第四話 幻聴と幻覚
この作品はフィクションです。
実在する会社、団体、個人を批判、揶揄するものではありません。
あくまでも、社会に問題提起をする作品です。
※実際に、全ての家賃保証会社がこのような行為を行なってるわけではありません。
家賃を滞納してしまい、
家賃保証会社ハナガサのトリタから
恫喝まがいの家賃督促をされた。
不動産会社エチゼンと契約して
フウセンハイツ203号室を借りているのだが、
家賃を滞納したから、
家賃保証会社ハナガサから督促をされた。
気になって調べたら、
不動産会社エチゼン本社ビルの中に、
家賃保証会社ハナガサ本社はあった。
実質的に子会社だ。
いわゆる独立系子会社ていうやつだそうだ。
家賃保証会社の業界団体が独自のルールにより、家賃督促に関してルールを決めているが、加盟は任意である。
ハナガサは業界団体には加盟してなかった。
ちなみに、滞納した家賃を
債権買取業者、通称サービサーに
債権譲渡する事もあるらしいが、
主に個人経営の大家が債権買取業者に
債権譲渡して督促をしてるらしい。
大手不動産が債権買取業者が、
サービサーに債権譲渡する事は稀だそうだ。
ちなみに、
2025年現在、
家賃保証会社の取り立てを規制する法律はない。
家賃の取り立ては債権ではないから、
貸金業法の規制の範囲外だ。
本来なら家賃保証会社は、
社会福祉的な役割、貧困支援
最後のセーフティネットになるべき会社であるべき存在。
「住まいは権利」なのだ。
強制退去させるなら、提携してる不動産会社
から、家賃の安い物件を紹介して入居が
決まってから退去させるべきではないだろうか
そして、私は、
心療内科から
「適応障害で通院していたが、賃貸物件のトラブルがあったとのことで、不安抑うつ状態の悪化を認める」との診断書をもらった。
ハナガサ本社とメールでやりとりして
家賃の分割払いに関してやりとりをした。
しかし来月の9月5日に
生活保護費が入るまでは払えない事を伝えた。
10月分からは生活保護費から天引きにした。
ちなみに、分割払いの振込用紙等は発行してくれないそうだ。
ハナガサからのメールは
「分割払いではなく一括でもかまいません」
で締められていた。
200×年 8月19日
寝れない、食欲がない、
ずっとベッドでぼっーとしてる
8月20日
寝れないけど、
ベッドに横になっていたら、
天井に文字が浮かんできた。
新聞みたいな感じで文字が浮かんできた。
うねうねうねうね
家賃、滞納、強制退去
の文字がうねうねうね
家賃、滞納、強制退去
家賃、滞納、強制退去
家賃、滞納、強制退去
うねうねうねうね
うねうねうねうね
うねうねうねうね
家賃、滞納、強制退去
家賃、滞納、強制退去
家賃、滞納、強制退去
うねうねうねうね
うねうねうねうね
うねうねうねうね
思わず悲鳴を上げて、ティシュの箱を天井に投げたら、文字が、虫のように一斉に飛んでいき、
ベッドわきの壁に移動
壁を殴ったら、
家賃、滞納、強制退去 の
文字が潰れて、
緑色のもやもやを出しながら消えていった。
寝れない、
寝れない、
寝れない
8月21日
うとうとして寝かけたら
外を走る救急車
アパートの真横の線路を走る電車
うるさい、
うるさい、
うるさい、
急に、、、、、
「家賃払えーコラァ」
と聞こえた。
耳元から聞こえる。
何度も何度も
「家賃払えーコラァ」
「家賃払えーコラァ」
「家賃払えーコラァ」
外を走る救急車
「家賃払えーコラァ」
道路工事の音
「家賃払えーコラァ」
隣人の足音
幻聴と騒音が入り混じっている。
どれが幻聴かどれが騒音か
わからない。
8月22日
お手洗いに行こうとトイレに向かった。
玄関に近づいた瞬間
トリタの顔、声がフラッシュバックした。
悲鳴を上げてしまった。
8月23日
玄関でフラッシュバックしないよう
玄関のドアにアニメのステッカーを貼った。
心療内科の先生から、気を紛らませる事をした方が良いと言われいたから、
古着リメイクを久々にした。
エプロンをリメイクしてトートバッグを作った。
、
、
、
、
、
、
、
ふと気づいたら、
家賃保証会社ハナガサから貰った
滞納した家賃の振り込み先の
書かれた紙の
「担当者 トリタ」の部分を針で何度も何度も刺していた。
手が血まみれになっていた。
8月24日
チャイムが鳴った。
動悸がして、手が震えた。
恐る恐るドア越しに確認したら、
市役所の
ケースワーカーさんの家庭訪問だった。
生活保護をしてる人は数ヶ月ごとに
家庭訪問をされる、
生活の様子を見るためだ。
ケースワーカーさんは
私の顔を見るなり
「大丈夫ですか、、」
と言われた。
蚊の鳴くような声で「なんとか、、」
と私は言った。
ケースワーカーさんは
「とにかくお大事に。何かあったらすぐに
市役所に電話してください」
と言って去っていった。
8月25日
明日は診療内科の予約の日。
久々な外出だ。
(続く)
この作品はフィクションです。
実在する会社、団体、個人を批判、揶揄するものではありません。
あくまでも、社会に問題提起をする作品です。
※実際に、全ての家賃保証会社がこのような行為を行なってるわけではありません。