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第一話 電話とメンタル

この作品はフィクションです。

実在する会社、団体、個人を批判、揶揄するものではありません。

あくまでも、社会に問題提起をする作品です。

※実際に、全ての家賃保証会社がこのような行為を行なってるわけではありません。



200X年8月7日



うだるような暑い夏。


唐揚げ弁当を食べようとしたら、

スマホが鳴った。



電話に出ると、

「家賃保証会社ハナガサのトリタと申します。

先月分の家賃が振り込まれてなかったので

弊社が負担しましたので、、」



この文章を読んだ人は丁寧なビジネス口調で脳内再生されたのではないか?


実際は違う。

ドスの効いた、低い声で話していた。 


「家賃滞納するのが、どういう事かわかってんのか、、」


「あんた生活保護受けてんだろ、そのくせに、

家賃払わないのは犯罪なんだよー」


「この事、ケースワーカーに報告するから、

アンタのケースワーカーなんて名前?」

「早急に滞納した家賃、振り込んで」

「分割払いでもいいから家賃払え」


このような問答が10分は続いた。



私は、とある県の瑠璃市の二階建てアパート。

フウセンハイツ203号室に住んでいる。

家賃4万、ワンルーム。

(駅までは徒歩15分)


周りは畑、コイン精米機、駐車場。

長い坂を登った先にコンビニ。



私は、氷河期世代の40代男性。

20代からずっと非正規雇用の事務員を

転々していたが、

仕事のストレスから、適応障害という病を抱えて、

生活保護を受けながら、自宅療養している。

診療内科までは徒歩10分。


趣味は古着リメイクと料理



「家賃滞納するのが、どういう事かわかってんのか、、」


「あんた生活保護受けてんだろ、そのくせに、

家賃払わないのは犯罪なんだよー」




生活保護を受けてるなら、支給されてる

家賃扶助から家賃をはらうべきなのだが、

先月は、体調が悪くほぼ寝たきりで

食事もフードデリバリーで注文して

食費が嵩み、振り込みが出来なかった。

事をぼんやりと考えていた。


「おいっ話し聞いてんのかっ」


今までよりさらにドスの効いた大声が

スマホから鳴り響いた。


適応障害の発作、目眩、手の震えが出そうになり、

声を荒げないで欲しい事を、伝えたら

「そんな事は医者に言ってよ」と電話は切れた。





私は不動産会社エチゼン瑠璃支店と契約して

フウセンハイツ203号室に住んでいる。

保証人がいないから家賃保証会社ハナガサ

と契約している。



家賃保証会社とは、

賃貸物件を借りる際に保証人が用意できない人の為に保証人の代わりになってくれる会社。

家賃を滞納したら一時的に負担してる会社である。

だが、

実質的には「取り立て屋」「追い出し屋」となっている。


そして、

私は家賃保証会社という闇にさらに踏み込んでいくのである。


(続く)

この作品はフィクションです。

実在する会社、団体、個人を批判、揶揄するものではありません。

あくまでも、社会に問題提起をする作品です。

※実際に、全ての家賃保証会社がこのような行為を行なってるわけではありません。



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