ユーナと初めてのミッション
翌朝、美湖は、ユーナを抱きしめながら目覚めた。
「ふふ、こうしていると、ただの可愛い女の子なのにね。」
ユーナが起きるまで、美湖はその可愛い寝顔を見続けていた。少しすると、ユーナが目を覚まし、美湖と目が合った。
「あら、おはようユーナちゃん。よく眠れた?」
「おふぁようございます、って、もしかして?」
「うん!可愛かったよ、ユーナちゃんの寝顔。」
ユーナは、顔を赤くして、布団に埋まってしまった。そんなユーナを微笑みながら美湖は見ていたが、
「さて、今日こそは、ミッションを受けないとね。僕、初めてだから楽しみだよ。」
「え?ご主人様、ミッション受けたことないんですか?にしては、たくさんお金持ってましたよね?」
「ああ、まぁね、でも、ずっと働かなくていいほどの金額じゃないしね。これからも二人で生活していくには、しっかり働いて稼がないと。」
美湖は、布の肌着の替えをカードから取り出し、着替え、上からハードレザーシリーズを身に着けた。ユーナも、来ていたチュニックやショートパンツ、布の肌着を着替え、ウルフレザーシリーズに着替えた。そして腰に、赤銅と黒銀の短剣を下げた。
「準備できた?じゃ、行こうか。」
宿屋を出て、道沿いにある屋台で朝食を購入して食べる。肉をはさんだサンドイッチと、リンゴのような果実を一人一つずつ購入した。
「朝食はこれでいい?足りる?」
「はい、とてもおいしいです。ありがとうございます、ご主人様。」
購入したサンドイッチと果実を食べながら、クラン支部へ向かった。早朝のため、ほかのクラン員もたくさんいたが、その合間を縫って、アリアが近づいてきた。
「おはようございます。ミコさん、ユーナさん。」
「おはようございます。アリアさん。今日はミッションを受けに来ました。初めてなので、何かおすすめとかありますか?」
「わかっていますよ。その装備では、おそらく討伐を考えていらしたのでしょう。では、これなんてどうでしょう。」
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Fランク ゴブリン討伐ミッション
内容
ゴブリン10匹の討伐。
最近、ラティア周辺でゴブリンが多数出現しています。これを討伐し、周辺の安全の確保をお願いします。
報酬 100ルクス
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アリアが差し出してきたのは、ゴブリン討伐のミッション票だった。
「ゴブリンですか。僕が昨日出した分は無効ですよね?」
「そうですね、ミッションを受けたら、クラン証に記憶されます。その後、クラン証が所有者が倒した魔物を記憶していき、それが成功を判断する証拠となります。どうしますか?」
「わかりました。そのミッション受けます。ユーナちゃんもいいかな?」
「問題ありません。ゴブリンなら問題ありませんし、昨日買っていただいた装備の試し切りしたいですし。」
「ユーナちゃんもこう言ってますし、そのミッションを受けさせてもらいます。アリアさん。倒したゴブリンの死体は別で買い取りとなるんですか?」
「はい、そうなりますね。ミコさんのスキルなら、十分に副収入が見込めると思いますよ?では、ミッションの受理手続きを行うので、クラン証を渡してください。」
美湖とユーナはアリアにクラン証を渡す。アリアは30秒ほどクラン証とミッション票に魔力を流し込んだ。
「はい、これで手続き完了です。では気を付けてくださいね。ゴブリンとはいえ、最近は出没数が増えているので、数で来られると危険ですので。」
「わかりました。気を付けていってきます。」
美湖は、クラン証を受け取り、クラン支部を出た。ユーナもそれに続く。二人は、ラティアの町の門について、門番にクラン証と、受けたミッションの内容を見せた。
「ミッションを受けた探索者の方ですね。はい、クラン証とミッションを確認しました。お気を付けて。」
「よし、ユーナちゃん。僕たちの初ミッション行きますか!!」
「はい、頑張りましょう、ご主人様!」
二人は、ラティアの門を出て初ミッションにむかった。