表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者と神剣、来国長  作者: 明広
5/258

フェア-ル家の三姉妹

 ユリアの願い③


 午後になりユリア姫と侍女に案内されてフェアール邸を尋ねた。


 フェアール邸は教会の東となりにあった。


 門を潜るとここにも教会があった。


 中に入るとムーン、シルバー様の銅像が輝いていた。


 跪きお祈りを捧げた。


 すると声が聞こえ、「オリビア様に回復魔法と聖魔法の第10階級までを見せてやってほしい」と頼まれた。


 神の意思はわからないが言っておられることは分かったので「ハイ」と了解した。


 シスターが迎えに来たので案内されてフェアリー邸の一室に通された。


 そこにはオリビア様が椅子に座って待っておられた。


 立ち上がり前の椅子を勧められた。


 侍女はユリア姫の後ろに立っていた。


 挨拶を交わした後、あらためてお礼をいわれた。


 俺はオリビア様に地球という異世界で死んで神にユリア姫の願いを叶えてほしいと頼まれた事を告げた。


 オリビア様はそれは神託だとおっしゃった。


 神は何百年に何回か神託を下されるとの事。


 このビクトリア王国も約1000年前、魔物によって滅亡しかけた時、神託によって現れた勇者と共に時のビクトリア1世が共に戦い築いた国だとの事。


 その後、勇者がビクトリア王の妹と結ばれたとかないとか?


 御伽噺になっているとの事だった。


 フェアール家は300年前、突如として現れたシズカ、フェアールと魔法使いの男を先祖とする家系だとか。


 シズカと魔法使いと時の第47代ビクトリア王の3人で迫り来る魔物達を撃退。


 この時魔族と名乗る強力な魔物を倒したとかなんとか?


