がしくなりはじめた ようやく帰りの荷物を乗せ始めたようだ
声の感じからして、20人はいるだろう。
荷物を積み終えた2人が運転席に向かって来た。 (スパイ映画の主人公はいつもこんな気持ちなんだろう) ハンドル側のドアが開き、かなり筋肉質な男が入って来るやいなや 急に右足を抱えて地面に転がった。 助手席側の男は、ビックリしてこっちに走ってくると 目を丸くしていた。 もしものために僕がしっかりと用意しておいた、夏ミカンにだって簡単に刺さるくらい研いだ有刺鉄線のトラップが右足を刺したのだろう。 呻く男をよそに助手席の男は犯人を探し始めた。あたりを一通り見渡したあと、息を整えて車内に足を踏み入れた。 まるでコメディー映画のように助手席の男も有刺鉄線の餌食になった。
(なんで、同じドアから入るかな )
心の中でクスクス笑いながら、トラックを降りた僕は2人をスタンガンで眠らせ 運転手からキーを奪い 気絶した2人を電柱に結び トラックのエンジンをかけて、街に向かって走り出した。
とりあえず、女達は救出した。 あとは、商品を奪われて ブチ切れてるグループの奴らをどうするかだな。




