表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生軍師リリスとノルの魔獣戦記(最弱ハンター、二度の覚醒を経て最強へと至る)  作者: たぬころまんじゅう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/30

ハーブ大作戦

ダグはでっかい麻袋を肩に担いで、子供たちを追い抜きながらドヤ顔。


「俺はもう10袋目だぞ!おまえら、俺を見習って——」


子供たちを振り返りながら、自慢げにパンパンになった袋を指で差す。だが、足元から注意が逸れたおかげで、根っこに躓いて積んであったハーブの山に顔面から突っ込んだ。


「うわっ、くっせぇ!……って、これタイムか!?目がシミる!!」


顔面真っ青で這い上がるダグ。目を擦りながら、鼻を押さえて悶絶している。


「ダグ兄ちゃん、タイムは香りが強いから別の袋にしろって言われたじゃん!」


「知るかよ、ここに積んだの俺じゃねーし!!」



アジト周辺では子供たちの元気な声が響く。


「ほら、そこの赤い実のやつは毒だからダメだぞー!」

「こっちの白い花は香りがいいやつ!」

「ルーニャお姉ちゃん、それ食べたらお腹壊すやつー!」

「俺が一番だーー!!」

「テットくん、また鼻水垂れてる!!ハーブがしょっぱくなるからやめてー!!」

「うるせー!!これぞ俺の必殺、ハーブ塩味だ!!」


そして、木の隅に子供たちが集まる。


「うわっ、このハーブ虫ついてる!!」

「虫!?どこどこ!?」

「ここここ!……って、あれ?動いた!動いた!!」

「きゃーーーー!!」

「逃げろーーー!!」


虫一匹で子供たちが総崩れ。転がりながら逃げる子、籠を盾にして戦う子、泣きながら走る子。


そして極めつけは……。


「ノル兄ちゃん見て!!私、ハーブで冠作った!!」

「俺はハーブでひげ!!」

「私はハーブでドレス!!」


「みんな緑の妖精みたいだね!!」


ノルが苦笑いで振り向くと、そこには全身ハーブまみれの子供軍団が。


「もう……ハーブ摘むより、完全に遊んでる方が忙しいじゃん……」


そして、圧巻はスカーレットだ。


「よし……いくわよ」


彼女が両手を広げると、森全体のハーブがざぁぁぁっと音を立てて浮き上がった。まるで緑の嵐。葉っぱが、茎が、花が、根っこごと、数百、数千束が一度に宙を舞う。


「うわぁぁぁぁ!!」

「団長すげぇぇぇ!!」

「草むしりの神だー!」


子供たちが目を輝かせて大歓声する。スカーレットは苦笑いしながら、浮遊するハーブの山をぐいぐいとアジト方向へ移動させていく。地下倉庫の入り口では、すでに麻袋が300袋以上並んでいた。


「はい次、次ー!袋いっぱいにして縛ってー!」


リリスが指揮棒代わりに枝を持って指示を飛ばす。


「ミナちゃん、それ詰めすぎ!袋が破れちゃうよ」

「テットくん、鼻水でハーブが湿っちゃうから拭いて!」

「もう一個袋ちょうだいー!」


子供たちは汗だくで走り回り、袋にハーブを詰めては縛り、縛っては積み上げる。


「あと50で400袋だよー!」

「もう手がハーブ臭くてヤバいー!」

「でも楽しいー!!」


倉庫の中は、すでに生ハーブの山で足の踏み場もない。


「これ……本当に全部売れるのかな……?」


カレンが、呆然と袋の山を眺めながら呟く。


「売れるわよ」


スカーレットが笑った。


「だって、不帰の森のハーブだもの。香りも効能も、他じゃ絶対真似できないわ」


「まあ、それもそっか……」



夕方、ハーブの香りが地下アジト全体を包んでいた。食堂の厨房では、今日摘みまくったハーブが山のように積まれている。


「よーし!今日はハーブ祭りね!!」


カレンが腕まくりして宣言。鍋の前に立つのは、珍しくノルとリリス。


「俺、スープ作るから!」


「私はハーブパンを焼くね」


子供たちがテーブルに鈴なり。


「ハーブパン!?食べたーい!!」

「スープ!スープも!!」


ノルが巨大な鍋に、摘みたてのローズマリーとタイムをドサドサと投入する。


「ねぇ……ちょっと、入れすぎじゃない?」


カレンが横目で心配そうに見る。


「大丈夫です!森の香りをたっぷり味わってもらいます!」


言いながら、火にかける。たちまち厨房が、まるで森の中にいるような香りに包まれていった。


「うわっ、すごい良い香り!!」


リリスは生地に刻んだミントとラベンダーを混ぜ込む。


「甘いハーブパンにしてみたよ。子供たち喜ぶかな?」


イグニスの炉を活用したオーブンから出てきたパンは、表面がこんがり、中からふわっとミントの香りが立ち上る。


「美味しそうだね!」


ノルが頷きながら、焼き立てパンを覗き込む。目が合うと、リリスも嬉しそうに微笑んだ。いつの間にか、後ろでその姿を見ていた子供たちが一斉に飛びついた。


「できたー!!」

「すごいいい香りー!!」

「美味しそう!!」


ノルのスープも完成。森の香りが凝縮された、黄金色のスープ。


「はい、みんな並んで!」


子供たちがスープ皿を両手で持って大行列。


「ノル兄ちゃんスープ美味しい!!」

「毎日これ飲みたい!!」


ガルムが一口飲んで、目を見開く。


「……おい、これマジでうまいぞ」


ダグもゴクゴク飲み干す。


「ノル、おまえ料理の才能あるんじゃないか……?」


カレンはハーブで作ったサラダをドーンとテーブルに置く。


「はいデザート代わりにハーブサラダ!ドレッシングもハーブ入り!」


子供たちが「えー!?草ー!?」と口々に騒ぐが、一口食べる。


「……うまい」

「草なのにうまい!!」

「もっと食べてみる!!」


その夜、テーブルに並んだハーブ料理を囲んで、アジトは森の香りと笑い声でいっぱいだった。


いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