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勇者と神剣、来国長  作者: 明広
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地球歴2222年

 地球暦2222年 湯川家



 ゴールド、湯川が生まれたのは地球暦2,190年だ。



 地球では2,158年に大革命が起こる。


 米国がサテライトキャノンの開発に成功したのだ。


 このサテライトキャノン開発は映像として全世界に流がされた。


 地球の衛星軌道上に100万個の太陽光パネルを設置。


 AIによる制御で光を集め、電磁波として管理システムに送りサテライトキャノンで核ミサイルを攻撃するというものだった。




 デモンストレーションの映像はアメリカの軍事施設からミサイルを発射。


 これを発射と同時にサテライトキャノンで迎撃した映像だったのだがミサイルが一瞬で蒸発してしまった。




 各国はこれにより核ミサイルを全廃。


 核ミサイルは維持に金がかかりすぎていたため、あっさり核を廃棄した。


 核は平和利用に転用された。




 しかしサテライトキャノン開発の利点はもう一つの映像にあった。


 電磁波として管理システムに送られた膨大なエネルギーはそのまま宇宙開発の起爆剤となった。


 宇宙でしか出来ない研究や物質の開発に未来が見え出した。


 各国もアメリカに負けじと宇宙開発に乗り出した。


 これにより、衛星軌道上はスペースコロニー時代に突入したのだ。






 ゴールド、湯川博士の父、シンゲン、湯川は2,145年マイク、湯川とサクラ、テイラーの長男として米国で生まれた。


 小さい時から宇宙に憧れ、スペースシャトルのパイロットを目指した。


 22歳、見習いをえて27歳、パイロットになった。


 30歳の時、見習いだったアイシャ、モンローと結婚。


 長女アイ、


 次女アイナ、


 長男ゴールドを生んだ。




 アイとアイナは宇宙生まれ、宇宙育ちだ。


 ゴールドは地球で生まれた。


 ゴールドが生まれた時、回りは女性ばかりだった。


 湯川家では姉アイ15歳、


 次の姉アイナ10歳、




 母の家、モンロー家ではアイシャは3人姉妹の末っ子だ。


 モンロー家はアメリカでは大金持ちだ。


 この時37歳、直ぐ上の姉スイは40歳、長女ユイは45歳だった。


 モンロー家は長女のユイが養子をもらい家を次いだが子供は3人で皆女性だった。




 久々の男子誕生だったのでゴールドは皆から可愛がられた。


 特に母方の祖母、ユリア、ビクトリアとは特に仲が良かった。




 祖母の実家のビクトリア家は世界でも有数の大金持ちだ。



 しかしゴールドは3歳頃からドチテ坊になった。


 まわりの皆が少し距離を置いた時、たまりかねたアイシャはゴールドに、


 パソコン、スマホ、カウスターなどの学習機能のアイテムを与えた。


 湯川家のおじいさんは普通の会社員だったが、


 父と母がスペースシャトルのパイロットだった為、


 湯川家にはお金はあった。


 その為、ゴールドは普通の学校には行かず、自分の興味のある分野の先生を家に呼んでもらって勉強した。




 特に興味があったのは、AI、


 工業用ロボット、


 医療用ロボット、


 サテライトキャノンの仕組みについてだ。




 3歳から10歳まで家庭教師について勉強した。


 ゴールド10歳の時、母方のおばあちゃん、ユリア、ビクトリア75歳が腰を痛めた。


 ちなみにゴールドはおばあちゃんの苗字がビクトリアだとは死ぬまで知らなかった。


 モンローと思っていたからだ。




 ゴールドはおばあちゃんに言った。


「おばあちゃんの腰の為のロボットを作るから僕に工業用のロボットを買ってね」


 10歳では重たい締め付けレンチ一つ持てないのだ。


 ユリアはこれを聞いて「いいわ」といって湯川家の庭にゴールド用の工業用ロボット付きの工場を作った。



 工場の値段が凄かった。



 工業用ロボットだけで2000万、システム合わせて5000万円だ。


 工場の本体が5000万円。


 総費用1億円だ。




 回りに意見するものは誰もいなかったから凄い。


 しかし凄いのはゴールドだ。


 知識はあった。


 しかし今までは力が無かった。


 今、力を得た。




 凄い勢いで、おばあちゃんの為のロボットを作成した。


 制作費もユリアが出した。




 3ヵ月後、総工費1000万のロボットが完成した。


 モンロー家のユリアの部屋に運び込まれたロボットを見て誰もがただのベッドだと思った。


