表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者と神剣、来国長  作者: 明広
8/258

日本名 武田 綱吉

 艦載砲とカッソ領主


 朝日とともに目覚めた。


 こちらに来て以来ずっと晴れが続いている。


 この目覚めにも慣れてきた。


 この窓からはオルレーンの町並み、その向こうに城壁が見えその向こうに平原が続きずっと向こうに高い山々が見える。


 景色だけみれば綺麗な所だ。


 朝食を食べ、王様に今日はカッソ領へ行くことを告げた。


 王様は知っていたらしく、「案内はユリアがします」といった。


 現在の状況はドラゴン種さえ出てこなければ現在の兵力で十分対応可能だ。


 ドラゴンが出てきても今は俺がいる。


 肺結核の方も順調に対応出来ている。


 今日カッソへ行き、ツヨシ、タケーダに銃を教えれば今後ドラゴンにも対応出来るようになるかもしれない。


 見通しは明るい。




 そのせいだろうか?


 王様とシルビアさまの距離が近い。


 肩が触れ合う感じだ。


 まあ、シルビア様が若くなったからだろうけど。



 5日前、あの死にかけていた女性だと思うと胸が熱くなり涙がこぼれて来た。


 幸せになってほしい。



 今日もまずレオン司令官の部屋からだった。


 これ決定事項みたい。


 門の所でマリアをひろい鍛冶師ギルドへやって来た。


 ドレアムギルド長が出てきて艦載砲が出来ているといった。


 工場内に入り砲を見た。


 デカイ。


 現物は。


 俺がイメージして渡した図は5インチ40口径艦載砲。


 1インチは25.4mmだ。


 全長約6m、重量66トン、弾は10発。


 さすがにアダマンタイト製は難しく鋼鉄製だ。


 1発の重さが約30kg、これだけの量のアダマンタイトを確保することは不可能とのことだった。


 射程は約24kmのはずだが?


 試射してみなくてはわからない。


 あの倒したアースドラゴンは全長約30mぐらいあった。




 あんないきものは始めてみたのでびっくりしたのかもしれない。


 魔法ホーリーライトを使ったとき、巨神兵の光線を思わす攻撃でも平気だったからなおさらだ。


 しかし、今は対戦車ライフルで倒している。


 それを思うとこの艦載砲で何と戦えというのだろうと自分ながら思ってしまう。


 まあ、戦艦の長さが約145mぐらいあるらしいので145mぐらいの魔物が出たら出番があるだろう。


 ちなみにたいてい比べられる戦艦大和の艦載砲は46cm45口径。


 全長約21m、重量2772トン、1発の重さ1.5トン、射程42kmだったらしい。


 船対船の戦いだったら無敵だったろうとおもうね。


 これをまじかで見たら。




 俺は礼をいって、それからライフル銃の製作をお願いした。


 対戦車ライフルの経験があるのでまた2日で作ってくれることになった。


 ちなみに口径8mm、


 銃身長660mm、


 全長1050mm、


 重さ4kg、


 弾は口径7mm×長さ5mmを100発お願いした。




 射程はこれで500mはいけるのではないだろうか?


 後は艦載砲の収納だ。


 66トン、このユグドラシルの世界で移動させるのは無理だね。


 鍛冶師達は土魔法で土台ごと動かしたらしい。


 俺は神に祈った。


 跪き、両手をあわせムーン、シルバーよ。


 重力魔法を授けたまえ。



 重力魔法


 Lv1 重力軽減


 Lv2 重力加重


 Lv3 重力反発(レビテイション)


