9話:食堂 【セレナ編】
セレナとビオレタのパートです。
駄文ですがご拝読の程よろしくお願いします。
ビオレタに強引に手を引っ張られ、セレナは食堂に来た。
色々な話声がそこら中に響き渡る。
食堂は色々な人たちでごった返していた、基地に元々配属されている軍人や整備兵などの人達だ。
それにセレナ達のように、地方から集められた軍人なども居る。
その人だかりの中にはセレナ達が搭乗していた輸送機の操縦士のミグラテール2の機長と副機長や護衛機のパイロットのポエナ3と4も居た。
食堂はかなりの広さだが、地方から来た軍人達は役職関係なくある程度決められた列のテーブルで食事を取ることになっていた。
列は決められているが、その中の順番と言うのは決められていない。
ソシオ「おい!!こっちこっち!!」
聞き覚えのある声の方を見るとソシオが居た。
周りに座っているのは共同部屋で知り合った人だろうか、親しげにソシオと話している。
呼ばれるがままに丁度空いている席に座る、ソシオの向かい側だ。
席に座ると周りの中の1人が話しかけて来た。
「初めましてセレナさん。ちょうど今ソシオさんから話を聞いてましたよ。凄いですね……こんなにも綺麗な方が……関心します。いや!その変な事言ってしまいすみません…」
直後に謝罪を入れたのは初対面なのに突然「綺麗」と言ったところだろう。
セレナ「大丈夫だ、気にするな。」
セレナがそう言うと、ソシオが男性に話掛ける。
ソシオ「こいつはそんな小さい事なんて気にしない。顔はかなり綺麗なんだがな………銀髪ロングの色白で…でも性格がなぁ……ん?今思ったんだがそれは地毛か?」
セレナ「失礼な奴だな、地毛だ。」
ソシオ「触ってもいいか?」
ソシオはテーブル越しに腕を伸ばして触ろうとするが、セレナは咄嗟に腕を払う。
ソシオ「痛っ!」
ソシオは手をさすって痛そうにしている。
セレナ「自業自得だ。」
痛そうにしているソシオを見てセレナは若干満足気な表情を浮かべている。
すると先ほどの男性が自己紹介を始めた。
ソルト「申し遅れました、自分は『ソルト・ヘクサー』と言います。出身はブルへリア帝国出身です」
みんなその瞬間固まった。
ソシオが驚きつつも訊ねる。
ソシオ「ブルへリアって……あのブルへリアなのか?」
ソルト「はい、自分は先の大戦の戦争難民です。兄弟どころか、親も生きてるか分かりません・・・」
気まずい雰囲気になり、ソシオが謝る。
ソシオ「すまない……嫌な思いを思い出させてしまったな…」
ソルト「大丈夫ですよ、お気になさらず。」
ソルトは微笑んで答えるが、逆にその笑顔が辛く感じる。
ソシオ「そうか……でもブルへリアって言う事は、ヘルトは妖術を使えるのか!?」
若干興奮気味に訊ねるがセレナがソシオを止める。
セレナ「ソシオやめろって」
ソシオ「だって気になるだろ?」
すると、セレナにヘルトが言う。
ソルト「大丈夫ですよ、セレナさんは優しいですね。」
セレナはそう言われると止めるのをやめた。
ソシオ「で使えるのか??」
ソルト「えぇ、少しだけですが…」
ソシオがはしゃぐ。
ソシオ「おぉ!!見せてくれよ!」
すると申し訳ない表情を浮かべて、ソルトが答える。
ソルト「すみません、今はダメなんですよ。」
そう言われ、ソシオは肩を落とし落胆している。
すると突然セレナが髪に違和感を感じた。
ソシオは前に居るのにおかしい、不思議に思い振り向くとビオレタが触っている。
ビオレタ「はぁ、セレナさんの髪がとても綺麗で触れているだけでとても落ち着きます……」
そう言うビオレタは恍惚とした表情を浮かべて今度は頬ずりを始めようとした。
セレナ「やめろ!お前何しているんだ!!」
何とかしてセレナはビオレタの頬を髪に何とか近づけまいとしているが、思っていた以上にビオレタの力が強く中々距離が開かない。
しばらく一定の距離で膠着状態に入った。
セレナ達の様子を見ているソシオがソルトに話始めた。
ソシオ「あんな風にあいつはいかにも(自分は平気です)って顔をしているが、俺らが思っている以上にあいつは苦労人だし弱いんだ、それを表に出さないだけだ。誰か一人……友人でも親戚でもいい、人が付いていてあげないと、いつか自分が背負い込んだ重圧に押しつぶされてしまんじゃ無いかと思うんだ。」
ソルトは黙ってその話を聞き入る事しか出来なかった。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
誤字脱字などや感想やアドバイスも喜んでお待ちしております。