第四話 四人目の共犯者⑨
「う……ぐっ………!」
左右多は両手でナイフの柄を掴む。
「おっ、オイ……いいのか?マジ止めとけって!」
カルーゲは左右多が何をするかを察し、慌てた口調で言った。
「んーーーッ!」
カルーゲの忠告を無視してナイフを引っ張る。
「んーーー!!んァーーーーッ!!!」
しかし抜けない。
「はぁはぁ……ッ!あれ……!?」
何度も試すが結果は同じだった。
「ククッ……無駄!!!これが魔法……!これが現実……!」とカルーゲは笑う。
「どうなってんだよコレ……」
「しかしよく抜こうとしたなァ、こういうのは触らないのが鉄板だぜ?」
「普通のナイフで刺せば既に死んでいた。つまり俺を殺す気はないってことだろ?」
左右多はナイフから手を離して答えた。
「……正解だ。だがお前はもう逃げられない」
カルーゲはナイフから伸びるチェーンを軽く引っ張って言った。
「危ねッ……じゃあ俺は人質か?」
バランスを崩して転びそうになる。
「ああ、そうだ」
カルーゲは顔に笑みを含ませて答えた。
「人質……いったい何の為に?あれ、また俺なにかやっちゃいました?」
「何もしてねーよ。つーかさっきからそれ何なの?お前の持ちネタ?」とカルーゲが呆れて聞く。
「……なるほどね、はいなるほど」と挑発を繰り返す。
「いや答えろよ!?」カルーゲは怒鳴った。
◇
カッペリは二人のやりとりを冷静に聞いていた。
(おそらくそのセリフは最終確認。ナイフの能力が対象への変化を及ぼす類の能力ではないということの。……ここらが潮時かしらね)
後ろを向いてレモンの目を見る。
「アナタ達の目的はこの人を人質にすることかしら?」
「ああ、そうだ!大人しくしてれば姉ちゃんには手を出さねぇぜ?」
レモンが答える。
「あら?やさしいのね。でも聞けない相談……」
「抵抗、ですか。言葉での懐柔は不可能。ならば力での強制は不可避……」
ポテトフライが割って入る。
「あら面白いわ!やってみなさいよ!?」
そう言った後、カッペリの全身を青白い光が覆う。
「えっ!?何っ!?なんか光ってますよ!!!」
事態を把握できていない左右多は、ただ驚くしかない。
「このタイミングでの解放。些か焦りすぎではないでしょうか……」ポテトフライは動じない。
「先に魔法を使ったのはアンタ達のバカでしょう?」
カッペリはカルーゲの方をちらりと見て言った。
「なるほど……魔法には魔法で返すのが仁義。ならば私も……」
黄色い光がポテトフライを包む。
「「ククッ……ならば俺も……!」
カルーゲとソルトレモンの全身も光を帯びる。