 フェアール家に伝承として残っているらしい。


 これによりフェアール家の女性は回復魔法と聖魔法を覚えやすく、男は攻撃魔法を覚えやすいとか。


 現在のフェアール家は3人姉妹で長女がシルビア35歳、


 オリビア30歳、


 ファビア20歳だ。


 1000年前までは魔力を体内で変換して攻撃出来るのは魔物だけだったとか。


 ドラゴンブレスやワイバーンブレス、


 石化ブレスに蛇眼、


 アッシド液に麻痺息、


 水系魔物のウォターカッター、


 鳥系のウインドカッターなどなど。



 これらに対抗するために神に使わされたのが勇者だとか。


 勇者は状態異常無効を持ち魔法耐性も大きく、ありとあらえる魔法を使い、剣に魔法を纏わせ魔物を殲滅したとか。


 これをもって魔法を使う人間は勇者の子孫だといえると。


 また、フェアール家はシズカが作った結界装置に魔力を注ぐ仕事から魔法使いとしか結婚してなく、大抵は王家か、または親近結婚を繰り返しているとの事。


 フェアール家の血を狙う貴族はそれなりに多く、表立っては結婚を、裏からは誘拐して血を狙うとか。


 これまでに、行方がわからなくなった子供や女性はそれなりに居るとの事だ。


 いろいろオリビア様から教えていただいた。


 あらためて考えると俺の立ちいちは微妙で俺の血も貴族に狙われるんじゃねと思った。


 オリビア様の話がだいたい終わった所で神からの言葉をオリビア様に伝えた。


 オリビア様は私に対しての神託だとなにか感動していた。


 神からの言葉の内容は回復魔法と聖魔法Lv10までを見せる事。


 現在のオリビア様はLv6までの魔法が使えるらしい。


 ちなみにシルビア様はLv4まで、


 ユリア姫はLv2まで、


 ファビア様はLv5までを使えるとの事だ。


 オリビア様は少し考えて「ファビアにも見せてほしい」と言われた。


 俺は了承した。


 15分ぐらいでファビア様が現れた。


 さすが三人姉妹。


 よく似てらっしゃる。


 美人だ。



 まずオリビア様に魔法をかけていく。


 聖魔法Lv7守護の聖なるサークルをオリビア様の周りに展開。


 1分ぐらいして消してLv8魔力の壁を展開。


 1分ぐらいして消してLv9パーフェクトサーチをオリビア様を包むように展開。


 1分ぐらいして消してLv10ホーリーライトを唱えた。



 キラキラ光る発光が1分ぐらい続いて消えていった。


 ユリア姫は王妃のところで何度も見ているので驚かなかったが、始めてみるオリビア様とファビア様は感動のあまり口を大きく開けたままだ。


 300年前の伝承の魔法を始めてみたのだからしかたがない。


 ホーリーライトを浴びたオリビア様は体力、MP全回復。


 生命力も回復して、お肌がつやつやに見える。


「次にいきますよ」とオリビア様に声をかけた。


 次は回復魔法Lv7リジェネーション続けてLv8パーフェクトヒール、


 Lv9エリアパーフェクトヒールをかけ最後にリザレクションを唱えた。


 リザレクションは死者を生き返らす呪文だ。


 しかし、もう一つの効果がある。



 それは生きている人にリザレクションをかけた場合、死んでも一度だけHP1にて、その場で生き返るというものだ。



 耳元でそっとオリビア様に教えてあげた。


 さすがのオリビア様もこれはしらなかったらしく驚いていた。




 次はファビア様。


 Lv6の守りの聖なるサークルからLv10までを一通り。


 回復魔法も一通り。


 耳元でリザレクションのもう一つの効果を教えて終了した。


 ちなみにユリア姫にもリザレクションをかけて効果を伝えた。



 ユリア姫はリザレクションをかれられた瞬間に身体をビクンと震わせ、目にはピンクのハートが映り、恥ずかしそうにして見つめ返してきた。



 ユリア姫の侍女にもリザレクションをかけて効果を伝えた。


 ちなみに侍女の名前はサミア、ロンドン。


 ロンドン公爵家の次女との事だ。




 最後に肺結核について講義をした。


 地球の知識をもとに伝えた。


 結核菌による肺への疾患。


 菌という目に見えないものの説明が難しい。


 俺は土魔法Lv6ジェネレイト、ミネラルを唱えた。


 ジェネレイト、ミネラルは鉱物生成の魔法で石英を採取。


 Lv7メイク、シングを詠唱。


 メイク、シングは物質作成の魔法で顕微鏡の簡単な外枠を作成。



 Lv8ホーム、ザ、ミネラルを唱えた。


 ホーム、ザ、ミネラルは鉱物形成の魔法で石英をレンズにして簡単な顕微鏡を作成した。



 教会の前の池の水を顕微鏡で見せた。


 そこには目には見えない小さな生き物が動いていた。


 結核菌はこれよりも小さいことを説明した。


 さすが聖女。


 真剣に顕微鏡を覗いていた。


 治療としてこの菌を殺す事。


 殺し方は回復魔法のシックを使うこと。


 しかしシックだけでは表面の菌しか殺せ無い事。


 CTスキャンのように体の内面を調べてシックをとなえていくやり方を説明した。


 CTスキャンのだいだいの説明をして実際やってみる事にした。


 実験台に誰かを?といったらオリビア様が自分がなるといった。


 それでは服を脱いでもらうことを告げた。


 ボタンなどあると正確な検査が出来ないからだと説明した。


 上だけでいいといったが全て脱いでベッドに横になった。


 あまりの綺麗な肌に俺の理性が飛びかけた。


 無の境地、無の境地。


