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転移勇者と愛しき人と  作者: 炊飯器と電気ポット
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魔竜ブルードラゴンの前に立つ転移勇者

魔竜ブルードラゴンとの対話の場にたどり着けるのか!?

この世界の命運は勇に託されている!

僕は魔竜の住処と言われる古い休火山の火口奥深くを目指して行軍を続けていた。


「皆さん寒くないですか?」


「私は大丈夫だ」


魔王アルヴェイン・ディアヴォルが応える。


純佳さんも大丈夫そうだ。


「魔竜ブルードラゴンの言い伝えは有史以前のことだから…。私は色々と心配よ!」


ヴァレンツァ商業同盟のエリナリーゼさんが話しかけてくる。


六カ国会談の首脳の中でブルードラゴンとの対話に同行を志願したのは、アルヴェインさんとエリナリーゼさんの二人だった。僕と純佳さんそして首脳二人を護衛するのは六カ国連合の兵士六百人だった。

各国から精鋭百人を集めた部隊なのだそうだ。

ブルードラゴンを刺激しない最大限の数がこのくらいらしい。


「勇くん…。

なにか辺りの空気感が変わってきたよ!」


「空気感はわからないけど、

僕の鎧の感じがおかしいかも知れない…。」


火口奥深くに行くために僕たちはアルヴェインさんの案内で横の洞穴からアプローチしている。もう洞穴に入って五日間が過ぎた。


洞穴の中は酸欠になることを恐れてか、大きい焚き火が出来ないので、水と食事などは持ち込んだ物でしのいで来た。


「純佳さん!

向こうに光が見えるよ!出口かな?」


「そうみたいね…。

慎重に進みましょう」


「総員!警戒態勢に入れ!

指示するまで抜剣等の行為または威嚇行為を禁ずる!!この命令は絶対だ!」


アルヴェインさんの大声でなく、通る声が部隊全体に響いた。


「物見!四隊前進!」


四人一組の隊が四組地をなめるように進んでいった。


アルヴェインさんは相当戦いなれてるな。


物見が二隊戻って来た。


「洞穴を抜けたところにブルードラゴンを発見しました!遠くから見る限り寝ているように見えます!」


小声だけど耳に届く声だった。


どうやって話してるんだろう?


僕たちは洞穴の出口を抜けた。

遥か上の方から差し込む日差しで、海の蒼の様な、空の青の様な輝きを放つ巨大なドラゴンの姿が見えた!


----こんなに大きいのか!?


僕は叫びそうになるのをこらえた。


火口の底の大きさはかなり広い。


僕と純佳さんは先頭でブルードラゴンの近くへ向かう。

六百人の部隊は見事な陣を組んでいた。


----待っていたぞ----


言語なのかテレパシーなのかわからないけど、脳内に明確な意思を感じる声が聞こえる。


「ブルードラゴンさん、はじめまして!

僕は轟勇と言うものです。よろしくお願いします」


「私は轟純佳です。重ねてよろしくお願いします」


----やはり匂うな----


----懐かしい兄者の匂いだ----


----そこの勇という者よ、その鎧はどこで手に入れた----

「この世界に来る前の世界です」


---貴様が兄者を討った者なのか!!!----


僕でもわかるくらい空気感が半端ない!!

これは答えを間違えちゃダメなパターンだ!!


「聞いてください!これは前の世界の武器屋で手に入れた物です!!」


----馬鹿な!!あの兄者が、

黒竜ガルディアークが倒される訳はない!!----


----久しぶりだなヴァルナークよ----


----その名で我を呼ぶのは兄者なのか!!----


え!?僕の鎧がしゃべりはじめた!!


----色々あってな、今はこの者の守護者として、

この様な姿をしている----


----兄者の身にいったい何があったのですか?----


----今から四千年前にお前にこの世界を任せて、俺たちは異世界へと転移した。俺がたどり着いた異世界は全世界で飢餓が起きていてな、俺は出来る限り自らの身を切り取り与えて、そこで暮らす者たちに食べるものを与えたのだ----


----兄者らしい振る舞いだな----


----血肉を与え続けた俺は、俺の再生能力を上回るペースで血肉を与え続けてな、自らの手で自らの命を絶つことになったのだ----


僕は二人の話しをじっくりと聞いていた。

あっ!純佳さんが泣いている!!


