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私の生きてきた道  作者: 郷古奈美
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こんな人生もありですか?

私は今、41歳になった。改めて自分の人生を振り返り、これからにつなげていきたい。そして、読んで下さる方々に、

へー、こんな人生の人もいるんだ、なるほどと感じていただけたら幸いです。

私は、小学校二年生の頃から自分はもう大人だと思っていた。母親は私が小学一年の時に離婚し、すぐ再婚した。相手にも子供が三人いる子連れ同士の再婚だった。あの日から私の人生は一変した。急に弟や妹ができた。ただ、急にお姉ちゃんになったのではない。

それまでは、五つ半離れた姉に甘え、母にも普通に抱っこしてもらうような子供だった。

それが急に下に兄弟ができ、良く知らない男が父となり、父の母親とも一緒に生活することとなり、私は甘ったれた妹から、大人になった。もう母親に甘えて抱っこしてもらうことは無くなった。どんなに辛い事も、表には絶対出さなかった。あの子は、再婚家庭だから暗いなどとは1ミリたりとも思われたくなかったので、いつもバカみたいにニコニコしていた。天真爛漫という言葉が大嫌いだった。今でも抵抗を感じる。周りは私を能天気だと思ってそう言っていたのだ。再婚というだけでも私の心は傷付いているのに、養父には多額の借金があり、それにもかかわらずギャンブル好きで、家にはほとんどお金を入れてはくれなかった。祖母が年金やらなんやらでなんとか毎日を過ごしていたのだ。そして祖母は、私や姉が母と少しでも接触することを嫌い非難した。物理的にも貧しく心も貧しい環境の幼少期だった。新たに弟と妹が生まれたため、私は全てのことを一人でやらなければならなかった。あれは、小学四年の時水ぼうそうにかかった時のこと、母から病院へはバスで一人で行くよう言い渡された。初めての経験、大冒険だ!私は、母の言葉をすんなり受け入れ、一人で病院へ向かった。

病院へ着くとすぐに裏の方へ案内され一人で順番を待つこととなった。看護士のお姉さんがとても優しく「よく一人で頑張ってきたね、えらいね」と何度も褒めてくれ、飽きないようにと少女マンガを貸してくれたことを今でもよく覚えている。あの頃は、幸せとか不幸せとかはよく分からず、ただ、ただ、自分の居場所を探していた。毎日が辛かった。

今では考えられない事だが、それが普通だったし、自分ではどうすることも出来ない日常の繰り返しだった。もちろん、自分を哀れんでいるのではない。今ではすっかり受け入れているし、むしろ、自分にとっては良かったとまで思えているが、こうして文字にして残しておきたいのだ。私の生きてきた道を。

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