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初めての眷属

アンリが瞬間的に耳まで真っ赤になると、腰が抜けた様に尻もちをつく。

どういう反応なんだ?!

エルクは更に訳が分からなくなり、困惑する。


「いや、でも、夢想した事が無い訳じゃ無いと言うか、でも恐れ多い・・・」


アンリが一人の世界に入ってぶつぶつ言っている。

エルクは、決して聖獣に恐れ多いと言われる存在ではない。

・・・やはり誰かと勘違いされている気がする・・・?

エルクは確信する。


アンリはエルクの手をがっしり掴むと、


「エルク様!眷属に加えて頂けるなら、是非お願いします!!」


食い気味に来る。

ここで承諾するのは、エルクにとって極めて都合が良いのだが・・・ここは正直に言う。


「アンリ殿、恐らく貴方は勘違いしておられる。私は貴方にそこまで言われる存在ではない。人違いだと思う」


しかし、アンリは食い下がる。


「そんな事有りません!貴方は私達の敬愛するエルク様です!ファーイーストの王でヴァンパイアロードにして、最高の魔導技術と魔力ゼロの体質。妹はリア様で、幼馴染にジャンヌ様がおられますね!」


人違いじゃなさそうだ?!

と言うか、詳し過ぎないかな!

エルクが戦慄する。


「・・・人違いでないなら、こちらとしては歓迎するが・・・申し訳無い事に、私は貴方の事が誰だか分からない。何故私の事をそこまで詳しくご存知なのか、お聞かせ願えるかな?」


知り合いなのに自分が気付いていないだけなのだろうか。

高位の部下なら知っていても不思議ではないが・・・聖獣だしなあ。

一番考えやすいのは、部下が裏切って情報を流し、エルクを害する為に派遣された、という事だが。

そこまでされる様な存在でもないし、目の前のアンリからは、不思議と魂に曇りが感じられない。

エルクに向けられる感情も、分不相応に好感触にエルクには感じられた。


エルクの問に、アンリは冷や汗を滝のように流し、目が超泳ぐ。

・・・どういう事だろう、エルクは混乱する。


「えっと・・・不問にして頂けると、非常に助かります・・・」


・・・アンリを眷属に出来るメリットと秤にかければ、詮索しないのは軽い話だ。


「分かった。アンリ、貴方を我が眷属に迎えたい。貴方の事情も詮索しない」


「有難う御座います!」


嬉しそうに言うアンリ。


エルクはそっとアンリを抱き寄せ、首筋に牙を立てる。

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