 Lv4 重力軽減 距離100m


 Lv5 重力加重 距離100m


 Lv6 重力反発 距離100m


 Lv7 重力軽減 魔法陣


 Lv8 重力加重 魔法陣


 Lv9 重力反発 魔法陣


 Lv10 ブラックホール



 重力魔法は他の魔法と違う所がある。


 それは魔力100でMP10捧げれば10%の威力がありMP20で20%、MP100で100%二倍になる。


 ここからMP10増えるごとに2倍になる。


 MP110で4倍、MP150で64倍、MP200で2048倍だ。


 俺はLv7 重力軽減の魔法陣を魔力100MP300を捧げて発動した。


 威力は2,097,152倍だ。


 66トンの重量が約31gになった。


 また、魔法陣は斬撃として外に放出しないかぎり内に魔力を溜めておく性質がある。


 つまり永遠に威力が落ちることがない。




 ちなみに付与魔法はこんな感じだ。


 付与魔法


 Lv1 魔法Lv1の魔法陣


 Lv2 魔法Lv2の魔法陣


 Lv3 魔法Lv3の魔法陣


 Lv4 魔法Lv4の魔法陣


 Lv5 魔法Lv5の魔法陣


 Lv6 魔法Lv6の魔法陣


 Lv7 魔法Lv7の魔法陣


 Lv8 魔法Lv8の魔法陣


 Lv9 魔法Lv9の魔法陣


 Lv10 魔法Lv10の魔法陣




 たとえば剣に付与魔法でファイアの魔法を付与する場合、付与魔法Lv1で剣にファイアの魔法陣を描く。


 炎魔法Lv1、Mp10で剣にファイアを発動させ後は魔力操作でイメージどおりの炎の刃を形つくる。


 上級者になるとこの炎の刃を斬撃として放出する。


 飛ばした場合、新たに魔力をこめる必要がある。


 重力魔法のLv7 重力軽減 魔法陣は付与魔法ではLv1の魔法で対応できる。


 付与魔法Lv1の魔法陣を重力魔法Lv1重力軽減で発動。


 あとは重力魔法のやり方と一緒だ。


 指輪に付与魔法Lv8、空間魔法のワープを付与した場合、使用すれば魔力を放出したことになり新たに空間魔法MP80をこめ直す必要がある。



 俺は艦載砲をアイテムボックスに入れ、地下道入り口にやって来た。




 すでにツヨシは待っていた。


 俺達は馬車に乗り50kmの地下道を時速30kmぐらいで進んでいた。


 中間地点で休憩をして約2時間の旅だった。


 俺はここちよい眠りに誘われ、うつらうつらしていた。


 ユリア姫は俺の真向かいに座っていた。




 ユリアはここ何日かの出来事を思い返していた。


 ドラゴンが現れ、滅亡へのカウントダウンの時、カッソへ逃げることを父に勧められた。


 しかし、母を置いてはいけなかった。


 母と一緒にここで死を迎えるのだと思った。


 父の苦悩。


 涙がかれるまで泣いて神に祈った。



 天空から光とともに目の前にいる使徒さまが現れた時の事。


 そして使徒さまが私の願いをかなえるために毎日奇跡を行われている事。


 これからも行われるであろう事。


 ユリアはこれまで王女として国にこの身を捧げるものだと思いつめていた。


 しかし、この時からこの身は使徒様と共にありたいと思った。


 何の見返りも求めず、自分の為に奇跡をおこなう使徒さまに自分だけでもこの身、この命すべてを捧げようと思った。




 シリウス王はこの時、執務室でユリアと同じようにここ最近の出来事を思い返していた。


 天空から使徒様が現れた事。


 次の日の朝食の後、自信なげな会話を使徒様がなされたこと。


 なにか期待していただけにがっかりした事。


 しかし2時間後に早くも奇跡を起されたこと。


 死にかけていたシルビアが生き返った。


 信じられなかった。


 自分でさえ、後数日の命だと諦めていたのに、生き返った。


 シルビアの部屋までかけたのを覚えている。


 そこには安らかに寝ているシルビアがいた。


 本当にこのときは神に感謝した。


 ありがとうございます。




 その1時間後に第二の奇跡が行われた。


 守護の聖なるサークルが王都を覆った。


 使徒様につけているこの国一の斥候が報告してきた。


 あれだけ悩まされたワイバーンのブレス攻撃が届かなくなった。


 あまり簡単に報告するので事の重大さが分かってないのかと怒りそうになった。


 あのブレスで何人死んでいったのか!!


 毎日毎日死人が出、けが人にいたっては1000名を超えていたはずだ。


 それが止まった。


 信じられなかった。


 そして一人でホーリーライトの魔法にて魔物を殲滅した。


 神の奇跡に不可能はないのかと思った。




 その次の奇跡は治療院にいた傷ついた兵士をみな治した。


 瀕死だったマリア、ゴールド伯爵を完全に回復させた。


 これを聞いて元将軍たちの治療をお願いしたら次の日には全員完治。




 その足でオリビア、フェアールとファビア、フェアールに流行り病の治療方法を授けた。


 ここまで奇跡を見せられたら、自分には使徒様が神に見えた。


 しかし、使徒さまは食事も自分達と一緒、なんの見返りも望まず、ユリアの願いを叶えるのみ。


 その次の日、(いにしえ)の勇者が使ったとされている空間魔法を使ったとか?


 何故疑問形かというと、銃が忽然と消えたらしい?


 伝説の魔法アイテムボックスを使ったと後で使徒さまが言ったとか何とか?


