第四話 四人目の共犯者⑥
「ほぉ、面白ェ……じゃあ見せてみろ!」
「やれやれ……雑魚2匹を片した所で、そのナイフのダサさは変わりませんよ?」
レモンとポテトフライがカルーゲを煽る。
「うるせェ!黙って見てろ!」
カルーゲはナイフを中段に構えた。
「おいカッペリ!」
結局ふりだしに戻ってんじゃん――と左右多はカッペリに声をかける。
「おいカッペリッ!?聞いてんのかオイッ!?」
「……。」
しかしカッペリ左右多を無視、沈黙を維持。
「い〜〜〜!?」
黙ったままのカッペリに左右多は何な抗議したかったが声が出なかった、言葉が見つからなかった。
(カッペリのやつ、いったい何を考えている?いや何も考えていない……!?)
やがてカルーゲは姿勢を低くする。どうやらこちらに突っ込むようだ。
(まさか俺を囮に?それはない!しかし……大丈夫なのか?)
何も言わない、そして動かないカッペリに不満がないわけではなかったがもう仕方ない。"あえて"だと、これが作戦なのだと信じる他ない。
カルーゲが一歩目を踏み込んだ。距離約7メートル。
(カッペリの話にはこの街には誰もいないはず!この状況はイレギュラー……つまりカッペリも予想外だったと考えることもできる……)
残り6メートル。
(じゃあ策なんて最初からない。……カッペリは諦めてるってことなのか?)
残り5メートル。
(オイオイ……おいウソだろカッペリさん!?俺はまだ死にたくない!)
残り4メートル。
『なぜ?』と心の底から声がする。
残り3メートル。
(なぜ……だ。どうしてこうなった。どうして殺されなきゃいけないんだ?何故俺なんだ……?)
残り2メートル。
(おいカッペリ……。答えてくれよカッペリ!!!)
残り1メートル。カッペリはまだ動かない。
(こ、この女じゃだめだ……!おっ俺が……俺が止めないと!)
残り90センチメートル。ナイフの刃が左右多の方へ向く。
(嘘だろ!?俺が先ィッ!?)
残り70センチメートル。カルーゲの間合いである。一瞬止まって腕を引き、タメを作る。
(くっ……!俺はナイフで殺されるというのか……せめて魔法がよかった。……ナイフ?そうだッ!)
勢いに乗せナイフを突く!ナイフとのキョリ30センチ!
「ちょっと待ったァッ!!!」
『 !? 』
今度は左右多である。全員が左右多を見る。ナイフは顔から4センチのところで止まった。
「なんだ……?」とカルーゲが尋ねる。
「言いたい……ことがある……」
「命乞いか?そうか遺言か。……どっちだ?」
「その……どちらでもない……」
「なんだ時間稼ぎか?無駄だ。ここはすでに俺の間合いだ。お前の墓場――」
「いいのか?俺を刺した隙にカッペリはお前を殺す……」カルーゲの言葉を遮って言い、ちらりとカッペリを見る。
「バカか……だから3人いるんだよ」とカルーゲは論破する。
「あっ、ああそうなの……」
もう左右多は何も言えない。曖昧な返事をするしかない。
「もういいか?――じゃあ死ね!」
カルーゲはナイフを再び後ろへ引いた。
「待て、違う。まだある……」と左右多は顔を天に向け、振り絞ったような声で言った。首からは汗が滴り流れる。
「何だよ……!」
カルーゲが鬱陶しそうに怒鳴る。
「ナイ、フ……」
「あん?」
「ナイフだよ……そのナイフ、近くでみたら――」
カルーゲの眉がピクリと動く。再び間が空いく。
「――カッコよくね……?」
『 !? 』




