ユーナとお風呂1
「そうなんですか。なら、問題ありませんね。」
アリアの話を聞いて、美湖の表情は明るくなる。
「しかし、その奴隷にもよりますが、もしかすれば、足手まといを連れていくということです。ほかの探索者なら、奴隷を立て代わりにという話も聞きますが、あなたはそうではないでしょう?だから、気を付けてください。ミコさんだけなら切り抜けられる場面も、その奴隷がいるだけで、切り抜けられない場合が出てくるということを。死んでは元も子もありませんから。」
「はい、わかりました。アリアさん。慎重に攻略していこうと思います。」
美湖は、話を切り、ステーキを食べ始めた。その姿を見て、アリアとユーナはほおを緩ませ、自分のステーキを食べ始めた。
「はぁ~ごちそうさまでした。たまにはこういうガツンとしたものもいいですねぇ。」
「いえいえ、こちらこそ、話を聞いてくださりありがとうございました。ではまた明日、奴隷の子を連れて、行かせてもらいます。おやすみなさい。」
「はい、おやすみなさい。明日待っていますね。」
美湖とユーナはアリアを見送り、宿に入っていった。受付には、ソクラが座っていた。
「あ、お帰りなさい、ミコさん、ユーナさん。」
「ただいまです、ソクラさん。」
「ただいまです。」
「そうだソクラさん。この辺にお風呂とかないですかね?3日もお風呂なしだとさすがに、女の子としてちょっと...」
「お風呂なら、この宿にありますよ。地価になりますが。あ、お風呂は別料金ですのでこちらでお金をお支払いください。」
「なら、いったん部屋に荷物おいてきます。ユーナちゃん、部屋に戻るよ。」
二人は、一度部屋に戻り、着替えをもって受付に戻ってきた。
「で、ソクラさん、お風呂の使用料はいくらですか?」
「この宿のお風呂は個室になっています。一部屋100ルクスです。」
美湖は、銀貨1枚をソクラに渡し、タオルを2枚受け取る。
「では、23番の部屋を使てください。」
階段を下りていくと、現代のユニットバスのような作りの部屋がずらっと並んでいた。二人は23番の部屋を探し、その中に入る。外から見るよりも奥行きがあり、脱衣場と、湯船も分かれていた。
「結構広い作りになってるね。」
「あの、ご主人様?いいんですか、私までご一緒して...」
「もちろん。ユーナちゃんの体、隅々まで洗ってあげるからね~。」
「ご主人様、顔が怖いです...」
二人は、服を脱ぎ、湯船にむかう。そこは、お湯の張ってないバスタブと、せっけんなどが置いてあり、広さも3畳分くらいあり、広々としていた。
「わ~、ご主人様、お風呂ですよ。本物だ~。」
「ユーナちゃん、はしゃぎすぎだよ。ほら、お湯を張るから、ちょっと待ってて。」
ユーナをおとなしくさせ、湯船にお湯を張っていく。この世界でも蛇口というものが普及しているようだった。お湯を8文目くらいまでためて、美湖は、ユーナを手招きする。
「ほら、ユーナちゃんここに座って目をつむってて。」
ユーナを、座らせると、湯船のお湯を洗面器ですくい、頭にかけてあげる。
「ヒャッ、ご主人様!?」
「はいはい、動かないでね。目を開けるとしみるよ~。」
美湖は石鹸を取り、ユーナの頭、髪の毛を洗っていく。しばらく洗っていなかったのか、少々、ごわついていた。その髪の毛を丁寧に洗っていく。その間、ユーナは、言われたとおりに目を閉じおとなしくしていた。洗い終わり、再びお湯をかけ、せっけんを洗い流していく。すると、艶を取り戻したユーナの髪がそこにはあった。
「はい、これでオッケーと。次は、体に行くよ。」
美湖の顔は、少々にやけていた。