第五話 靴音とカメラ
この作品はフィクションです。
実在する会社、団体、個人を批判、揶揄するものではありません。
あくまでも、社会に問題提起をする作品です。
※実際に、全ての家賃保証会社がこのような行為を行なってるわけではありません。
200X年8月26日
診療内科に向かう。
家賃保証会社ハナガサのトリタから
恫喝まがいの督促をされ怖くて怖くて
一週間引きこもっていた。
久々に家を出る。
トリタが尾行してるかもしれない。
トリタに待ち伏せされてるかもしれない。
今後ろから歩いてくる足音がトリタかもしれない。
私が留守の間にトリタが合鍵で部屋に入っているかもしれない。
怖い怖い怖い。
そんな思考が頭の中をグルグルする。
すれ違う人の気配や靴音が怖い。
心療内科に着いた。
「ハライさん、2番の診察室にお入りください」
ただ淡々と今の状態を話すのがやっとだった。
さらに強い睡眠薬を処方してもらった。
心療内科の帰りにアパートの集合ポストを開けたら、、
家賃保証会社ハナガサの名刺が入っていた。
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他にもピザ屋や古着の出張買取などの
チラシが入っていて、、、、
それを出したら、、
チラシに紛れて、
トリタの名刺、、
全部で7枚
何枚かの名刺は強く握りしめたみたいな
感じでクシャクシャなっている。
トリタは毎日来ていたのだ。
一週間ほぼ寝ていてカーテンを閉めて、
電気も消していたから
不在と判断したのか?
そうなると、
毎日玄関前までは来ていたんだ。
そうに違いない。
玄関にダミーカメラを付けた。
数年前、祖母の家のポストが荒らされた事が
あった時に使っていたやつだ。
さらに
「監視カメラ作動中」
「トラブルが発生したら即110番します」
という張り紙を貼った。
もちろんドアロック、ドアチェーンは絶えずかけるようにした。
昼ごはんを食べようと、キッチンの冷蔵庫から、サンドイッチとジュースを出した。
ワンルームだからキッチンの真横に玄関がある。
靴音がした。
僕の部屋の前で止まった。
「チクショー余計な事しやがって」
トリタだ。
ダミーカメラを防犯カメラで撮影されてると思い
撮影されるのが都合が悪いから
逃げたんだ。
家賃滞納をしているが、
分割払いでも、
生活保護費が支給される来月、9月5日まで
払えない旨は伝えてる。
気づけば、午前2時。
酒を飲んで無理矢理寝た。
(続く)
この作品はフィクションです。
実在する会社、団体、個人を批判、揶揄するものではありません。
あくまでも、社会に問題提起をする作品です。
※実際に、全ての家賃保証会社がこのような行為を行なってるわけではありません。