----兄者はこの世界に戻って来たかったのか?----


----どちらと言うとこの勇と純佳という勇者が、

引き寄せられたのに巻き込まれたというほうが正しいだろうな----


----勇という青年よ、兄者とは話しをしたのか?----


「初めて声を聞きました、びっくりしてます!」


----そこの純佳という勇者よ、

そなたは我がこの世界を滅ぼすのではないかと考えているな?----


「その力量はあると思っています」


----なるほどな、テレシアのばあさんから吹き込まれたのか?----


「いえ、先日四人の勇者…。

正しく言うと四人の勇者因子がこの世界に召喚されました。

この世界では召喚された勇者の数によって、

世界に訪れるであろう脅威度が計られるのです」


----で、我がこの世界を滅ぼすと、

そう思ったわけだな。----


「その危険性があると考えたのは事実です」


----兄者少し語ってもよいか?----


----古い古い話しだな。----


----聴けこの場にいるすべての者よ、

我が眠りにつく四千年前には、この世界には龍神が四体いたのだ。白龍シャルナーク、黒竜ガルディアーク、赤龍ルビルナーク、そして我ヴァルナークだ。その時この世界の五つの大陸は動いていた!

一つの大陸になるためにだ。

我ら四龍は話し合って、我がこの世界の守護者になった。

あとは皆、異世界へと旅立ったのだ。----


「ヴァルナークさま!

四人の勇者因子はなぜこの世界に転移して来たのですか?」


----そこの勇という青年に呼び寄せられたのだろうな----

「では、世界の危機…。

脅威は起こらないのですか?」


----埒もないことを…。

この世界の脅威を引き寄せたのは、

勇者純佳、おぬしではないか----


「ヴァルナークさま!どういうことですか?」


----簡潔に答えよう。

「私、結婚するなら、私より強い人が良いな!」

なんてことを考えておったであろう!----


「ヴァルナークさま!なぜそれを!!」


----龍神に嘘は通じないのだ。

ここにいる全員の意思を我らは見抜いておるぞ----


「我々はとんだ添え物でしたな、

ヴァルナークさまよ」


----おぬしは魔王だな?

この数千年で最も勇ましく賢い魔王だ----


「お初にお目にかかります。エリナリーゼと申します」


----そなたは我を素材だと考えておるな。

高く売れそうだと----


「とんでもございません!!」


----良いのだ良いのだ。

人というものは欲望と渇望に飢えている存在だ。

それが短い命をまっとうする活力だからな----


----ヴァルナークよ。

二人おぬしと話したい者がいる----


----聞こうではないか。話せ。----


----私は神だ----

----名はない----

----世界を超えて----

----出会えて嬉しい----


----なんという純粋な存在だ!敬意を込めて言おう。

我も会えて嬉しい----


----私はテレシア----

----久しぶりね、ヴァルナーク----

----ひと言だけ言わせてくれる?-----

----女神は歳をとらないの----


----これは傑作だ!!ワーッハハッハハ!!---

----眠りから目覚めてこんなに愉快だとは!----

----青年勇よ!褒美を取らせよう!!----


「え!?僕ですか?」


----そうだそうだ。もっと近くに来い!----


「じゃあこの辺で」


----んー。右に五歩ずれてくれ----


「はい!」


僕はテクテクとヴァルナークさまに言われた通りにしたんだけど…。

褒美ってなんかくれるのかな?


----よし!学びの旅に行ってこい!!----


そして…。

僕は再び転移したんだ。


「純佳さん!!」

「勇く…」


僕はどんな手を使ってでも、この世界に!

純佳さんの元へ戻って来てやるぞ!!


僕は白い空間を落ちて行った。


突然の再転移。

勇の運命やいかに!

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