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White Day?

2007.3.15に自サイトにて掲載したものです。

3月15日・・・


昨日は世間一般ではホワイトデー

期待はしていなかった。

バレンタインで彼がまったく興味ないことを知ったから・・・

そして、昨日。

何もなく1日が過ぎ去った。

そして今日 いきなり仕事が終わる頃 彼から連絡が来た。

「今日は 外でご飯を食べよう。」

一体、どうしたのだろう?

先週まで、出張で1週間ヨーロッパにいていなかった彼

彼は、出張が長引くと外食はしなかった。

出張先でずっと外食になるから、しばらくは、家で手作りを食べたいといつももらしていた。


なのに、なぜ?


「いらっしゃいませ。

お連れの方 そういらしてますよ。」

連絡してきた店に入るなり店員がやってきて私を席に案内した。

珍しく 彼は、先にお店に来ていて座っていた。

「どうしたの?珍しいわね あなたから外で食べようなんて。」

椅子に座りメニューを見ながら言った。

「たまには、いいだろう?」

彼の言うことも最もである。

確かに、たまには彼から誘われて外で食べるのもいい。

先週の出張の話でも聞こうかな。


普段の私では、まずありえないことだ。

仕事柄 出張の多い彼。

私はというと、部屋に一人寂しく残されている。

でも、このことは口に出していえない。

だって、彼との出会いこそがこの仕事中である出張だったからだ。

だから、私の中では、出張中の話はタブーになっている。


「ねぇ、先週の出張の話を聞かせて」

本当に 軽い気持ちだった。

まさか彼からのサプライズがあるとも知らずに・・・・

「3/3にロンドンで皆既月食が見られるということでいったんだ。

太陽と月の間に地球が入り太陽の光の加減で月が消えるようにみえる現象なんだ。」

私は彼の話を真剣に聞いていた。

職場は一緒だが 部署が違うため、仕事内容も異なる。

やっぱり、他人から聞く彼と、本人から聞く彼の仕事の話は全然違う。

「その写真見たい。」

私が、そういったとたん彼は微笑み かばんに手を伸ばした。

「そういうと思って持ってきたよ。」

にっこりとすごく機嫌のいい彼。

写真を手渡され、私は1枚1枚丁寧に見ていった。


「・・・あれ?この写真違うんじゃない?」

最後の一枚は明らかに月の写真じゃなかった。

いや、月かもしれないが、月食とは違う・・・

「それは、君にあげようと思って持ってきたんだ。」

彼の言葉に首を傾げる私


「それはね、皆既日食の写真なんだ。

月食との違いは、太陽と地球の間に月が入り太陽が消えるように見えるんだ。その中でも有名なのがそれ。月からはみ出ている太陽の光がリングの様にみえないかい?」

彼の言葉に写真を再度見つめる。

なんかきいたことあるかも・・・


「ダイヤモンドリング・・・」

私は呟いた。

「そうだよ。本当は、君に本物を見せたかったんだけどね。」

と、はにかむように微笑む彼

「1日遅れたけど・・・その・・・マフラーのお礼だよ」

目の前で顔を真っ赤にしている彼

なかなか珍しいものだ。


私は、彼が私のために考えていてくれたことが本当に嬉しくてココがレストランということを忘れて泣いてしまった。

「ありがとう。この写真 大切にするね。」

私の言葉に、笑っている彼

「いつか きっと本物を見に行こうな。」

私は、首を縦に振り返事をした。

今年のホワイトデーはきっとずっと大切にしていける思い出になるだろう。


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