奴隷購入1
「ところで、アリアを専属にしたはいいが、これからはどうするんだ?まさか数日のうちにこの町を出る、とか言い出さないよな?」
アヤノは、許可を出したが、あくまで専属許可のため、この町を出れば効力を失う。そうなっては時間の無駄だからだ。
「そうですね、とりあえずは、この町で活動しようと思っています。このあたりに来たばかりですし、見聞を広げたいと思っています。」
それからは、これからの方針の具体的なことや、世間話を少しして、支部長室を出た。
「ああ、そうそう。ミコ、もし困ったことがあれば、何でも聞いて来い。アリアがいなくても来ていいからな。」
「ありがとうございます。支部長。」
階下に降り、アリアと話す。
「それで、今日はどうします?」
「そうですね、もう一度奴隷商に行ってみます。昨日は軽く話を聞いただけなので。金額とかが分からないと同省もないですし。」
「わかりました。でも、明日はミッションを受けてくださいよ。登録だけして、ミッションをしないような人は、そのうち、ペナルティがありますからね。」
アリアに注意され、美湖もわかりました、と返事をして、クラン支部の裏手、奴隷商『スレイブ』にやってきた。
「すみません。昨日来た者ですが?」
玄関で声をかけると、奥から、昨日対応した男性が出てきた。
「いらっしゃいませ、本日はどのようなことでしょうか?」
「はい、今日は奴隷の購入を前提お話を伺いたくて来ました。もし手持ちが間に合えば、購入も考えています。」
「わかりました。では、別室にてお話を伺います。こちらへ。」
男性が、美湖を部屋に案内しようとするが、
「すみません。その部屋では二人きりにならないようにしてください。出来れば女性の方を付けてくれませんか?」
「どうしてです?」
男性は怪訝そうな顔をする。当たり前だろう。率直に、あなたは信用できないといわれたようなものだからだ。
「気分を悪くしたならすみません。僕の過去のトラウマです。僕は父に、ひどいことをされてきたんです。それからは、男性が苦手になってしまいまして。」
申し訳なさそうな顔をする。
「それは、すみません。いやなことを聞いてしまいましたね。わかりました。当店の奴隷でもよければ、同席させましょう。お客様は、この部屋でお待ちください。」
そういって、美湖を部屋へ入れると、男性は別のほうへ行ってしまったが、しばらくすると戻ってきた。彼の後ろには、きれいな女性が控えている。
「お待たせしました。これは、当店の商品ですのでお気になさらず。それ田は、購入を前提にとのことでしたが、お客様は、どのような奴隷をご所望でしょうか?」
「そうですね。いっしょに探索者のミッションに行ける人がいいです。また、このあたりに来て日が浅いので、常識を知っている人がいいですね。」
美湖は条件を提示していく。本当は、全員といいたいが、お金もないし、今の自分の力では、それだけの人数を養うこともできないとわかっているからだ。
「ふむ、わかりました。予算はどれくらいでしょうか?また、種族などは指定はありますか?」
男性は、美湖の提示した条件をさらに狭めていく。より良い買い物をしてほしいという商人の心があるのだろう。
「種族の指定は特にないですね。意思疎通ができれば問題ないですし。あ、女性でお願いしますね。予算は、金貨二枚くらいですね。」
美湖は男性の質問に答える。男性は少々考えるそぶりをすると、
「おそらく、お客様のご希望に添える者がいますね。少々変わり種ですが、よければ連れてきますがよろしいですか?」
「はい、お願いします。」
美湖の返事を聞き、男性は部屋を出ていき、20分ほどで戻ってきた。後ろには、またも一人の女性が控えている。いや、女性というよりは、少女くらいの背丈のようだ。
「こちらが、お客様にお勧めしたいものです。入りなさい、ユーナ。」
男性に連れてこられた少女を見て、美湖は自分が、暴走しないようにするので精いっぱいだった。そこにいたのは、見た目14歳くらいの絶世の美少女だったからだ。