ミッション報酬
「どどど、どういうことですか!?説明してください!!」
「そうだぞ、嘘にしか聞こえないぞ。」
アリアとアヤノは、すごくうろたえていた。
「ほら、しっかり説明しないから、お2人が困ってるじゃないですか。私が説明します。
まず私達はラティアヌス草原に向いました。最初はゴブリンを狩っていたんですが、30体程倒したくらいで...」
「いや、あなた達の受けたミッション、ゴブリン10体討伐でしたよね!?」
「まぁ、それで、そのまま、草原を歩いていたら、スキル持ちのボブゴブリンを率頭としたゴブリンの群れを確認しました。」
「えっ?は?スキル持ちだと!?」
「そして、スタンビートに撹乱するために突っ込んだんですが、衝波スキルで吹き飛ばされまして。私は気を失ってしまいました。」
「そんで、ぶちギレちゃった僕がスタンビートを壊滅させたって訳。」
「.............は?」
「それから...」
「いやいや、ちょっと待って下さい。ミコさん?あなた何言っちゃってるんですか?スタンビートを壊滅させたってどういう?」
アリアがついに説明をさえぎった。
「ですから、ユーナちゃんが傷つけられてムカついたから、ちょっと暴れちゃいました。」
「ムカついて暴れて壊滅させられる程、スタンビートは甘くないんだが。ミコ、一応、クラン証見せてみな。ホントならデータが記録されているはずだからさ。」
アヤノに言われ、美湖とユーナは、自分のクラン証を出した。アヤノはそれを受け取り、ミッションデータを確認する。
「確かに、スタンビートクラスのゴブリンが討伐されてるな。どうやら、話は本当のようだね。アリア、ほら見てみろ。」
「確かに、ゴブリン110体、ボブゴブリン20体、普通に狩れる数じゃないですね。ミコさんたちが草原にむかったのは朝方のことですしね。」
二人は、美湖とアリアの討伐したゴブリンの数を見て、話を信じたようだった。アヤノは二人にクラン証を返した。
「とりあえず、無事の帰還と、街の危機を救ってくれたことに礼を言おう。二人のおかげで、この町が守られたのだから。」
「いえいえ、たまたまですから。」
「...たまたまで、スタンビートは壊滅させれないんですけどね...」
アリアはあきれていた。
「まあ、ご主人様は、常識に疎いうえ、規格外ですから。」
隣で、ユーナが溜息を吐く。当の本人は何でもないように微笑んでいた。
「まぁ、とにかく、報酬だな。まずは通常のミッションの、ゴブリン討伐だが、11回達成ということで1100ルクスが支払われる。それから、ゴブリンスタンビートの壊滅で、100,000ルクス。後は、魔物の死体の買い取りだけど、どうする?」
「あー、もう魔石を取り出してしまったんですけど、大丈夫ですかね?」
「ああ、魔石以外にも、魔物死体には利用価値があるからな。ゴブリンの肉なら食堂が買い取ってくれるし、爪焼き場は、武器屋防具の素材になるからな。どうする?」
「なら買取で。」
「では、ゴブリン一体につき5ルクス、ボブゴブリンが一体100ルクス、合計2550ルクスですね。賞金は受付でお支払いいたします。」
美湖が腰から封じの札を出したから、アリアは美湖を止める。
「アリアは、受付で賞金の準備してくれ。ミコ、ユーナは少し残ってくれ。」
アリアは、わかりましたと、部屋を出ていく。それを見送ったアヤノは、二人に対して話を始める。
「ミコ、ユーナ、お前たち、ランクアップしないか?」
「「はい?」」




