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少女たちの異世界漂流記~美湖の冒険~  作者: コウタ
聖なる闇
107/117

帰還

女神の手が輝き、光が美湖の体を包む。


「これで、新なスキルが増えているはずですよ。又、『封札』スキルも内容に変化があるはずなので確認して下さいね。」


女神に言われ、美湖は自身のステータスを表示させる。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ミコ シタガイ

LV 38

AT

DF

MA

MD

SP

IN

HP

MP

スキル

封札Ⅱ (30/50)

言語理解 (MAX)

鑑定 (MAX)

片手剣術 (MAX)

従者強化 (1/100)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「ほんとですね。これはどのようなスキルなんですか?」


「まず、『封札Ⅱ』ですが、今までも、生きているものを札に封じてきたと思いますが、その中にいる元意思疎通ができるようになってます。また、魔物の死体を封じた後、札の中で解体し、別の札に振り分けることができます。」


「おお、さらに至れり尽くせりですね。それから、この『従者強化』というのは?」


「これが、今回あなたに与えた新しいスキルです。このスキルは、あなたの従者、つまり、奴隷や、部下にあたる者たちに、あなたのレベルを使って能力を高めることができるの。ただし、あなたのレベルが下がれば、ステータスも下がる。諸刃の剣ね。でも、戦闘に参加できないものや、仲間にしたばかりのものに、即戦力になるような能力を与えられるわ。」


 女神の話を聞いて、美湖は、心の底から喜んだ。自分の大切な者たち、ユーナや、アリサ、スーリンなどは、この世界の者たちであり、美湖のように爆発的な成長はしない。1レベルでどれだけ強化できるかわからないが、自分が知らない場所で傷つくことは減らせそうだからだ。


「女神さま。このスキルは僕にとってありがたいです。でも、こんなに報酬をいただいてよかったのですか?」


 美湖は、疑問を口にした。子塔はこの世界にたくさんある。ひとつ攻略するたびに、こんなに報酬をもらっていたらとんでもないことになる。


「心配しないで。今回は、初攻略の記念みたいなものだから。次からは、ほかの者たちと同じ、望みと攻略貢献の引き合いで何かを渡すわ。」


 女神は、あっけらかんと言った。


「さて、そろそろお別れの時間ね。そうだ、もう一つ教えておいてあげる。この世界にある塔は7つ。子塔は今回攻略したものを除くと87個あるわ。もちろん、今後増えるかもしれないけどね。報酬は、塔の階層によって異なるから、いいものがほしかったら、階層が多い塔に登ることね。」


「ありがとうございます、女神さま。これからも頑張りますので。」


 美湖は、いい笑顔で女神に微笑んだ。


「じゃあ、元の場所に戻します。また会えるのを楽しみにしてるわ。」


 魔方陣が美湖の足元に展開し、美湖の体を光が包んでいく。そして、美湖は、元のウーサーメイジョアーの塔の最上階に戻ってきていた。


「みんな、報酬は何かもらえた?」


 美湖は、周囲にいるメンバーに話しかけた。


「はい、私は、これをいただきました。」


 最初に反応したのはユーナだった。ユーナの手には二振りの短剣があった。美湖はその剣を『鑑定』スキルで見る。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 聖双剣・スターダスト

 AT +400

 MA +120

 隕鉄に聖属性の魔力を込めて作られた双剣。

 その斬撃は、流星のように美しいとされる。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「おお、きれいな双剣だね。」


 美湖は、ユーナの持つ双剣に見とれた。ユーナはうれしくなったのか、双剣を構えてポーズをとる。


「うんうん、ユーナちゃんかっこいいよ。そのままお持ち帰りしたい。」


 ほかのメンバーも、様々なものを受け取っていた。

 アリサは、片目だけにかけるような眼鏡『エメラルド・レンズ』を受け取っている。『エメラルド・レンズ』は、装備者の視力を2倍に引き上げる効果がある。アリサが装備すれば、弓の命中精度が飛躍的に上昇するだろう。

 

 スーリンは、両手で持ちきれないほどの『ルプアの実』をもらっていた。


「えへへへぇ、ルプアがいっぱいですぅ。」


 これだけ大変な攻略をしてきて、望んだのがそれってことに美湖は呆れていたが、幸せそうなスーリンの顔を見るとどうでもよくなった。


 ユリカは、美湖と同じように新たにスキルを獲得したらしい。ユリカが獲得したスキルは『鉄壁』。敵の攻撃を受け止めた時、必ず敵をはじくことができるスキルだ。


 レイクは、お金をもらっていた。金貨にして100枚。美湖より、もらった枚数は少ないが、とても普通に稼げる金額ではなかった。


 エリザは、魔力を貯めておくことができる『蓄魔の宝珠<炎>』だった。これは、魔力を宝珠にためることができ、貯めた魔力は炎属性に変換される、現代で言うところの、外付けブースターだった。これに蓄えられた魔力を、自分の魔力として使うことができる。


 エイルは、新たなスキル『収納』を得ていた。『収納』スキルは、異次元に100枠の倉庫、1枠に1っ種類99個のアイテムを収納できる。


 カレンとフォニアは、自身の持っている『神魔剣・レーヴァテイン』、『神魔剣・オケアノス』の、さらなる強化だった。その望みはかない、『神魔剣・レーヴァテイン』は『炎神魔剣・レーヴァテイン』に、『神魔剣・オケアノス』は、『海神魔剣・オケアノス』に強化された。


 そして、女神像の足元に七色に輝く宝珠が置かれていた。美湖はその宝珠を『鑑定』スキルで確認する。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 塔覇の宝珠<ウーサーメイジョアー>

 ウーサーメイジョアーの塔を攻略した証。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 となっていた。美湖は、その宝珠を「封札」でしまうと、


「よし、これで、この塔での探索は終わりだね。帰ろっか。」


 美湖の言葉で、パーティーは、ラティアの町に帰ることとなった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 美湖たちは、「ウーサーメイジョアーの塔」から出てきた。それと同時に、塔内にいたであろう探索者たちが、次々と塔の入り口に転移してきた。


「おい、何だこれは!?」


「いきなり、こんなところに出たぞ。どうなってんだ?」


 探索者たちは、いきなりのことで動揺している。その後ろで、「ウーサーメイジョアーの塔」が、崩壊していく。5分もしないうちに、塔は瓦礫となり消えた。


「おいおい、嘘だろ。塔を攻略した奴がいるってのか?」


 探索者たちは、周囲を見回す。そして、美湖たちに気づいた。


「あんたらか?あんたらがこの塔を攻略したってのか?」


 一人の探索者が、美湖たちに近づく。


「うん、そうだよ。僕たちが最上階層主を倒した。それから、ここに出てきたら、塔が崩壊したんだよ。」


 美湖の返事を聞いて、あっけにとられる探索者を放っておいて、一行はラティアの町に向かって歩き出した。


 ラティアヌス草原では、特に魔物に襲われることもなく無事に町までたどり着いた。美湖たちは全員でクラン支部に向かう。


「あ、皆さん、お帰りなさいませ。」


 クラン支部に入ると、アリアが出迎えてくれた。


「ただいま、アリアさん。何とか、塔を攻略できたよ。その報告がしたいんだけどいいかな?」


「わかりました。支部長の部屋に行きましょう。」


 アリアは、美湖たちを連れてクラン支部長の部屋に案内した。




 

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