第1階層、再び7
男たちは、舌なめずりをしながら、4人を品定めするように見てくる。美湖は、そんな男たちに、軽く殺意を覚えるも、
「いえ、結構です。僕たちはもう行きますから。行くよ、みんな?」
そういって、3人を連れてその場を離れようとする美湖。しかし、男たちは美湖の進先に回り込み、道を遮る。
「まぁまぁ。そう急ぐなって。こんなところにいるってことは、駆け出しの探索者だろう?俺たちが手取り足取り教えてやるぜぇ。」
「そうそう、それによく見りゃ、お前のつれ、奴隷ばっかじゃねぇか。しかも全部上玉だな。人作れや。そしたら、お前もいい気分にさせてやるぜ。」
男二人が好き勝手じゃ部っているが、美湖にはほとんど聞こえていない。一つ、耳に入ッた言葉があったようだった。
「...へぇ、僕の仲間をくれというんだね。しかもそれの見返りが僕にいかがわしいことするって?」
美湖は、ゆっくりと言葉を紡ぐ。その様子の変化に気づいた3人は気づかれないように、距離を取り始める。ユーナは短剣にて大木、アリサもスーリンをかばうように位置どる。しかし、男たちは美湖の変化に気づかない。そして、
「...ふざけんな!!」
美湖は、腰の海洋鉱の剣を抜き、近くの男一人を切りつける。しかし、その男も探索者。ミコの動きを躱した。しかし、美湖は気にも留めず、もう一人を切りつける。それも買わされるが、男たちは美湖たちから、距離を取る形になった。美湖は、海洋鉱の剣を地面に突き刺し、
「ユーナちゃん、剣!!」
「はい!!ご主人様。」
ユーナに叫ぶ。ユーナも意味を即座に理解し、腰にある二振りの短剣を美湖の頭上めがけて投げる。美湖は、それをジャンプして受け取り、それぞれの短剣の腹で、男たちの頭をたたきつける。男たちは回避出来ずに、その場に倒れてしまった。
「ふー、ありがとう、ユーナちゃん。よくわかってくれたね。」
「いえ、それにしても、ご主人様、いつになく怒ってましたね。」
「そりゃね、僕の可愛い仲間たちをものみたいな扱いしたうえ、自分勝手な妄想押し付けてくるんだよ?僕はいいけど、みんなをもの扱いするとかやっぱり男ってサイテーだね。」
美湖は、少し悲しげな顔をしながらうつむき話す。その脳裏には、かつて父親だったものが浮かんでいた。
(大丈夫。ここは別の世界なんだ。あいつはもうここにはいないんだし、それに)
美湖が視線を上げると、3人の少し心配そうな顔があった。
(僕を慕ってくれるこの子たちがいるんだ。暗い顔してちゃ、不安がらせるだけだ。)
そういって、悲しそうな顔を切り替えいつもの明るい表情に戻る。
「さて、こいつらはどうしようか?僕のスキルで封じてしまってもいいけど、クランでは、人に見られるとまずいしな。」
「なぁ、別にアリアさんに頼めば問題ないんじゃないか?あの人ならうまく立ち回ってくれるだろうぜ?」
「そうだね。とりあえず、身ぐるみ杯で、別々に封じておくか。そんで、クランでアリアさんと、アヤメさんに相談しよう。」
美湖は封じの札を使い、男たちの装備をそれぞれ封じ、その後、男たち本人を封じる。魔札には、『鉄の短剣 3/20』『皮のジャケット 2/20』『皮のズボン 2/20』『男探索者 1/1』『男探索者1/1』と表示された。
「マジで、生きものでも封じれるんだね。でもこれをするとなんかやばくなるから、必要ない場合は使わないでおこう。さて、気を取りなおうして、アリサちゃんはこの木を一本持っておけば何とかなるかな?スーリンちゃんはとりあえずルプアの実を魔札二枚分封じておくね。」
「「ありがとうございます!ご主人様!」」
二人に礼を言われながら、美湖はそれぞれの物を封じていく。魔札には、『塔樫の木 1/20』『塔ルプアの実 20/20』×3となった。




