システム開発チームメンバー
AIユリアとファンネルシステム2
拉致被害者救出デモもある。
垂直離着陸機のゼット機に乗せて車を運び現場到着と同時にドローンシステムにて浮上。
車の頭上にソーラーパネルを展開。
ここまでは遭難者救出と一緒だ。
ソーラーパネル展開と同時に車内に格納されている、
モスキートサイズのAI搭載血液採取AIロボットを100機展開。
このモスキートロボットは羽、身体全体がソーラーパネルになっていて、
光さえあれば何時間でも飛行出来た。
目は監視カメラになっていて通信にてメインコンピューターに接続。
まわりのデーターを送った。
またこのモスキートロボットは見た目の色で4種類に分かれた。
無色透明は血液採取型。
白色は睡眠薬搭載型。
黄色は麻痺毒型。
赤色は即死系の毒型だ。
監視カメラにて拉致被害者の回りを確認。
車は回りの確認が終わるとステルスシステムを展開、
姿を消して目的地に近づき、光学迷彩にて周りに溶け込んだ。
ここからはモスキートに睡眠薬を搭載。
外部の敵から眠らせ中の敵を無力化していった。
さすがに、一回の睡眠薬では一人が限界だ。
しかし100機をさながら空母から戦闘機が飛び立つように、
発進、帰還を繰り返して全ての敵を無力化した。
後はレーザー光線にて車の進入口を確保。
人質を救出した。
救出した後は人質を助手席に乗せ車の中を密閉して殺菌。
医療用アーム3本により治療した。
このデモ映像を見て開発チームメンバー全員が一番凄い技術だと思ったのは、
博士が開発したモスキートロボットだった。
恐ろしい技術だとも思った。
それはハイミーの質問からだった。
「モスキートロボットに血液を採取された時の感覚はどんなものでしょうか?」と博士に尋ねた。
「博士は何も感じなかった」といった。
すでに自分で実験していたのだ。
ハイミーも自分の体で実験をした。
血液を採取された時の感覚はなにもなかった。
睡眠薬を注射された時の感覚も実験した。
なんにも感じなくて、ただベッドで目覚めた。
倒れる瞬間に博士がお姫様だっこしてベッドに運んだのだが、
ハイミーは何も覚えていなかった。
このモスキートロボットは車との通信により20kmまで遠隔操作が可能で、
車と軌道衛星上の通信衛星を介して、
博士の研究室のメインコンピューターを介せば地球上ならどんな所でも活動できた。
最終の行動は内臓されたAIにより目標を確認、血液を採取する。
使い方しだいでは、ここロサンゼルスから共産主義のヤンバン国まで、
モスキートロボを飛ばせ某国王を眠らせられる。
赤色モスキートを使えば暗殺も可能だ。
この車が完成したとき、このシステムはデモ映像とともに湯川財団理事会に提出された。
理事会は全員一致でモスキートロボットを除き、
このシステムを米国政府に売却することにした。
車一台1億ドル、100億円だ。
このシステムの名前をマイオールシステム、
車の名前は災害救助カー、ハイミーと名づけられた。
時の大統領は遭難救助デモ映像を見て10台を購入することを決定した。
購入から半年後にニューヨーク市において事件が起こった。
米国政府高官の家族がニューヨーク市においてテロ組織に拉致されたのだ。
学校帰りの少女ココア、ソワール13歳がスペシャリティー、ポリスと帰宅途中、テロ組織に襲われた。
SPはその場で殺害されココアは拉致された。
この現場を見た市民が警察に通謀。
対象人物をマークしていたマイオールシステムはこの警察への通報を傍受、
ニューヨーク市全域の監視カメラへアクセス。
ビルの監視カメラ、
コンビニの監視カメラ、
地下駐車場、
ありとあらえる監視カメラに進入した。
この情報と衛星軌道上のカメラの情報をもとに、
マイオールシステムのメインコンピューターはあるビルを特定した。
この間10分だ。
ここから災害救助カー、ハイミーを派遣。
ハイミーは自分の現在地から10km離れたビルまでジェットエンジンを使い急行。
ステレスシステムと光学迷彩により接近。
