探索者説明
「では、探索者ですが、基本的にな、何でも屋といわれています。探索者に依頼されているものはミッションと呼ばれていて、内容は、家の掃除から、モンスター討伐と幅が広いのです。また、探索者にはランクが与えられ、Hランク~Aランク、S、WS、TSとあります。また、ランクにより色が違い、
H→青
G→紫
F→緑
E→黄緑
D→水色
C→ピンク
B→赤
A→黒
S→銅
WS→銀
TS→金
となります。最初、登録された方は、すべてHランクからスタートとなります。また、Aランク以下の探索者が、半年以上ミッションの冠水、もしくは、そのランクに見合ったランクのモンスターも討伐を行っていない場合、ランクの降格、もしくは、クラン証の返還を命じられるので注意してください。ここまでで、何か質問はありますか?」
「さっきの、騎士の説明の時に出てきた、貴族ですが、クラン所属の者に強引に絡んできた場合どうしたらいいですか?」
「殺さなければ問題ありません。クランは各国に広がる大組織です。また、王族認可の組織ですので、貴族が強引に絡んできた場合、クランは王族に訴え出ることが可能です。そうした場合、その貴族は、度合いにもよりますが、下手すればお取り潰しとなるため、ほとんどの貴族がそういったことを行うことはありません。」
その説明を聞いて美湖は安心していた。中世くらいの世界観とするならば、封建制度があるかもしれないと思ったからだ。しかし、クランは王族認可の組織のため、そのクランに文句を言うというのは、王族に文句を言うことと同義であるため、ほとんどの貴族がバカな手に出ることはないらしい。
「わかりました。ありがとうございます。」
「では、探索者になるにあたっての注意点です。
・先ほども言ったのですが、半年以上の活動が認められない場合は降格、クラン証の返還があります。
・ミッションの成否については、依頼者との交渉によります。依頼者の意向に原則従って行動すること。ただし、その内容いかんでは断ることも可能で、その際のキャンセル料はかかりません。
・ミッション内容を依頼者と綿密に話し、その後、失敗した場合は、ペナルティ料金として、報酬金額の半分を等分し、片方を依頼者に、もう片方をクランに支払うこと。
・探索者は、商品の購入以外の税金の支払いが免除されます。ミッション達成報酬から、毎回必要金額が天引きされているからです。もし、当人が支払う金額に到達した際は、天引きされずに全額が報酬として支払われます。
・何らかの犯罪を犯した場合、度合いによりますが最悪の場合、奴隷落ちとなります。
・ミッション、および、そのほかのいかなる場合により、当人が死亡した場合でも、クランは一切の補償等はありません。
まぁ、大きなところとしては、こんなところですね。ほかに聞きたいことはありますか?」
「いえ、大丈夫です。ありがとうございます。探索者に登録しますので、手続きをお願いします。」
美湖は、探索者になると決めた。