 ユリアがベッドに寝ると6本のアームが現れマッサージを初めた。


 マッサージが終わるとストレッチをする。


 ユリアが外と指示を出すとベッドがパワードスーツに変形しだした。


 ベッドはまず腰が悪い人がするようなコルセットをユリアに装着させた。


 次に胸回りをやさしく固定して、腕にベッドの上部が三つに分かれて装着されていった。


 上部から少しずつ起き上がり、状態の角度が45度ぐらいになり、


 アームを出して徐々にベッド本体が立ち上がりだした。


 それにともない両足もベッドの下の部分が分かれてユリアの足に装着されだした。


 ベッドが完全に立ち上がりユリアの足の裏にスリッパみたいな履物が下から上がってきて、


 足全体をささえられる位置で止まった。


 今、ユリアは顔だけ出してロボットに包まれている状態だ。




 立ち上がりを確認するように顔の前面にモニターが現れ360度回りの映像を映しだした。


 ベッドはユリアの補助をしながら階段を降りていった。


 どんな動作でも実際ユリアの力を使うところが凄い所だ。


 車でも抱える事が出来た。


 この際もユリアの力を無理なく使わせる。


 後の必要な力だけ補助するのだ。


 そして絶えずCTスキャンによりユリアの筋肉の疲れを把握。


 一定量の疲れが見えるとベッドに変形。


 疲れた筋肉をマッサージする。




 一週間でユリアの腰の痛みは取れ一ヶ月で前より健康な体になった。


 これに刺激されたのがおじいさま、ピーター、モンロー80歳だ。


 ユリアが居ないとき使わせてもらい一週間でこのベッドの素晴らしさを実感。


 ゴールドに自分用にも一台作ってくれと頼み込んだ。




 2台目の製作は一ヶ月で完成。


 ピーターに納品した。


 ピーターは一ヶ月でこのベッドの凄さを実感。


 使えば使うほど健康になっていくのだ。


 筋肉もついて見た目も若くなった。


 用途もゴルフに野球、ダンスまでこなす。


 使い方によっては軍事用にも転用出来た。




 ユリアとピーターは知り合いに自慢した。


 孫自慢だ。


 しかし、自慢話だけには終わらず注文が殺到した。


 まず100台だ。


 ゴールドはユリアに相談して、システムごと売却することにした。


 ユリアは自分の実家のビクトリア家の関連会社に全てを売却した。


 売却額は1,000億円だ。




 しかしこの商品はあたりにあたり全世界の金持ちが購入。


 一台あたり5,000万円にもかかわらず、2台目、3台目と売れ続けている。


 この会社は世界でも有数の大会社になった。






 ゴールドはこの後、普通の小学校に一年間、中学校、高校とみためには普通に過ごした。


 問題もあった。



 ゴールドは一度も授業を受けなかった。



 なにをしたかというと図書館に篭っていたのだ。


 学校側は退学させようとしたが親が交渉して大学方式の単位取得で進級出来るようにしてもらった。


 ある時、学校対抗の全国テスト大会があった。


 ゴールドは学校の代表になり、大会に出場。


 優勝した。




 学校側はいままでの態度をいっぺん、ゴールドを優遇した。


 この時からゴールドは(いじ)めの対象になった。


 図書館では暴行はなかったが4人から5人で学校の帰りを襲われた。


 殴る、蹴る、痛めつけられた。




 ゴールドは護身用ロボットの開発を行った。


 土台はユリアおばあちゃんに送ったベッドだ。


 これを椅子まで縮小。


 AIの処理速度を2倍に上げ、アーム6本による迎撃システム型護身用ロボ(椅子)を開発した。




 椅子は見た目には全自動マッサージ機のような形だ。


 リクライニングでベッドのようにもなれる

 普通は椅子として利用する。


 ゴールドが「スタンダップ」と言うとアームを出してゴールドの動きに合わせて立ち上がった。


 ゴールドが歩き出すとゴールドの動きにぴったり合わせて歩きだした。


 側から見ると、お笑いのように見えるが凄い技術だと分かるものには驚きだった。




 また椅子は24時間稼動し続ける。


 図書館では自分でコードを出し、電源からパワーを充電。


 外では傘型太陽光パネルをだし太陽光からエネルギーをえる事ができた。




 最初に椅子をつけたゴールドが襲われた時、椅子は6本の腕で相手の攻撃を防御と同時にスタンガンで攻撃。


 一瞬で4人を撃退した。




 今まで図書館では襲われなかったが寝込みを襲われた。


 ゴールドが夕方になり眠りから覚めたとき、側に5人のいじめっ子が伸びていた。


 この時をもってゴールドは苛められなくなった。






 大学に入学と同時に研究室に入り工業用AIの開発を教授と共同開発した。


 今までの2倍で動く優れものだ。


