FILE.14 就業
僕の奇襲は静かに行われる。
タワーは地下2回を含め、全42階で どうやら僕は地下1階にいるらしい。
エレベーターの壁の案内表によると、最上階
つまり40階がショーのスタジオのようだ。
このまま一気に40階までいくのもいいが、それでは物語があっさり終わってしまうので少し寄り道をして行くことにしよう。
取り敢えず 僕はエレベーターを5階で降り、ある部屋に向かった。
目的の部屋に着くと まずドア越しに何発か地面に向かって銃を撃ち、反応がないのを確認してからドアを蹴破った。
部屋には誰1人おらず、明かりすら無かった
部屋からある物を手にして ふたたびエレベーターに乗った。(いよいよ、大将の首を取る)
エレベーターはどんどん階を登っていき、
あっという間に40階に着いた。
静かにドアが開き、スタジオに向けての長い廊下が現れた。 できるだけ物音を立てずにスタジオに近づき、そっとドアを開いた。
スタジオでは僕を苦しめるためであろう拷問器具は幾つもセッティングされており、ボスと部下 約20人程がショーの準備をしていた
僕は舞台裏にそっとしのびこみ、ブレーカーを落とすと スタジオは一気に暗くなり
ファミリー達が慌て始めた。
さて まずは、お決まりのマシンガンで足元を狙って連射 程よくぶっ放したらブレーカーをあげる。 倒れてる奴を殴って気絶させ、
隣の部屋に台車で運ぶ 首と足に縄をかける
全員の首と足に縄をかけ終わると
窓辺に全員を並べ。足に結んだ縄をワイヤレスのスピカーに結びつけ、首にかけた縄を部屋の真ん中の柱に結び 全員を起こした。
横一列に並べられたファミリーは首と足にかけられた縄と僕を見て、目を丸くしている。
こういう場合 悪人に説教をしたあとにカッコいい決め台詞を言うのが定番なんだろうが、今日はローリーのでてるドキュメント番組があるからさっさと終わらせよう。
窓ガラスをマシンガンで破壊し、外に向かってスピーカーを蹴り落とした。
スピーカーは勢いよく落下し、それにつられてファミリーも落下していった。
悲鳴を上げる暇もなく首にかけられた縄が締まり 奴らの喉を強く締め上げた。
マイクのスイッチを入れて、僕はスモークタウンにこう言った。
【悪人には死を】
翌日の新聞は僕の話で持ちきりだった。
『ヒーロー現る』
『悪人専門の殺人鬼』
『イカれた男』
見出しは様々だった。
マフィアにカラーギャング、チンピラ
だいぶ働いて疲れた僕は ヒーロー業に少しばかり休暇をもらうことにした。
南国の島 トルマコアにバカンスに行く事にしたんだ。 まさか、あんな目に遭うとは知らずにね。
最後に、僕のこの性格は今は亡き父の遺伝だと思う。 父もまたヒーローだった。
父の話は長くなりそうだから、また今度
話すことにしよう




