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時の宝玉を目指して

4人だけ、私達は4人だけしか居ない。

だけど、これは仕方ないのかも知れないよね。

あまりに人数が多すぎると、目立ちすぎるからね。


と言うか、多分上手く行動が出来なくなると思う。

人数が多ければ多いほど、目立ってしまうからね。

そして、道中は徒歩だよ。馬車はちょっと目立ちすぎる。


「くぅ、あ、歩くことになるとはね…」

「仕方ないよ、ランちゃん。馬車は目立つから」

「いやまぁ、理解はしてるんだけどね」


食料は私の鞄に全て入ってるからね。

それにまぁ、夜営というのも凄く楽だしね。

この携帯用ハウスさえあれば、何処でもお家でくつろげるよ。


「エルザってこう言う夜営とかそう言うのはやるのかな?」

「え? うん、兵士の教育だから、こう言った遠征の訓練はするよ。

 だから、何かあっても私に任せてくれれば、火起こしも何でも」

「あ、夜営とかしないから大丈夫だよ」

「え……? や、夜営しないの? 村に泊まるの?」

「いやいや、私達はいつでも家で休めるし」

「……あ、えっと」

「そんな唖然としたような表情しないでも。

 まぁ、私も最初見たときは唖然としたけどね…」

「ど、どう言う事ですか?」

「ナルミ、何か凄い道具があって、いつでも家をだせるのよ。

 携帯用ハウスだっけ、あれ便利すぎでしょ」

「うん、便利だよ」


まぁ、時の宝玉とかを使う敵が近場に居る場合は使えないかもだけどね。

あれも時間に干渉する道具だから、もしかしたら妨害されるかもだし。


「…もうなんか、お姉様が居ればそれで良いんじゃ無いかな…」

「まさかぁ、私は色々出来るけど何でもは出来ないからさ」

「……はぁ、もう何も言わない方が良いかも…」

「えぇ、それが楽よ」

「何か、凄く呆れられてる気がするよ」

「呆れてるからね……」

「あ、あはは…」


ま、まぁうん。実際色々と道具があるから呆れられるのも…あはは。

で、でも、これは師匠から学んだ技術だから、私じゃ無く師匠が…

なんて、そんな風に考えても私も出来ると言う事に変わりは無いし

あまり意味は無いかなぁ。


「しかし、まさか私が遠出をするとは思わなかったわ。

 最初は本当、ちょっと王都へ行くだけの予定だったのに…

 それが、こんな騒動に巻き込まれて……いや、違うわね。

 ごめんなさい、巻き込まれたんじゃない、巻き込んだのよ」

「ランちゃん?」

「この問題は、本来は私の問題で」

「ランちゃん、そう言うのは無しだよ? 私達は親友だよ?

 大きな問題が出て来たら、協力して乗り越える。

 ランちゃんは何も悔んだりする必要は無いんだよ?

