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Happy Saint Valentine's Day?

2007.2 .14に自サイトより転載です。



2月14日


女の子にとって大切な日

普段は云えない自分の想いを伝える日

外国では男女関係なく愛を伝えるらしいけど

私は 今日は女の子の日だと思っている。

あの人にどれだけ愛しているかを 早く教えてあげたい...


「なに?半有給?」

仕事が終わり彼女を部署まで迎えに行くと彼女の上司で僕の同期である男が教えてくれた。

「なんだ、何も聞いていなかったのか?なんか用事があるとかいってたぞ。」

僕は同期にわかった。といい家に向かった。


一体、どうしたんだろう。

家にはいるのだろうか...

不安が募ってくる...

僕は急いだ。


二人で住んでいるマンションを見上げ、部屋へと向かった。

電話をすればいい話なのだが、電話から聞こえる女性の機械音を聞くはめになるのは避けたかった。

正直にいうと機械音を聞くかもしれないことが怖かった。


エレベーターに乗り、5階のボタンを押した。

玄関につき鍵を開けドアをゆっくり引いた。

玄関はとても静かで真っ暗だった。

僕は真っ直ぐリビングに向かった。

そこは玄関と同じように暗闇が漂っていた。

僕は動けなかった。

電気を付けるということすら出来なかった。

どこからともなくやってくる不安は募るばかり


その時、玄関からガチャッと音がした。

「今日はいつもより早いじゃない。ごめんね。さっきチーフから電話来た、今日のこといってなくて・・・」

彼女が僕の靴を見てからいっているのか、しゃべりながらリビングにやってきた。


「なんで電気を付けてないの?」

ぱっと目の前が明るくなった。

彼女が電気を付けたのだ。

「スーパーに行ってたのか?」

彼女の手元に視線を落とした。

そこには近所にあるスーパーの袋がぶら下がっていた。

「あなたの好きなお酒がなかったから。ねぇ~、今日何の日か知ってる?」

スーパーの袋から中身を取り出し冷蔵庫に入れながら言った。


今日?

彼女の誕生日は6月だし

僕は5月・・・

付き合いだしたのは5月だし

なんかの記念日だっけ?

首をひねりうねる。


そんな僕を見てクスクス笑う彼女

「何の日?なんかの記念日を忘れてる?」

ちょっと焦るものの全然怒った様子のない彼女

記念日ではないようなので胸を撫で下ろす



今日が何の日かまったくわかっていない様子の彼。

「今日、やたらとチョコレート勧められたりしなかった。」

そういい用意していたマフラー(といっても先ほどなんとか出来上がった。)を取り出した。

「そーいやぁ~社内でも、取引先でも・・・マフラー?」

自分の首に巻かれたものをしげしげとみる。

私は彼のその手を止めた。


「あんまりじっくり見ないで。初めてだったからキレイにできなかったの。」

顔から火がでそうなくらい恥ずかしかった。

「手編みなのか?」

私の言葉にとても嬉しそうな彼の顔

喜んでくれて良かった。

「こんなのいつ作ったんだ?・・・もしかして友達のところって」

すぐにわかったってことは、やっぱりあの時のこと気にしてたんだ。


「そっ、ここで作るとバレちゃうから。編み物の出来る友達を先生にして作ったの。」

ニッコリ微笑む。

彼はいきなり大きなため息をつき座り込んだ。


どうしたの?といわんばかりに私も彼の前にしゃがみこんだ。

しかしすぐに態勢を崩した。

それは彼がおもいっきり私の腕をひっぱったからだ。

いきなり態勢を崩した私は、彼に多いかぶさるような形になった。


あえて私は彼から離れずに

「どうしたの?」

と聞いた。

ぎゅっと彼に抱きしめられた。

「‥あの時、君がこの部屋にいないことが不安だったんだ。君が僕から離れてしまうんじゃないと・・でも僕は弱虫で結局、君には何も聞けなくて‥」

初めて聞いた彼の弱音。

彼の気持ちがすごくわかってしまう。

付き合いはじめた頃の私の気持ち


彼は年上で大人で自分はまだ短大を卒業したばかりの子供でいた彼を大人の女性に奪われるか気が気じゃない時期があった。

いつの間かその気持ちはなくなっていた。

それは、彼が 私に対しきちんと愛情表現をしていてくれたから・・・

不安がまったくなくなったわけではないが、なにに対しても不安になることはなくなっていた。


決して 彼を信用していなかった訳ではない。

ただ 自分が弱かっただけなのだ。

彼の言葉を聞きながらそう思っていた。

だから、私は彼の口を塞いだ。

そしてにっこり微笑んだ。

彼もつられたかのように微笑んだ。


「ばかみたいだよな。まるで 君を信用していなかったみたいだ。でもこれが僕の本音なんだよ。」

彼は困ったように 苦笑いをする。

「そう思うのは あなただけじゃないわ。だから教えてあげる 私はあなたを愛しているわ。これからも私の傍にいてほしい。というか 嫌だって言われたって離れるつもりはありませんからね。」

彼に軽くキスをした。

「僕も同じだよ。君がいない人生なんて価値がないよ。」


そして私たちはゆっくりとお互いの気持ちを確かめるかのように唇を合わせた。

「ご飯作ってるの。

食べましょ♪」


今日は彼の大好物を沢山作った。

そのために半分お休みをもらった。

もちろん上司の許可を得て。

ずっと休みを取れともいわれていたしね。

彼はそのことを知ったら怒るだろうな・・・

からかわれるのが嫌いだから(笑)


☆おまけ☆

「ところで。」

ご飯を食べていると彼が口を開いた。

「なに?」

一体なんだろうと首を傾げる。

「結局

今日は

何の日だったんだ?」

・・・・

まだわかってなかったの!?

いくら甘いもの嫌いでもそれはないでしょ・・・!!



なにげにヘタレで天然の彼はいくらだと買いますか??(笑)

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