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少女たちの異世界漂流記~美湖の冒険~  作者: コウタ
異世界生活スタート
4/117

旅立ち

「はあ、落ち着きましたか?」


「重ね重ねすみません。お見苦しいところを...」


 再び、女神さまの前で正座をさせられる美湖。女神さまは、ため息をついて


「あなたは節操というものがないのですか?」


「あー、それは、死んだときについでに置いてきました。」


 美湖はおどけてみせる。


「ったく、では、次に、あなたの身体能力を確認しましょう。ストライドでは、ステータスというものがどんな森羅万象に与えられます。つまり、あなたにも与えられるということです。心の中でステータスと念じてみてください。」


 美湖は言われたとおりにしてみる。すると、半透明の板状のものが出現した。


「わぁ、なんか出ましたよ。」


「それがステータスです。そこに書かれているのは、あなたの能力と才能です。それは、生まれた時からすべての者が持つ身分証です。」


 そこには、美湖の能力値が書かれていた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


   NAME ミコ

   LV 8

   AT  125

   DF  115

   MA  85

   MD  80

   SP  115

   IN  130

   HP  300/300

   MP  280/280

   SUKIL

   言語理解(MAX)

   封札(MAX)

   鑑定(MAX)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「これがステータス。ゲームみたいですね。」


「そうですね、おおむね間違ってはいません。そこに記されているのは、あなたの能力値と、才能です。それらが今回あなたの最適化によりあなたに与えられた物です。」


「ほえー、すごいですね、ステータスの値は比較対象がないのでわかりませんが、スキルがカンストしてるのはバグですか。?」


 美湖が間の抜けた感じで言った一言。だがそれを聞いた女神さまがあんぐりと口を開けていた。


「ちょっとまってください。あなたのステータス......これは、...」


「どうしたんですか女神様?」


「あなたのステータスはおかしいんです。レベルが8というのは、年齢的にもおかしくないのですが、レベル8なら、本来平均30から50なんですよ。それが、平均100オーバーとかおかしいですから!!それにスキルも、言語理解がマックスなのは、転生者の特権ですが、それ以外の封札と、鑑定がマックスなのはおかしいですよ!!!」


 はぁはぁ、と肩で息をしている女神さま。よほど驚いたらしい。


「しかし、最適化で与えられた能力の改変は紙にも不可能です。すみませんがこのまま転移してください。まぁ、危険が多い世界ですし、強い分には問題ありませんから。」


「そうですよね。で、だいたいのことはわかったんですけど、この封札ってスキルはどんな能力なんですか?」


「ああ、それはですね、専用の札にあらゆるものを封じる能力と、その札の作成ができるスキルです。」


「ん、案外地味な能力ですね。まあ、一般の数倍のステータスってだけでもすごいチートですしね。」


「それでは、最低限の装備を与えます。どうぞ。良ければ鑑定してみてください。ステータスと同じように念じるか、発動を意識して声に出せば発動しますから。」


 そういって女神さまが出したのは、一本の剣と革でできた装備、布製の肌着、カンパンのようなお菓子が一袋と、金銀銅でできたコイン数枚ずつと、カード数枚だった。美湖がそれぞれに鑑定スキルを発動していくと


・鉄の剣

・ハードレザーシリーズ

・布の肌着×5

・非常食×30

・金貨×10

・銀貨×10

・銅貨×10

・封じの札(金)×3

・封じの札(銀)×5

・封じの札(銅)×10

 となっていた。


「これらは、選別です。これよりあなたをストライドに転移させます。これより先は、あなたに干渉はほとんどできません。命を大事に生きてくださいね。」


「わかりました。女神様。僕を気にかけてくれてありがとうございます。ですが、一つお願いがあります。」


「なんですか?これ以上の物品の授与はできませんよ?」


「そうではありません。ただ、元の世界に残してきてしまったお母さんが、僕がいなくなったことでまた苦しむのではないかと思うんです。ですからどうか、幸せにしてあげてくれませんか?」


 美湖は涙を瞳に溢れさせながら、女神さまにお願いした。それを見て女神さまは、慈愛に満ちた微笑みを浮かべながら


「わかりました。完全に幸せにすることはできませんが、そのきっかけは何回か与えることにしましょう。そのきっかけをつかむかどうかはあなたの母親次第ですが。」


「ありがとうございます、女神さま。」


「それではそろそろお別れですね。生きなさい、美湖。自分の幸せのために。」


「ハイ。行ってきます女神様。」


 そういって、美湖の姿は消えた。


「...あの子の運命が、壮大な旅が今始まるのですね。」


 女神さまのつぶやきが、死後の世界の虚空に消えていった。







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