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七章 匂いの調べ⑦
「…………」
「あら? 姉に会えて嬉しくないの? なんだか少し見ない間に生意気な目つきになったわね。また躾ないと駄目かしら」
フレアリーフの手にある扇子が、パンと音をたてる。
密かに身体が震えそうになるのを堪えていると、
「お話しの途中、失礼致します。イヴリース様は用事があるのでこの辺で」
シンシャが半ば無理やり間に入ってくるとイヴの手を掴みホールの奥へと進んでいく。
「ちょ……! まだ話しは終わってないわよ!」
背中から投げつけられるフレアリーフの声に何も答えられないまま、イヴはシンシャの後を着いて行った。
それから人混みを掻き分けて、反対側くらいのところまで来たところで、ようやくシンシャは掌を離してくれた。
「失礼なことをして申し訳ございませんでした。イヴリース様」
深々と頭を下げるシンシャに対し、イヴは慌てて両手を振った。
「そんなことないわ。助けてくれて、ありがとう。シンシャ。……フレアリーフに対しては、何も逆らえないの」
「…………」
寂しそうに微笑むイヴの様子に、シンシャは言葉を詰まらせる。
「あんな人といてはいけません。離れていましょう。私が守りますから」
「ええ、ありがとう」




