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二章 イヴとグランツ⑥

「ん……」

 ふっと目を覚ます。すると視界に飛び込んで来たのは、四人の使用人の顔だった。

「あ、起きてしまったじゃないか。勿体ない」

「でも起こしてあげないと、ディナーに遅れちゃうよ」

「可愛らしいお顔が堪能できて嬉しいわぁ」

「イヴリース様、さあ、着替えましょう!」

 口それぞれに話しながらも甲斐甲斐しく働く侍女達の様子を、目を擦りながらイヴは見守る。

 アンデシン、フォスフォフィライト、フローライト。そして――、

「失礼致します。イヴリース様」

 目覚めたばかりだというのに容赦なく、やや強引ながらも優しくシンシャが身体を起こしてくれた。

「シンシャ――それに、アンデシン、フォスフォフィライト、フローライト……おはようございます」

『おはようございます、イヴリース様』

 四人の侍女は元気よく挨拶をした。

「もしかして、寝てたんですか。私」

「ええ。それはもうスヤスヤと……私がお声がけした時にはもう、既に夢の中でしたね」

「良い夢は見られましたかぁ?」

「色々と気を張られて疲れたんでしょう」 

「でも一日はまだまだ終わりじゃないからね」

 会話の最中、侍女達はそれぞれ来ていたドレスや小物の類を外すと浴室へと案内しようとした。

「あ、あの。フローライトさん……ソレだけは扱いに気を付けてください」

 身に付けていた小物の中でも一番古い――桜花の髪飾りに触れたフローライトに対し、イヴは控えめに『お願い』をした。

「かしこまりましたぁ。大事にドレッサーのところへ移しておきましょう」

「ありがとうございます」

 そしてされるがまま身体や髪を洗われると、まるで夢の中と同じみたいだと密かにイヴは思った。

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