クラン証とアリアの小言
「私、この間言いましたよね。あなたのスキルは、周囲に露見すれば間違いなく面倒なことになると。どうしてあなたは、自分から面倒ごとに首を突っ込んでいくんですか!!」
探索者クランの支部長室で、アリアは、美湖に対して説教をしていた。先ほどの争いの後、少々人目を集めてしまった美湖とユーナ、その従者であるアリサ、スーリンを連れて、アリアは、支部長室に入り、人目を気にしなくていい状況を作った。
「でも、あいつら、ユーナちゃんを怖がらせたから。」
「確かに、あの者たちにも非はあります。でも、あなたのステータスなら、スキルを使わなくても撃退できるじゃないですか。鑑定で、彼らのステータスを見たんでしょう?」
「見ましたよ。でも、僕では一人ずつしか対応できない。しかも、クラン支部の中です。ほかの人に当ててしまうかもしれない。そう考えたら、スキルで脅すしか思いつかなくて...」
美湖は、申し訳なさそうに謝る。それを見たアリアも、溜飲が下がったのか、
「まぁ、今回は反省しているようですし、許すことにしましょう。私も、できるだけフォローしますから。出来る限り、ミコさんのスキルの露見を防ぎます。アヤノ支部長も協力してくれるでしょう。」
思わぬ流れ弾に、アヤノは慌てている。
「まぁ、仕方ないな。元はといえば、私の部下の育成がうまく行き届いていなかったのが原因であるしな。とりあえず緘口令をひこう。後は、お前の判断だ。ミコ。それと、アリア、二人のクラン証を返してやれ。それがないとこいつら、街の出入りもできん。」
「あ、すっかり忘れてました。はい、ミコさん、ユーナさん。あなた方のクラン証です。Fランク昇格おめでとうございます。」
二人は、アリアから、クラン証を受け取る。淡く緑に輝くメタリックな見た目になっていた。
「それで、4人はこれからどうするんですか?」
「今日は、僕たちの装備と、服なんかを整えに行きます。明日から塔にむかいますので、その時はよろしくお願いします。」
「わかりました。では、塔の情報をそろえて待ってますね。ちなみに、塔まで、この町から馬車で1時間くらいかかるので覚えておいてくださいね。」
4人は、アヤノとアリアに挨拶をして、支部長室を出た。階下に行くと、先ほどの騒動を見ていた人たちが1か所に集められていた。美湖は、申し訳ないことをしたな。と思いながら、その横を通り過ぎクラン支部を出た。
「さて、いろいろやりすぎて、時間かかっちゃったけど、探索者登録、おめでとう、アリサちゃん、スーリンちゃん。これで、明日から、何の憂いもなく塔に行けるよ。」
「いえ、こちらこそありがとうございます。ご主人様。これで、あなた様の支えになることができる。」
「私もですぅ。私の力であなたを支えますぅ。」
4人は、まず、服屋にむかった。美湖、アリサ、スーリンの服を買うためだ。
「ユーナちゃんがチュニックと、ショートパンツだから、全員一緒でいいよね。後、防具じゃない靴もいるよね。」
美湖は、チュニックとショートパンツを一人、5着ずつと、布の肌着を5セット、皮の靴を一人2足ずつ購入した。代金として、金貨1枚を渡し、銀貨10枚を受け取る。それぞれを札に封じ、
「着替えは宿に戻ってからにしよう。アリサちゃんと、スーリンちゃんは靴だけは履いておかないとね。」
二人に靴を履かせて、服屋を出る。
「ご主人様。次はどちらに?」
ユーナが話しかける。ミコは少し考えて、
「そうだね。まずは武器屋かな。僕の剣も、そろそろ交換したいし、さっきの男どもの武器もとっとと売りたいしね。」
美湖は、3人を連れて、武器屋にむかった。




