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星の詩  作者: 時ノ宮怜
7/9

増える友達、蛸の先触

「おいしいものがたべたい」

僕はキミに言う


「あまくとろけるような、

からくしげきてきな、

にがくうなるような」

そんなものはないかと尋ねる


「そんなのないよ」

とキミは言う

違う違う

それは君が知らないだけ

僕も知らないだけ

だから一緒に探しに行こう

「おいしいもの」を


海に行こう

山に行こう

街に行こう

そして見つけよう


きっと見つかる

誰もが求める

すてきな「おいしいもの」


「君にたべたいものはある?」

僕はキミに問う


「酸味強く覚めるような、

濃く絡みつくような、

薄く飽きさせぬような」

そんな料理が食べたい


「なら探そう」

僕はキミの手を引く

前へ先へ

新しいものを求めて

違うものは捨てて

日が沈んでも探そう

「ほしいもの」を


「おいしい」料理を作ろう

誰もが虜になって離れられないような

様々な素材を合わせて混ぜて

まるで継ぎ接ぎするように


「ありふれた物はおいしい。」


みんなの好きを作ろう


「珍しいものはおいしい。」


みんなの驚きを作ろう


ああ、そうだよ

こんなにいっぱいあって

だれもたべないものがあった


おいしい

おいしい

おいしい


キミもたべなよ


「いらない」

どうして?

どうして?

どうして?


これがキミが「ほしいもの」でしょ?

夜にはいなくなる

これがほしかったんでしょ?


いらないならいいや

僕が全部もらうね?

僕の新しい友達おいしいもの

言葉は通じるのに話が通じない

意思を交わせるのに心は交わせない

信用はするけど信頼できない

どこか致命的なところで食い違う

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