 その後、マリア、ゴールドが一人でワイバーンを倒した?


 これも信じられない事だ。


 その後ドラゴンをあっさり銃という魔道具で倒した。


 15年必死に戦ってきた事が神に通じたのだろう。


 また神はシルビアを若返りさせた。


 時間までも支配出来るのか?


 とにかく今は神に感謝を捧げるのみ。


 ユリアは今使徒さまの事で思いつめているようだ。


 使命からと思っているようだけど。


 しかしそれでもいいと思える。


 これで、もし王家が滅んでも今はいいように思えるのだ。


 それが神のご意思のようにさえ思えるのだ。


 シリウスはそんな風な思いに耽っていた。






 馬車はカッソ側の地下道入り口に到着した。


 カッソの町を過ぎ領主館に到着した。


 領主館のあたりは小高い丘になっていてかすかに海の匂いがした。


 連絡が行き届いているのか領主の部屋まで素通りだった。


 部屋に入るとそこには中年の紳士と若者が一人、綺麗な女性に少女が2人たっていた。


 俺が部屋に入ると、男性が挨拶をした。




「私はツナ、タケーダです」


 しかし俺はその後の言葉に驚いた。



「日本名を武田 綱吉といいます」と言ったからだ。



 俺はとっさに「村上 明広です」と挨拶した。


 綱吉様はカッソ辺境伯家の成り立ちを語って聞かせてくれた。


 初代は武田 積善省というらしい。


 武田 信玄候の3男。


 18歳の時、川中島の戦いがあり、昨年まで友好関係にあった上杉 謙信候の4女15歳、上杉 静と合間見えた。


 積善省と静は友好関係にあった10年前、積善省8歳、静5歳の時婚約をした。


 3年前に世の中が大きく動き、武田家は東側勢力に、上杉家は西側勢力に吸収されていった。


 今年になって西側と東側で川中島を挟んで大きな戦になった。


 たまたま、積善省の前面に静の部隊が現れた。


 これも時の運。


 積善省は武門の運命と諦め静の部隊に突撃をかけた。



 静は弓の名手だった。


 積善省の部隊の突撃に静は弓を放った。


 積善省は信玄候からいただいた来国長(らいくになが)をふるい矢を切り静の元にかけて行った。


 静も小太刀、正宗を構え運命に身をゆだねた。


 お互いの剣が触れたかと思ったとき、白い光が二人を包んだ。






 気づけば二人は見知らぬ城壁の前にいた。


 2mぐらいの見たこともない二足歩行の怪物が静めがけて棍棒を振り下ろそうとしていた。


 積善省はとっさに、「静、あぶない」と言葉を発し来国長を抜き打った。


 太い魔物の腕がすっぱりと切り落とされた。


 静も正宗の小太刀で魔物の喉を切り裂いた。


 残り3匹。


 積善省が前に出て剣で応戦。


 静は後ろに下がりながら弓矢を放った。


 矢は全て魔物の眉間にささりあっというまに4匹の魔物を倒した。


 よく見ると、倒した魔物の先には馬車があり10匹の魔物に囲まれていた。


 積善省は駆けて行き魔物を背中から一閃。


 袈裟に切り倒した。


 ずりっと魔物の体がずれた。


 二閃、三閃するたびに魔物を切り倒していった。


 静は首の後ろを狙い矢を放っていった。


 10匹の魔物はあっというまに倒された。




 馬車の方から二人の前に一人の若者が走ってきた。


 二人の前に来ると跪き「勇者様、私はシモン、ビクトリアと申します」と名乗った。


 シモン、ビクトリア、後の第47代ビクトリア王である。


 この時15歳、王太子だった。




 半年前、港町カッソが魔物の襲撃を受けた。


 海の魔物でクラーケン1匹、シーサーペント3匹、シードラゴンクラブ100匹だ。


 時の46第ビクトリア王、サイモン、ビクトリア35歳は王都オルレーンの兵5000をつれて討伐に向かった。


 しかし、クラーケンは体長50m、サイモンの炎魔法でも押しとどめる事しか出来なかった。


 それでも、時々体長3mのシードラゴンクラブが町から内陸へ向かってきた。


 シードラゴンクラブは硬い殻と強力な爪、いがいと素早い歩きで強力な魔物だ。




 そこでサイモン王は罠を考えた。


 1mぐらいの網目で強力な網を地面に隠し、シードラゴンクラブが攻めてくるのに合わせて網を持ち上げてクラブの足に絡ませ、兵士に長槍で攻撃させるというものだった。


 この罠が有効に働き防衛に成功した。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