 理性を保ちパーフェクトサーチを右手でかけ、左手でシックを唱えていった。

 5分あまり。


 俺は目をつぶり感覚だけで頭から足先まで治療を続けた。


 まあ、健康で異常なしなんですが。


 オリビアの要望で今度はLv1サーチをCTスキャンのようにして治療をした。


 今度は3分ぐらいで終わってしまった。


 感覚として漠然と疾患が分かるかんじだ。


 一度の治療では完治しないが日にちをかけて続けて治療すれば効果がありそうだ。


 実際オリビアに治療してもらうことにした。


 ファビア様がシックを使えるのでファビア様を実験台にしてオリビアが治療を行う事にした。


 しかし、ここで問題がある。


 俺は両手で同時に魔法を使えるがオリビアは詠唱することから同時発動が出来ない。


 ちなみにオリビアは俺の弟子ということで呼捨てになった。


 師匠には絶対服従らしい。


 弟子になるとはその了承の上にあるらしい。


 なんか責任が重い。


 人類の魔法はオリビアの話から千年前の勇者が始まりらしい。


 しかし、勇者が詠唱をしかた疑わしい。


 俺は勇者は現代地球人で過去へ転生したものと思うからだ。

 よくある転生ものだ。


 火は現代の知識では分子の運動エネルギーだと考えられている。


 しかしイグドラシルでは火の精霊がいて火を作りだしていると考えられている。



 ファイアの呪文はこうだ。


「火の精霊よ。我が願いをうけ、火を現したまえ。ファイア。」


 勇者の血により人々は魔力を魔法に変換することが出来るようになり火をイメージしやすいように呪文が作られていったと思われるからだ。


 まずオリビアに現代知識の火というもの、つまりは分子の熱変動を教える。


 この時、弟子の絶対服従がよく出来ていると感じた。


 師匠が赤といえば弟子には黒に見えていても赤といわなければならない。


 それが出来なければ破門となる。


 つまりはまず自分の常識を捨てることから始るのだ。




 魔力とはあらためて考えると不思議物質だ。


 現代地球においての知識としては、空中で火をあらわすにはまず燃える材料、プロパンガスなどの燃料と酸素、後マッチが必要だ。


 魔力とは自分の体の中でプロパンガスや酸素、マッチに変換できる物質といえる。


 イグドラシルでは火の精霊に変換できる物質だ。


 プロパンガスをゼット機の燃料に変換すればいっきにフレアとなりそう。


 魔力を用いてイメージだけで炎が出せるように教えていく。


 1時間の講義と実践により無詠唱で炎が出せるようになった。


 後は簡単だった。


 実際体験していることでイメージしやすく右手でサーチを左手でシックを唱えることに成功した。


 実験台のファビアが美人すぎて目の毒だったといっておこう。


 ちなみにこの後、ファビアも俺に弟子入りしてオリビア相手に実践訓練をした。


 さすがフェアールの聖女達。


 優秀です。


 これで今後の結核治療の目処が立ち、城へ帰る事にした。





 俺はいずれレベル1になる。


 是が非でもこれは必要な事だ。


 夕食を食べ部屋にいって明日のワイバーンとアースドラゴン討伐を思って早めに就寝した。




 朝日とともに起きることができた。


 晴れた日が続いている。


 討伐にはもってこいだ。


 朝食を食べ、鍛冶師ギルドへやってきた。


 今日は一人だ。


 討伐は一人の方がやり易いとおもったからだ。


 決して失敗を恐れたからではない。


 まあ、失敗した時一人の方が逃げやすいとは思ったのだが。



 鍛冶師ギルドに来るとギルド長が出てきて出来ているとの事。


 現物を見ると全長1600mm銃身1000mmの銃が出来ていた。


 弾は30発。


 ユグドラシルでもっとも硬いといわれるアダマンタイト製。


 現代でいうところの手甲弾だ。


 後はワイバーンの硬い皮膚を貫けるかが問題だ。


 後は魔法頼み。


 ライフリングは技術的に難しいとの事だったので銃身から5cmぐらいの所で手甲弾を風魔法ウインドを使って回転させる。


 5cmの隙間に火魔法フレアを発動。


 爆発のイメージで打ち出すというもの。


 試射場に行き、三脚を広げ銃身を載せて試射。


 2mmの鋼の板を用意。


 フレアの発動とともに弾は鋼の板を貫き、後ろのでっかい木にめり込んだ。


 全員威力にびっくり。


 射程も500mぐらいありそうだ。


 重さが20kgぐらいあり神に祈りを捧げて空間魔法を取得した。




 空間魔法


 Lv1 アンダースタンド、スペース、空間把握MP10


 Lv2 アンダースタンド、ディファレントスペース、異空間把握MP20


 Lv3 エクスペンド、スペース、空間拡張 MP30


 Lv4 エクスペンド、ディファレントスペース、異空間拡張 MP40


 Lv5 スペース、ストレイジ、空間収納 MP50


 Lv6 ディファレントスペース、ストレイジ、異空間収納 MP60


 Lv7 テレポート MP70


 Lv8 ワープ MP80


 Lv9 センドオン トゥ コールディネイト転送 MP90


 Lv10 ゲート MP100


 俺はLv6異空間収納Mp60を唱えた。


 異空間収納は別次元の空間を把握して物を出し入れするもの。


 時間の経過も重さも空気もない。


 いわゆるアイテムボッスクである。


 銃を収納して城壁へ向かった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