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フォレストウルフの巣

アンリから、吸血を、そして眷属化を受け入れる気配がある。


ごくり


大空を何処までも駆ける、そんな錯覚がエルクを支配する。

美味い。


ごく・・・ごく・・・


飲めば飲む程、無限に力を得るようだ。

そして、アンリとの結び付きが生まれたのを感じる。

同時に、アンリに闇の力が流れ込み、アンリの力が増していく。


エルクは牙を離し、アンリの首筋の傷を舐める。

アンリの首筋の傷が消えていく。


「はぁ・・・」


息が乱れるアンリの唇をそっと口で塞ぎ、アンリを抱きしめる。

ややあって、唇を離すと、アンリも体の変化が落ち着いたようだ。


「よろしく、アンリ」


エルクが言うと、アンリは嬉しそうに頬を染め、そっとエルクに体重を預けた。

アンリから魔力が流れ込んでくる。

今までは自分の体に溜めることが出来なかった魔力が、体に溜まる感覚。

エルクにとっては初めての経験だ。


「さて、まだ日は高い。アンリが大丈夫なら、もう少し進んでおきたい」


「はい、勿論です!」


アンリは元気にそう答えた。


--


フォレストウルフの巣。

何時の間にかそんな物が作られていた。

多い時には100体を超える数が生息し、エルクが剣だけで戦えば、油断していると危険、くらいの敵だ。


魔力を得たエルクの敵ではない。


「風刃、飛べ」


風の刃の魔法を構築、発動。

フォレストウルフの首を落としていく。


「血の槍よ」


アンリが血の魔法を発動。

赤い光の矢が無数に飛び、フォレストウルフ達の命を奪って行く。

尚、血の属性を持った赤い光であって、別に血を使う訳ではない。


魔物は、放置すると増える。

見つけたらとりあえず倒しておいた方が良い。

特に、普段使う道では。


「ふむ。やはり自由に魔法が使えるというのは良いな」


エルクが嬉しそうに言う。


「エルク様・・・格好良いです」


惚れ惚れとした様子で、アンリが言う。

エルクは何故ここまでアンリの好感度が高いのかは分からないが、詮索しないと決めたのだ、気にしないようにする。


--


夜。

エルクは、手早く野営の準備をする。


取ってきた獣を焼き、野草を煮て、料理を作る。


「エルク様、料理が出来たのですね!」


アンリがびっくりしたように言う。


「探索の時に野営をするからな。自然に覚えた」


「そうなんですね。何時もセリ・・・」


「セリ?」


「セリシアっていう名前の妹に全て任せていたので、料理って苦手なんですよー」


・・・気のせいだろうか。

何か言いかけて誤魔化した気がした。

が、エルクは詮索しない事にした。

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