表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/55

帰還

エルクとノエルが連れ立って、村長とアンリのもとに戻る。


「すみません、お待たせしました」


ノエルが謝罪すると、


「とんでもありません。こちらは大きな恩を受けるのですから」


村長が頭を下げる。


「それでは少し、弟と話をして参ります」


ノエルが立ち去ろうとすると、


「あ、ノエル様・・・待って下さい!」


アンリがノエルを引き留める。


「・・・どうされました?」


ノエルがきょとん、としてアンリに尋ねる。


「今エルク様の眷属になると・・・素晴らしい新兵器の情報等をレイアーに供与して貰って、レイアーの武装を一気に強く出来ますよ?」


アンリが必死にアピールする。


「あ、もう私はエルク様の眷属ですよ?」


ノエルがそう言うと、


「そう言わず、御願いします!」


アンリが必死にプッシュ。


「落ち着け」


エルクがアンリにチョップを入れる。


「あう・・・でもでも、やっぱりノエル様が居てこその・・・!」


「・・・アンリ様、今ノエル様は、既にエルク様の眷属とおっしゃってましたが・・・?」


村長がアンリに言うと、


「・・・何時の間に?!」


驚愕してエルクを見るアンリ。


「そういうわけだからよろしくな、アンリ」


エルクがアンリの頭をぽんぽん、と叩く。


「よろしく御願いしますね、アンリ様」


ノエルがぺこり、とアンリに頭を下げる。


「うう・・・様はやめて下さい・・・」


アンリが呻いた。


--


「早いですね」


アンリの背中に乗っているノエルが、驚きの声を漏らす。

ノエルはメイド服を着替え、旅の魔導士の服装をしている。


「人を乗せるくらいしかこれし能がないですので」


「・・・むしろ、人を乗せる聖獣の方が珍しいと思うが・・・」


エルクが突っ込む。

聖獣はその高い実力と、高い誇りを持つ。

勿論人間なんかを背中に乗せたりしない。

無論魔族を見つければ滅するのが存在意義で、魔族を背中に乗せるのはあり得ない。


行きに比べ、帰りは相当な時間の短縮となった。


何年離れていたのであろうか。

村は、大きな櫓が複数建ち、鉄の武装をした村人が、機械弓の練習をしている。

堀に橋が架かっていた場所には橋が無くなっている。

正確には、橋が縦になって、垂直に立っている。

あれでは渡れない。

いや、数日だろう、おかしいだろう、エルクが突っ込む。

村長も首を傾げている。


エルクが橋っぽい場所に降り立つと、こちらを見つけた村人が、何か操作をする。

橋が音を立てて降りてきて・・・堀に橋が出来た。

次いで、兵士が何か筒に向かって叫んでいる。


村の奥からセリアがやって来た。


「お帰りなさいませ、ご主人様・・・と、ノエル様?」


セリアがノエルの姿を見て、疑問符を浮かべる。


「お久しぶりです、セリアさん。素敵な村ですね」


ノエルがセリアに気付き、挨拶する。


「お久しぶりです、ノエル様。この村まで来られたのですね」


セリアも挨拶を返す。


「はい、エルク様の眷属になりましたので」


「・・・なるほど」


納得するように言うセリア。


「セリア・・・この状況は?何か村の護りが凄い事になっているんだが」


エルクが驚きつつ尋ねると、


「はい、アレクシアの指示に従って、村の護りを固めてました」


セリアがにっこり微笑んで答える。


平時ならかなり安全な防備だ。

しかしこれから聖戦が始まることを考えると、この村に居続けるのは厳しい・・・

エルクはそう思う。


帰還後、近隣の村2箇所、そしてレイアー。

近隣の村から順に、村人を送り届ける。

片方はエルクとノエル、もう一方の村はアンリとアレクシア。

最後に、レイアーにエルクとノエルが送り・・・

ラムダ村からには人が居なくなった。

資産も、移住先の村やレイアーに運んだ。


--


誰も居なくなった村の宿屋、エルクと、その眷属達が集う。


「終わった、な」


エルクが呟く。


「はい、終わりました・・・寂しくはありますが、仕方ありません。また聖戦が終わったら・・・人も戻ってくるのでしょうか」


セリアが呟く。


「きっと戻ってくるさ。そしてその時は・・・俺達がまた手伝ってやれば良い」


エルクが言う。


「聖戦が終わるまで何年、何十年掛かっても・・・私達はもう吸血鬼ですからね」


ノエルがしみじみと言う。


「その時はいっそ、砦を作ってしまうのも良いかも知れないね」


アレクシアが言う。


「では、そろそろファーイーストに戻ろうと思う。これからよろしく頼むよ、妃達よ」


「はい」


眷属全員の声が唱和する。


「帰りはどうされますか?私に乗りますか?」


アンリが尋ねる。


「なるべくミーミルに気付かれたくないからな・・・どうしたものか」


エルクは少し考え、


「アンリ、俺、アレクシア、ノエルで隠蔽の魔法を掛けながら飛べば、恐らく何とかなるだろう」


「了解しました」


アンリ、アレクシア、ノエルが応える。


こうして、聖界を後にし、ファーイーストへと飛び立った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