秘密に格納しているモスキートロボット100機を展開、
より詳しい情報をマイオールシステムへ送った。
マイオールシステムはこの情報をもとに米軍の特殊部隊と共同、
テロ組織を壊滅、ココアを救出した。
救出されたココアは災害救助カー、ハイミーに運ばれ治療を受けた。
この事件は米国政府によって秘匿されたが、
マイオールシステムはこの事件によって再評価され、
災害救助カー、ハイミーは100台の追加購入を見た。
カードによる本人確認認証システム、別名ステイタスカードのチームメンバーは博士がトップチーフ、
ユウイチが副チーフ、
アイク、ライオン35歳がトップ研究員、
エスカレラ、コアビット32歳がセカンド研究員、
ライア、アルコーン25歳がサード研究員だ。
アイクは初期メンバーで年収3,000万、
ライアは入社3年目、年収1,500万だ。
医療用AI搭載ロボット開発会社から博士が呼んだ。
エスカレラは外部から博士が引き抜いた。
前の会社での年収は400万だった。
エスカレラは前の会社で空間スクリーン映像に関する論文と3D映像に関する論文を発表した。
3年も前の事だ。
この論文は新素材を使い空中に散布、空間を固めて映像を液晶テレビのように鮮明に映し出すというものだった。
開発費はどちらも400億円だった。
前の会社では研究費は下りなかった。
もし下りても新素材になる鉱物が手に入らず研究は出来なかったであろうと思われる。
この鉱物はこちらも共産主義国、明王国からしか産出しないからだ。
エスカレアは妹と母親の3人家族だ。
生活に不自由することはなかったが契約書1と2を聞いて即決した。
これがなくともエスカレアは博士から引き抜きの声がかかったとき感動したものだ。
博士は自分より年下だが研究者として尊敬していた。
その博士から3年前に発表した論文を見せられ、これを研究開発してほしいといわれたのである。
契約書3、4、5はもうどうでもよかった。
ここでも博士は自分とユウイチを入れて新素材の開発に着手した。
開発費800億からスタートし最終的には1,500億をかけて10ヶ月で完成した。
博士の最初のカードの基本的な考え方は、
カードに組み込まれたDNA本人確認システムを用いて、
産業スパイからAIユリアを守る事だった。
しかし新素材の開発に成功して大幅にカードの機能の見直しが行われた。
テレビ並みにきれいな空間スクリーンを利用して、
映画、デレビ、各種学習が出来るようになった。
この空間スクリーンは10mの大きさから名刺サイズまで大きさを自由に変えられた。
3D映像の各種用意された先生により学習が可能になり、
初等教育から大学まで、そして湯川財団に登録されている研究論文まで学習可能にした。
飛行機のチケットや各種予約、家事全般にいたるまで3Dのメイドに言うだけでよくなった。
またエスカレラは質問した。
「このチームは災害救助AIロボットシステム開発チームですよね」
「カード自体をAIロボット化したらどうでしょう?」
このコンセプトで本格的にカードを開発。
まずカード自体をソーラーパネル化した。
また、小型のバタフライ型ドローンを内臓。
これは博士のモスキートロボの技術を転用した。
カードとメインコンピューターを通信により常時接続、
カードの位置情報を24時間、365日分保存した。
これらはアイク博士が担当。
素材の軽量化、耐久、防水、防火の性能アップはアイクとユウイチで行った。
エスカレアは空間スクリーン映像と3D立体映像を担当した。
エスカレアが立体映像に家事を言いつけると、
メイド型立体映像になり炊事、洗濯、掃除にベッドメイキングまで、
ロボットアームを使い行った。
事務を言いつけると秘書型立体映像になり、
コピーから書類整理、試験の試薬集め、簡単なアシストまで、
ロボットアームを使い行った。
また、AI開発にも役立った。
膨大な容量の全体の回路から特定部分を指定すると即座にスクリーンに投影した。
最大10mの大きさにだ。
博士が右の回路を切断した場合の効果を尋ねると予測を述べた。
