観測者は
あるところに何時も雨が降っている国がありました
数年に1度
太陽が輝く日が有りその日以外はずっと雨が降っている国でした
その国のある場所で2人がある約束交わしました
「月の出る夜に帰ってくるから聞いてほしい事がある」
彼はうなずき、手を振って別れた
そして彼は約束が守られる日を楽しみにしていました
それから何十も何百の太陽が昇り沈みました
しかし彼は知りません
この国がうまれて数百年、月が1度も夜空を照らしたことが無い事を
しかし彼は知りません
この国を覆う雲は神が掛けた呪いで人の力では解けないことを
彼は知りません
彼自身がどんな表情で毎日夜、月を探しているのかを
観測者は
自らの心には無関心である