 まだ早く出来たが従来のアームの耐久力がもたなかったので2倍の速さにおさえたのだ。



 売れに売れた。




 大学の終わりには、医療用AIを開発。


 ベッドの応用だったが内容が凄かった。


 腕は変わらず6本だったが一本、一本が世界最高の医者の技術をAIで再現。


 その6個のAIをメインAIが管理。


 いままでの手術時間を半分に短縮した。



 これも売れに売れた。



 これらの特許は大学がもっていたが販売利益の10%がゴールドに入ってきた。






 大学を卒業と同時に工業用ロボットを開発する会社を起業した。


 資金は十分にあったが信用をえるために銀行から融資を受けた。


 ゴールドは銀行に対してプレゼンを行ったが銀行側は理論が凄すぎて少しもわからなかった。


 そこで十分の一のロボットを作成。


 実演してみせた。


 3倍で動くそのスピードに全員驚きだった。


 問題はアームの耐久力だったが材料物質学の同期卒業のユウイチ、ターナーを勧誘。


 ユウイチと協同開発して半年。


 3倍で作業する工業用ロボットの開発に成功した。



 この会社は2年に一度、リニューアルロボットを発売。



 2222年には10倍のスピードを達成した。


 製品は全世界で売れ、世界有数の大企業に成長した。




 大学を出て3年後、工業用ロボットが5倍で作業するようになった時、


 医療用AI搭載ロボットの会社を起業。


 この会社は最初から開発コンセプトが凄かった。


 博士は大学の時6本アームの医療用ロボットのAIを開発したが今回はアームが100本のロボットを目指した。


 50人の一流の医者が同時に施術をするようなものだ。


 開発に成功すれば手術時間はいっきに五十分の一だ。


 博士にはAI管理には自信があった。


 問題はやはりアームの耐久力だ。


 一本でも不良をおこせば100本を同時に動かしているだけに動作不能に陥る。


 実験と素材開発に一年を要した。




 まず、病室に患者が入ってくる。


 最初だけ看護婦がやさしく麻酔用のマスクを患者に装着する。


 後は医療用ロボットが全て施術する。


 100本のAI搭載アームを出し、これをメインAIが制御、


 10時間の手術が12分で完了した。


 これにより難病といわれた病気もいっきに治療出来るようになった。


 カテテール施術も何本のアームが同時に施術するようになり、


 時間の短縮により即死で無い限り死ななくてよくなった。


 心臓病でも血管のつまりも5分ぐらいで施術が完了した。




 ゴールドは医療用AI搭載ロボットの開発完了とほぼ同時に人型AI搭載ロボットの開発に乗り出した。


 世界中で現在人型ロボットの開発は中断していた。


 人型AI搭載ロボットは人の能力を超えると人を攻撃したのである。


 博士は自動で人を攻撃しようとしたAIの電流の流れを感知して、


 AIを破壊するシステムを開発した。


 博士はこのノウハウを無償にて公開。


 全世界で人型ロボットの開発が再会された。



 しかしなかなか開発の目処はたたなかった。




 5年の歳月がたった頃、博士のもとにベッドが届けられた。


 手紙と一緒に。


 その手紙には「ユリア、ビクトリアの部屋の整理をしたらベッドがあった」


「処分しようと思ったが、ゴールドとの思い出の品だと思ったので送る事にした」


「そちらで、いかようにもされたし」みたいな内容の手紙だった。




 博士はその瞬間にある論文を思い出し閃いた。


 ベッドのAIはおばあちゃんとの10年あまりの体験をしているはずだ。


 このAIをメインAIにして新たにロボットを組み立ててみようと思い至った。




 一週間をかけ、組み立てられたロボットを見て、名前をユリアと名づけた。


 イメージもある写真を思い出して組み立てた。


 それはユリアおばあちゃんの部屋にあった17歳ごろの額縁大の写真だ。


 組み立てが終わり、電源を切って眠りについた。




 朝、自分を起す声で目が覚めた。


 声こそ違ったが、起し方がユリアおばあちゃんの起し方だったからだ。


 よく見ると、目だけあるノッペラボウのロボットユリアがいた。


 電源を切ったはずなのに、自分で勝手にスイッチを入れ動きまわっていた。


 最大の驚きは、博士を攻撃することなく、よりそうように接していることだ。


 博士は理由は分からなかったがAIユリアに学習をさせた。


 みるみるうちに、ユリアおばあちゃんのように博士に寄り添い、


 手伝いと博士のお世話をしだした。





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