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手折られし剣

エルクは戸惑う。

エルクにとっては都合のいい話ではあるのだが・・・何故そういう話になったのかが分からない。

ちゃんと可能な支払いの計画を提示した筈なのに。


「それは・・・俺にとっては都合のいい話ではあるのだが・・・本当に良いのかね?」


「御願いします」


「分かった。だが、俺は普通とは異なる方法で眷属を集めようとしている。まずはその説明をさせて欲しい」


「はい」


「俺は、眷属に対し、かなりの自由意志を残す。眷属の強さは、本人の強さと、得た闇の力、そこからの束縛と抵抗・・・そういった要素によって決まる。故に、眷属が殆ど束縛されていない状態で自分の意思で心を捧げた時、その眷属の力、そして俺が得る力は最大となる・・・これが俺が辿り着いた理論だ」


「・・・それでアンリ様は生き生きとしておられるのですね」


セリアが頷く。

アンリが何故か微妙な表情をする。


「セリア、貴方が俺の眷属になるにあたり、俺は貴方の要求をのもう。お前は俺に何を望む?」


「・・・私は、この上何かを望む事は考えておりませんでした。既に十分、恩を受けております・・・しかし、可能なら、この村の人々を気に掛けてあげて下さい。私はこの村で育ちました。この村が、この村の皆が、好きなのです」


「分かった。ファーイーストの王エルクの名において、この村を気に掛けよう」


エルクはそっと、セリアを抱き寄せる。

セリアは力を抜き、エルクに体を委ねる。

エルクがセリアの首筋に・・・牙を・・・突き立てる。


ごくり


セリアの血が、エルクの喉を通る。


?!

この美味さは・・・ジャンヌに勝るとも劣らぬ・・・いや・・・質が違った・・・

エルクの全身の血が総毛立つ。

一瞬が無限に感じられ、凄まじい全能感がエルクを襲う。

その味は重厚、そして濃厚。

億の戦場を駆け巡るような錯覚を覚える。


しまった?!


随分長い間、相当な量の血を吸ってしまった。

エルクが慌てて口を離す。

血の気を失いぐったりしたセリア。

血を失ったのと、体の中を闇の力が駆け巡り体を作り変えられているので、かなりの負荷のはずだ。

エルクは、セリアをそっと抱きしめてやる。


セリアの顔に血の気が戻り、その目が深紅に光っている。

セリアがにっこりと微笑む。


「私の血、気に入って頂けたようで嬉しいです。これから宜しく御願いします、ご主人様」


「ああ、格別の美味さだったぞ。これからよろしくな」


エルクはそっとセリアに口づけする。

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