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少女たちの異世界漂流記~美湖の冒険~  作者: コウタ
異世界生活スタート
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これからの方針

 『スレイブ』を出て、美湖たちは、『安らぎの風亭』に戻ってきた。扉を開けると、ソクラがカウンターで受付をしていた。


「あ、お帰りなさい、美湖さん、ユーナさん、アリサさん、スーリンさん。あれ、後ろの方たちは?」


 ユリカたちを視て、ソクラが首をかしげる。


「ああ、ソクラさん、彼女たちは、ユリカさん、レイクさん、エリザさんって言って、今日、塔の階層主討伐を一緒にしたんだ。それで、少し話そうってことになったんだけど。」


「初めまして、ユリカだ。ちょうど、私たちが使っていた宿は、引き払ってあるんだ。だから、しばらくはここに泊まるよ。一泊いくらだ?」


 ユリカが、ソクラに宿の値段を確認する。


「はい、ありがとうございます。3人部屋なら、一泊300ルクスです。」


 ユリカは金額を聞くと、5泊分だといって、1500ルクス、銀貨15枚を支払った。ソクラは金額を確認し、代わりに部屋の鍵をユリカに渡す。


「なら、ユリカさん。荷物を置いたら僕たちが止まってる部屋まで来てくれるかな。そこで、報酬の取り分の相談と、今後の話がしたい。」


 美湖はユリカに、部屋の番号を伝えると自分たちの部屋に戻っていった。ユリカたちも自分たちの部屋にむかい、荷物を置いてから、美湖たちの部屋にむかう。


「ミコさん、来たぞ。」


 美湖たちの都丸部屋のドアをノックするユリカ。中から、「入っていいよ。」と、美湖の返事が聞こえる。中に入ると、美湖たちはみんな、チュニックにショートパンツという、ラフな格好で出迎えた。


「あ~、装備のまま来たんですね。リラックスしてきたらよかったのに。ま、いいか。んじゃ、適当に座ってください。」


 美湖の言葉にユリカたちは開いているベッドに腰を掛ける。続いて美湖もベッドに腰掛け、ユーナたちもそれに倣う。


「へぇ、奴隷にも同じような目線で接する。それがあんたたちの絆の秘訣ってわけ?」


「そんな大層なことじゃないよ。それで、今後の話なんだけど...。ユリカさんたちには、僕たちのパーティーに入ってもらえないかな?」


 美湖の提案に、ユリカたちは目を見開く。そして、少しの間固まっていた。


「だめかな?もし、入ってくれたら、すごく助かるんだけど。」


「いや、ダメとかじゃないから。というか、それはこちらからお願いしたいよ。あんたたちの強さを間近で見させてもらったんだ。そこから、色々学びたいしな。それに、正直に言うと、このパーティーは、クランの中では浮いててさ。女ばかりで、結構馬鹿にされてたんだ。だから、強いし、女だけのパーティーのあんたたちに、合ったばかりだけどあこがれもある。こちらから、お願いしたい。私たちとパーティーを組んでくれ。」


 ユリカたちは、深々と頭を下げる。それを見て、美湖は、少し慌てて、


「いやいや、頭はあげてください。それに僕たち、まだ探索者になって1週間くらいなんです。いろいろ、教えてください。」


 美湖も、頭を下げる。お互いに頭を下げ合う光景に、どちらともなく噴き出してしまった。美湖と、ユリカは、互いに手を交わし、


「ははは、では、これからよろしくお願いします。ユリカさん、レイクさん、エリザさん。」


「こちらこそ、よろしく頼む。ミコさん、ユーナさん、アリサさん、スーリンさん。」


 両パーティーのリーダーの握手をもって、7人は一つのパーティーとして行動することになった。


「じゃあ、報酬の取り分だけど、いったん、5:5でいいよね。」


「いやいや、美湖さん、いくらパーティーを組んだからって、それは違うだろう。私たちが討伐したのはせいぜい、ジャイアントビー数袋分くらいだ。その分だけでももらえたらいいから。」


 美湖の発言に、ユリカは慌てて、訂正した。


「いいよ、今回の戦いで武器も防具もだいぶ損傷したでしょ。その修繕や、もしあれなら、新しくそろえるのもいいと思うし。これから、一緒に探索するんだし、先行投資だと思ってくれたらいいですから。」


 そういって、先ほどの報酬の半額、67700ルクスを差し出す。


「っ、わかったよ。そこまで言うなら、この金はもらっておく。今後は、金は美湖さんに管理してもらっていいか?」


 差し出されたお金を受け取り、ユリカは言う。


「別にいいですけど、どうしてですか?この子たちは僕の奴隷だから、いるものは僕が勝って与える感じにしているけど、各自、欲しいものとかもあるでしょう?この子たちにもそのうちお小遣いを渡していくつもりだし。各依頼や、討伐報酬は、それぞれの歩合でいいんじゃないかな?」


「ああ、ならそうしよう。今後のことはその時にもっと詰めていこう。その時にならないと、気づかないこともあるしな。行動はどうするんだ?」


「そうですね。まぁ、明日はクランにクラン証を取りに行って、オフにするつもりです。それから、装備を修繕するか、買い直しをしようかと思ってます。後は、3日塔に潜って、1日休みをサイクルにしようかと思っていますが?」


「なら、私たちもそれに合わせるわ。明日は、朝にクランに行くのはいっしょに行く。其のあとは私らもオフにするよ。」


「じゃあ、これから、よろしくお願いします。」


 再び、握手を交わし、2つのパーティーは一つになった。





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