これによりAI開発の時間が大幅に短縮された。
災害救助のメインはライアが担当した。
心臓の鼓動から本人を確認するシステム、
吐き息から本人を確認するシステム、
DNAから本人を確認するシステムの開発を担当した。
ライアは湯川財団の医療用AI搭載ロボット開発会社から来ただけに、
医療の各種ノウハウを駆使して早い段階で開発をなしとげた。
ステイタスカードのデモ映像がつくられた。
初めに研究員がカードとともに生活している映像だ。
これは見ただけで誰でもほしがる映像だった。
けっこう長いデモ映像で3時間に及んだ。
そのどれもが一家に一台と思わせるものだ。
金では買えないのだが。
その一例はこうだ。
英語の学習を他の国の人間に行った映像だ。
室内で一週間生活をしながら英語の学習をする。
学習の相手は立体映像の女性か男性だ。
女性の場合は男性が担当、男性の場合は女性の立体映像だ。
たえず英語で話しかける。
3日ぐらいで簡単な生活するための会話が出来るようになっていた。
もう一つのデモ映像は研究員が拉致されて救出されるまでのデモ映像だ。
ステイタスカードが研究員の心臓の鼓動の異常、吐く息の濃度の異常を感知。
直ぐにカード内臓の小型バタフライ型ドローンを射出。
射出と同時にステレスシステムと光学迷彩を展開。
まわりの状況と研究員の状態をメインコンピューターに送った。
それと同時に災害救助依頼を出した。
このデモ映像では災害救助カー、ハイミーによって救助される映像だった。
ソーラーシステム開発チームのメンバーは博士がトップチーフ、
ユウイチが副チーフ、
トップ研究員がアイナール、ヒーロー40歳、
セカンド研究員がエステラ、コアビット30歳。
エステラはエスカレラの妹だ。
サード研究員はアイアン、ウエブスター27歳だ。
ここがエネルギーの心臓部になるので建設費、研究費合わせて5兆円が当てられた。
アイナールは初期メンバー、
エステラは姉と一緒で外部から、
アイアンは工業用AI搭載ロボット開発会社から博士の要請でやって来た。
エステラが書いた論文はダイヤモンドを用いた光集光のレンズを使い、
現在の威力の10倍を引き出すというものだ。
最終的には20カラットのダイヤモンドで作ったレンズを使う。
後一つの論文は電磁波の種類によるエネルギー伝達の特性とロス率の研究だ。
電磁波は真直ぐな方が効率はいい。
しかし山などがあれば送れない。
大きな波にしてやれば可能だがロスが発生する。
この波とロスの研究の論文を発表したのは2年前だ。
姉のエスカレアとは研究分野がまったく違っている。
アイアンは監視カメラの専門家だ。
それに一年前から博士直々に光吸収シートの新たな開発を密かに依頼されて行ってきた。
建設はまずアイナールのソーラーパネル100万個の収納ドームから始った。
一辺1kmを覆う開閉式のドームを建設。
次に100万個のソーラーパネル設置の枠の建設だ。
この枠はジャイロ独楽のように360度角度が変えられるものだ。
設置されるソーラーパネルの性能アップは博士とユウイチが行った。
この二人にアイアンが加わり監視カメラの設置、
ドローンシステムの設置、
イオン推進エンジンの設置を行っていった。
中央塔はエステラが受け持った。
エステラはソーラーパネルから送られてくる電磁波をエネルギーに変え、
電源として使うシステムの開発とレーザーキャノンの設置、
電磁波をどのような波にして各施設へ送るかのシステムの構築を行った。
出来上がってデモ映像が二つ作られた。
一つは100万個のコウモリ型ソーラーパネルが兵隊のように、
一列に整然と並んで収納ドームへ向かっていくデモ映像だ。
見ているものを圧巻させた。
もう一つのデモ映像を見たものは恐怖した。
まず仮想敵がサテライトキャノンだったからだ。
デモ映像はサテラテトキャノンがこの都市を狙って打たれたところから始る。
この時すでに光吸収シートが上空を覆っていた。
しかし直径50mのレーザー光線が落ちてきたのだ。
皆やられたと思った。




