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転移勇者と愛しき人と  作者: 炊飯器と電気ポット
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迫りくる漆黒の危機

漆黒に覆われる兎の部屋。

慌てる勇。

いったい何が起ころうとしているのか!?

目の前が真っ暗だ!!

僕はとっさに叫んだ!!


「ガルディアーーーク!!!」


----なんだ?----


「何か襲って来てるかも知れない!」


----何も来ていないぞ----


僕は条件反射で背中の闇龍に手を添える。

闇龍はそこにあった。

あった??


----まどろっこしくてみてられなかったぞ----


僕は黒竜の鎧を身にまとい、闇龍と闇夜を装備していた。どういうことだ?


「ガルディアークさん説明して欲しいです」


----私がこの一年間何もしていなかったと思うのか?---


「どういうことでしょうか?」


----わかりやすく言うと、

復活の過程で自由になって来ているのだ----


「ちょっと話に混ぜてくださーい」


----娘か----


「何で鎧が話せるんですかー?」


「僕が答えるねこのガルディアークは生きてるんだよ」


「そんなことあるの?」


「実際あるからしょうがないんだよ」


----娘の言いたい気持ちも良くわかるぞ----


「勇くんは変だから何があっても普通なんだね」


----それよりも、ウィンウィンパーティーとやらに早く行こうぞ----


「変な鎧よねえ、私が着替えるから少し待って」


----急ぐのだ娘よ----


「わかったわよー!」


兎さんは大急ぎで着替えている。

僕は兎さんが着替えるのを普通に見てるけど、普通は見られる側が「見ないでよね!エッチ!」とか言うパターンが普通だし「僕が後ろ向いてるから!早く着替えて!」とか僕がリアクションするのが普通だったのだと思う。


「ジャジャーン!

毎年恒例の白兎ちゃんの誕生だよ!」


確かに可愛い!


そして二人で話しながら月の街の雑踏へと向かう。まだ営業しているお店は多いみたいだ。

このウィンウィンパーティーは真夜中から深夜にかけて盛り上がりのピークを迎える。


「兎さん?」


「なあに?」


「ラーメン御麺の特製塩チャーシュー麺が食べたい」


「イイねー!」


僕たちは歩き慣れた道をどんどん向かって、ラーメン御麺の店頭に着いた。今夜はまだ行列は出来てないみたいだ。


ガラガラ


「へい!いらっしゃい!…?勇くんか?」


とおるさんがキョトンとしている。


「とおるさん特製塩チャーシュー麺二つお願いします」


「それにしてもスゲエコスプレだなあ」


「コスプレじゃありませんよ、本物です」


「背中の剣もかい?」


「はい」


ヒデさんがラーメンを運んで来てくれる。


「勇くんカッコいいね!」


「ありがとうございます」


「ちょっと剣を持ってもいいかな?」


「いや、腰を傷めるからダメです」


僕たちは美味しくラーメンを食べた。


「勇くんよ、記念に写メを撮ろう」


「良いですね!」


僕たちは全員がラーメン御麺の前に立って、交代で写メを撮った。


「僕のスマポでもお願いします!」


パシャリ


「またいい思い出が出来ました!ありがとうございます!」


「おう!楽しんでな〜!」


店の前で皆んなが見送ってくれる。

本当にいい人たちだ。


「勇くん!こっちこっち!」


「そんなに手を引かなくても一緒に行くよ」


僕たちは最初に出会ったビルの一階にある店舗の店先へと着いた。店員さんがシャッターを閉じ始めている。


「もう、一年も経つんだね!勇くん!」


「本当に兎さんには、お世話になりっぱなしでどう恩返しすれば良いかわからないよ」


店員さんが店舗のシャッターを全部閉めた。

すると…。


そこには家紋のようなマークが大きく描かれていて、僕はフラフラとその家紋に近づいていった。


「ちょっと!手を離すとお互い迷子になるよ!」


兎さんが僕の手を強くにぎってくる。

僕はその家紋を良く見て、手で触れてみた。


ピカ


一瞬だけストロボがたかれたように閃光が走る。


そして僕は真っ白な空間に立っていた。


「兎さん!?」


「ここにいるよ」


僕の知っている兎よりもふた周り大きな白兎がそこにちょこんと座っていた。

黒竜の鎧はガルディアークの権能により自動装備出来るようになっていました。

この世界で初めて食べたラーメンを最後の夜に食べられてとても良かったと思います。

そして訪れた真っ白な空間。

これは勇にとって運命を左右する出来事なのであろうか?

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