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騎乗

「エルク様、お乗り下さい」


アンリはそう言うと、人化を解く。

その姿は・・・透き通る様な美しさの、紫色の毛並みをした、スフィンクス。

ヴァンパイア・クイーン・スフィンクス、といったところだろうか。

それにしてもスフィンクスとは・・・エルクは驚く。


それなりに高位の聖獣だとは気づいていたが、スフィンクスは現役長老の種族と聞く。

その力は別格である上、血筋的にも聖獣の長候補と思われる。


本来の大きさは数メートルを超える筈だが、今はちょうどエルクが乗れるくらいの大きさだ。

・・・無論、乗り物にしていい存在ではない。


「有難う」


エルクが礼を言って跨ると、アンリが空に飛び立つ。

数瞬の後には、静かに目的地へと降り立った。


本来この世界では、空を飛ぶのは危険だ。

魔獣に竜、各国の守備部隊・・・守りを固めるくらいなら、歩くか、超低空を飛んだほうが早い。

しかし、アンリの場合はそもそもの速度が異常だし、5000歳を超えた竜でも、スフィンクスに喧嘩を売る馬鹿は居ない。


アンリが再び人化する。


「有難う、おかげで早く着いたよ」


「はい、帰りもお任せ下さい」


アンリが微笑む。


エルクは洞窟に入り、月待草を収穫する。

根を魔力で覆い、傷付けないように抜いた後、マナを操作、活動を極端に遅らせる。

全体を魔力で覆いつつ、コンパクトになる様にそっと折り畳む。

流れる様に作業し、20本の月待草が収穫出来た。


「・・・エルク様、流石繊細なお仕事されますね」


「なるべく鮮度を保ちたいからな」


完成したものはそのまま浮遊で、持ち歩いている魔力の網に入れる。

中に仕切りの網を張って分離するのは怠らない。


蛍光石も地面に落ちている。


「精製」


不純物混じりの蛍光石が崩れ、蛍光石のみが空中に集まる。

そのまま結晶化。

拳大の塊を10個。


「こんなもんかな?」


「・・・恐れながら申し上げます、エルク様。恐らくここまで高品質の物、人間では絶対に入手できません」


「・・・何・・・魔力で生成するのは避けたのだが、まさかそんな所に罠が」


「こんな物渡すと怪しまれますが・・・かといって、せっかく作ったものを棄てるのも勿体無いですね。指くらいの大きさの欠片にした上で、拾った事にしてはどうでしょう?」


「うむ。そうしようか。とにかく目立つと不味いからな」


正体がばれても面倒だし、権力者に目を付けられても困る。

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