 むしろ、私は嬉しいよ。一緒にランちゃんと戦えるんだから」

「ナルミ……」

「私もです。お姉様やランスフォートさんと戦える何て名誉ですよ。

 それに、あはは、もし大活躍したら私も英雄さんですからね!」

「ありがとう」


エルザはきっと、そう言うのに興味は無いんだと思う。

だけど、ランちゃんに気負わせないようにあんな風に言った。

でも、ランちゃんだってあの口振りから察するにそれは理解してる。


「さぁ、そう言う話は後だよ後。今は目標第一だよ」

「そうね、まずは私の時の宝玉を完成させるわ」

「うん!」


さてと、結構歩いてきたね、さっきから変な気配も感じるし

ひとまずはこの洞窟に移動して。


「どうしたの? こんな洞窟に移動して」

「うん、ちょっと待っててね。ちょっと罠仕掛けてくるから」

「罠? 狩りでもするの?」

「うーん、狩りとは違うかなぁ、現状だと私達が獲物だから

 ちょっと先に先生攻撃をしようと思ってね」

「え?」

「えっと、この細い糸で繋いで…っと、出来た出来た。

 じゃ、奥に行こうね」

「え、えぇ」


そしてしばらくして、大きな爆発音が響く。


「何の音!?」

「じゃ、洞窟の出口の方に行こうか」

「え!? え?」

「容赦ないよね、お姉様」

「大丈夫だって、非殺傷だし」


うん、洞窟の出口の方には意識を失ってる山賊さんっと。

人数が多いね、30人? 結構な大所帯だねぇ。


「な、何よこいつら」

「後を付けてきてたからちょっと爆破させて貰ったよ。

 あ、非殺傷だから安心してね? 死んじゃった訳じゃ無いから」

「容赦ないですね…この人達、かなり伸びてますけど…」

「大丈夫だって、呼吸してるし。じゃ、行こうか」

「え、えぇ……何だかナルミが居ると安心感が…

 いやまって、雰囲気からして私以外は気付いてたんじゃ?」

「気付いてたと思うよ? 2人とも背後を気にしてたしね」


まぁ、30人も揃って歩いてたら凄い目立つからね。

姿を隠してるつもりでも、大体気配は消えないからね。

これだけの人数が居るのなら、当然と言えるけどね。


「何だか、私だけ実力が伴ってないような…」

「大丈夫だよ、ランちゃんは私達が守るから」

「うぐぐ、な、情け無いわ……鍛えないと」


山賊達の奇襲擬きを迎撃した後、私達は動く。


「ランスフォートさん、後ろ危ないですよ!」

「うわぁ! 野犬!? こ、この!」


不意に野犬が出て来たけど、ランちゃんがすぐにレイピアを抜き

飛びかかってきた野犬の眉間にレイピアを突き刺した。


「あ、危なぁ……」

「凄い速かったね、レイピアを抜くの」

「そ、そうね、自分でも驚いたわ」


ほぼ無意識に体が動いて迎撃したって感じなのかな。

やっぱりランちゃんも強くなってると私は思う。


「うん、結構歩いたね」

「そ、そうね……わ、私はもうヘロヘロよ…」

「は、はい、し、しんどいです…」

「し、シックさんも…はぁ、わ、私も結構…

 お、お姉様は平気そう…だね…何時間歩いたか分からないのに…」

「これ位はよく歩いてたからね、師匠の修行で」


錬金術師だからね、素材を集めるために長距離移動は良くやるよ。

師匠はその訓練も私にしてくれた。正直な話をしちゃうと

魔力が限界の状態で自身の身を削って魔法を使う方がしんどかった。

まぁうん、あれは言わば身を削ってるわけだし辛いのは当然なんだけど。


「じゃあ、今日はここまでだね。はい、携帯用ハウスだよ」

「よ、よし、休むわよ」


そして、私達は携帯用はウスを使って1日目の遠征を終えた。

現状どれだけ歩いたか、流石にそこまでは分からないけど。

とりあえず、旅の道中をメモに記しておこう。その方が良いしね。


道中の地図も書いておいて、帰るときに帰りやすいようにしないと。

マッピングも錬金術師の基礎スキルだからね。

本来、私は結構な方向音痴だったのに、今じゃ全く違うよね。

あはは、師匠にあれだけ色々と叩き込まれてたら当然だけどね。


「よしっと、地図完成。そろそろ寝ようかな」


うん、もう2時だね、急いで眠っちゃおう。

でも、あまりゆっくりは出来ない気がするんだけどね。

五大魔神の能力を考えておく必要もあるしね。


師匠が送ってくれた紙には五大魔神の能力は記されてなかった。

だけど、普段通りの師匠なら、それは絶対にあり得ないと思う。

つまり、あの瞬間の師匠は相当動揺してたと言う事だね。


師匠は基本的にそう言ったミスを犯さないで完璧にこなす。

そんな師匠が動揺するような事態だなんて、相当に違いない。

師匠にとって、よっぽどショックな事があったに違いない。


時の宝玉の真実を知って動揺したのかな。

それとも、相手を殺しても死ななかったことに驚いたのかな?

それとも、時の宝玉の特殊な効果に驚いてしまったのかな?


いや、どれも何だかあの師匠が動揺するほどには思えない。

これだけじゃ無い、更に何かショックだったことがあるんだ。

考えても答えが出るわけじゃ無いけど、考えないと何も出来ない。


五大魔神の対処と師匠の謎を考えないと行けない。

更にはそんな状態で時の宝玉の探索…あはは、やること多いなぁ。

きっと1人だったら、何も出来なかったかな。焦りすぎて。


「……でも、今は1人じゃ無い」


ランちゃん達が一緒に来てくれて、本当に良かった。

3人が居てくれるから、私は私が最優先でやるべき事を忘れない。

だから、きっと成し遂げる事が出来る。信じる事が大事なんだから。

私は私と皆を信じよう。それがきっと全ての第一歩なんだから。

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