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星の詩  作者: 時ノ宮怜
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野森蔓々-テラトピア-

さえずりが聞こえる

森に光がさす

生き物の息遣い

空気が流れる音

葉の色が騒がしくなる


露が零れる

記憶に流れる

熱を吐く

冷めた頭で森を抱く


木々が生い茂る

草は伸び

蔦を巻き

花よりも緑を増やしていく


ゆっくりと

ゆっくりと

時間が止まっているかのように錯覚するほど

だけれど

確かに流れているとわかるほどに

森は生き着く


ここは楽園

満ち満ちた「葉」が織り成す楽園

私は「言」う

この楽園で

木々に

この世界に

聞かせるのだ

あなたこそ自然

自らがそうであると

誰からも形容されるのだから


そんな楽園に夜が一つ

望まざる客

夜は孤独を抱えていた

夜は輝きに焼かれていた

楽園は誰も望まない

だけど誰も拒まない


楽園の門は

いかなるものにも

癒し

育み

産まれ

そして死ぬ

ここは自然だから


夜はそれを受け入れる

夜もまた誰にも平等であるから

楽園はつかの間の夜にはしゃぎ

夜は楽園の木々に世界を教える

決して動くことのできない木々に語って聞かせる物語


輝かしき星

孤独の星

夜が求めた、ただ一つの


楽園の門は閉じ

今、木々の「言葉ことのは」は

空を夢見る

風よ吹け

せめてこのひとかけらの言葉に希望を

街に住む我々にとって

森はもっとも身近な異世界

そこにあるのは街とは違う秩序

必死に守ると謳いながら、すでに手遅れなほどに壊れた

最後の楽園

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