4人の食事
今回は0時
19時
23時に一話ずつ
計3話出します
「さて、今回は、僕は、フレンジカウのローストビーフとコンソメスープにしようかな。みんなはどうする?」
「私は、オーク肉のそぼろパスタにします。ご主人様。」
美湖と、ユーナはメニューを決めるが、アリサとスーリンはメニューを決めかねていた。やはり、奴隷という立場上、主人と同じものを食べていいのかと迷っているようだ。
「ん?どうしたの二人とも?」
「いや、奴隷の私たちが、こんなものを食べていいのかってな...」
「そうですねぇ、私たち、奴隷ですし。」
「あ~、わたし、ご主人様に慣れてしましましたね。普通の奴隷の扱いではないですからね。」
アリサと、スーリンは迷っているし、ユーナも、苦笑いしていた。
「なるほど、そういうことか。心配しなくていいよ。僕の奴隷だけど、あくまでパーティーメンバーとしていてくれたらいいから。てなわけで、好きなもの頼んでいいよ。」
美湖の答えを聞き、ユーナは苦笑いから、呆れに変わった。しかし、ほかの二人は、どこか感心したような顔をしていた。
「んじゃ、お言葉に甘えて、私は、黒イノシシのステーキとサラダにしようかな。」
「なら、私は、コケのから揚げとサラダにしますぅ。」
二人も注文して、料理待ちとなった。
「二人には、話してなかったけど、僕は奴隷とか気にしないから。ユーナちゃんみたいにしてくれたらいいから。」
そういって、ユーナを指さす。そこには、少し気まずそうにしているユーナの姿があった。
「ご主人様が悪いんですよ?私をお風呂に入れて、あんなことをしてくるんですから。しかも仕返しした私のことをあっさり許してくれたので、もう、その辺りは気にしないようにしたんです。」
ユーナは、顔を赤くして言う。多分、昨日のお風呂のことを思い出していたのだろう。それは美湖も同じらしく、鼻を抑えて上を向いていた。
「お待たせしました。ご注文の品をお持ちしました。」
従業員が、それぞれが注文した商品を持ってくる。みんなはそれを受け取り、食べ始める。
「おお、たまには別のものも食べてみるもんだね。この肉おいしい!!」
「こちらの、そぼろパスタも、口の中でお肉が解けていくようですよ。」
「私のステーキも歯ごたえがあって、食いがいがあるぜ。」
「私のから揚げも、中からジュワっと肉汁が溢れてきますぅ。」
4人はパクパクと食べていき、30分で平らげてしまった。食事代を支払い、宿の部屋に戻る。
「さて、お風呂に行きますか。」
美湖が言い出した。それを聞いた3人が、
「私は昨日いただいたので大丈夫です。」
「私も、ご主人様、行ってきてくれ。」
「私も、大丈夫ですぅ。」
と、全員が遠慮したのを聞いて、美湖が驚いた。
「え、どうして毎日入らないの?」
「えっと、ご主人様、本来、奴隷には、風呂など入らせません。」
それを聞いた美湖が、まじめな表情を作る。
「なるほどね。それがこの世界の常識なんだね。だけど、僕は貴方たちを奴隷として買ったけど、関係性としては、パーティーメンバーなの。だから、ほんとに遠慮しないでいいんだから。今持ってるお金だって、僕とユーナちゃんで稼いだものなんだし、明日からは、この4人で稼ぐんだよ。僕一人の物じゃない、この4人の財産なんだから、君たちが遠慮することは何もないんだよ。」
「わかりました。それがご主人様ですしね。お風呂に行きましょう。」
「わかったよ。ご一緒しますぜ。」
「そこまでおっしゃられるのなら、ご一緒しますぅ。」
4人は、それぞれ着替えをもって、お風呂に入るため、宿の受付にむかった。